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コーヒー豆のベストな保存方法は?

コーヒー豆のベストな保存方法は?

私が10年の珈琲焙煎士の経験から、
お勧めするコーヒー豆の保存方法は常温密閉の一択です。

コーヒーの情報もネットでたくさん調べられる時代になりました。
人の数ほど、サイトの数ほど、いろいろな保存方法が紹介されています。
温度の事で言えば、常温、冷蔵、冷凍。
容器で言えば、キャニスター、ビン、缶、真空パックなどなど…。
とにかくたくさんありすぎてわからない…。
そんなお悩みのある方も結構いるのではないでしょうか?

珈琲の初心者の方にも、わかりやすく説明します。

この記事を読めば、コーヒー豆の保存について悩む必要がなくなり、
いつでも新鮮な豆を使用して美味しいコーヒーが飲めるようになります。

では、行ってみましょう!

冷蔵と冷凍のメリット•デメリット

〈メリット〉
冷蔵庫、冷凍庫での冷蔵•冷凍保存。
長期保存が可能というのがメリットです。
特に冷凍の場合は1年以上の保管が可能という意見もあります。

ですが、長期保存というメリットを得るために生じてしまう
デメリットがとても多いという現実があります。

〈デメリット〉

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•温度変化が発生する
冷蔵庫の開け閉めによって、温度変化が起こります。
冷やされているものが温かい空気に触れると水滴が付きます。
これは当然豆の劣化に直結します。

•匂いがつきやすい
他の食品と一緒に保管されるため、冷蔵庫内の食品の匂いや、
冷凍庫内の特有の冷凍焼けの匂いが豆に付着しやすいです。

•保存したこと自体を忘れやすい。
冷蔵庫の奥に入れてしまったり、冷凍庫の下の方に入ってしまうと、
保存したこと自体を忘れやすいです。
忘れた頃に庫内の整理をして「あー!豆あった!」事件が起こりやすい。

•保存した量がわかりにくい
常に目に触れるわけではないので、
あと豆の残りがどれぐらいあるかがわかりにくいです。
豆が少ないのに買い足し忘れたり、逆に豆が多くあるのに追加で買ってしまったりということが起きやすい。

常温保存のメリット•デメリット

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〈メリット〉
•温度変化が少ないので、豆が同じ温度帯で安定して管理できる。
見えやすい→残量がわかりやすい→過不足の無駄が生じにくい。
•何よりも簡単、特別な道具も要らない。密閉して置いておくだけ。

〈デメリット〉
•豆の保存可能期間が冷蔵冷凍に比べると、短い。
でもちょっと待って!
常温で美味しく珈琲を飲める豆の保存期間は1ヶ月もあります。

つまり、1ヶ月以内に飲み切れる量を購入する様にすれば
いつでも鮮度よく美味しい珈琲が飲める
わけです。

1ヶ月。結構長いですよね?

焙煎1ヶ月以内の豆であれば、ドリップの際にとてもよく膨らみ、
美味しい珈琲を淹れることができます。

具体的な常温保存の方法

〈使用する容器〉
密閉できるものであればなんでも構いません。
キャニスターでも、ビンでも、タッパーでもいいです。

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おすすめは、やはりキャニスター。出し入れが楽。開け閉めも楽。
密閉もできる。外から残量がわかりやすい。
おしゃれなインテリアにもなります。
ビン製でも、プラスチック(正式にはポリカーボネイトと言います)
でも構いません。
ビン製はおしゃれ。でもちょっと重い。落とすと割れる。
プラスチック製は軽い。落としても割れない。でもちょっと業務的。
その辺りはお好みで。
100均でも売ってますが、やはり安いつくりで、密閉度が怪しい。
ちゃんとしたメーカーのものをおすすめします。

実は最強はペットボトル。ペットボトルにかなう密閉容器はありません。
(ただし、よく乾燥させて使用して下さいね)
豆を入れるのがめんどくさいのが難点ですが…。
裏技アイテムで、最近は100均でペットボトルのスクリュー口にはめる
専用のロウトが売ってたりします。
珈琲豆が発生させる炭酸ガスがペットボトル内に充満するので、
パンパンに内圧がかかります。
開けるとプシュっと炭酸飲料の開封時と同じ音がします。

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缶でもいいですが、やや密閉度に欠ける物が多いです。
ジップタイプの密閉袋は密閉される様に思えますが、
これは目に見えないサイズの微細な穴のある素材でできています。
通気性の良い保存袋といった所になります。
1週間程度の保管なら良いかと思いますが、
1ヶ月の保管には向かないです。

珈琲屋さんで買った時の袋にそのまま保存する事もできますが、
コーヒー屋さんによって使用している袋の素材も様々なので、注意が必要です。

アルミバリアという、袋の内側がアルミコーティング(銀色の幕)されたもので、かつジップ付きのものなら、そのまま使用して良いでしょう。

アルミバリアではない袋の場合は、密閉容器に移した方が良いです。

最近コーヒー屋さんでも、袋に後付けで貼ることができる
ワイヤーパーツを珈琲袋上部に貼って豆を売っているのも見かけます。
これは密閉度が緩すぎるため、保存にはNGです。密閉容器に移しましょう。

〈置く場所〉
置いておくだけと言っても、気をつけるべき点が2つあります。
①直射日光の当たらない場所に置くこと。
②湿度の高い場所に置かない事。

直射日光に含まれる強い紫外線と、
温度変化によって豆の劣化が起きてしまいます。
南向きの窓辺とか、台所シンクの下とかは避けましょう。
冷暗所まで行かなくてもいいですが、
日差しの穏やかな風通しの良いところがいいです。

購入量の目安

1ヶ月分を購入すれば良いと言いましたが、
珈琲の初心者にとっては、
一度に豆をどれぐらい買ったらいいか分かりにくいもの。

目安を示しておきます。

一杯の珈琲に使用する豆の平均は10g。
そこからの、1日何杯飲むか、何人で飲むかの掛け算です。

1日一杯の珈琲を飲む人→目安として300g/1ヶ月分 買っておけばOK。(1週間で70g→1ヶ月分で280gの計算)

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これを基準に掛け算です。
1日2杯飲む人→600g/1ヶ月分 買っておけばOK
(1週間で140g→1ヶ月で560gの計算)
夫婦で1日に2杯分という場合も同量ですね。

これを、例えば家の近くに珈琲屋があって、
いつでも買いに行ける、という場合なら、
上記の計算を4週で割ったり、2週単位で割り算すれば良いわけです。
もちろん細かく購入できる方が鮮度の良い豆が手に入ります。

珈琲豆の保存方法は常温密閉で!

1ヶ月以内に飲み切れる量を購入するという購入量にして、
簡単、かつ効率よく、無駄が出にくい方法が常温密閉という選択肢です。

もちろん冷蔵、冷凍も長期保存のメリットがありますが、
何より常温が簡単。やっぱり簡単なのが一番いいと思います。

実際に珈琲屋をやっていて、当店では常温保存しかしていません。

これも、1ヶ月分の豆を購入するのと同じ理屈で、
1ヶ月保存して使う量しか焙煎しないからです。
1ヶ月を過ぎたものはお客様にお出しできません。
(もし余ったら、自家消費に回します。1ヶ月半くらいならまあまあ美味しく飲めるので)

というわけで、これからは豆の保存は迷わず常温密閉で!
1ヶ月以内に飲みきれる量を買うというポイントをお忘れなく!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

皆様の珈琲タイムが素敵なものとなります様に。

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