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一級総合無線通信士資格取得指針

概要

2022年9月14日~15日にかけて、一級総合無線通信士の試験を受けたため、その勉強方法や概要などを簡単にまとめる。
なお、現時点で電気通信術については未勉強で十分な情報がないため、電気通信術について知りたい方は別のサイトを参考にされたい。
また、英語、地理、法規については別ページに後ほど詳細をまとめる予定である。

地理についてまとめたページはこちら


一級陸上無線通信士とは

一級総合無線通信士とは、その名の通り無線通信に関する国家資格の最上位資格の一つである。
他にも海上無線通信士や陸上無線技術士、航空無線通信士などもあるが、総合無線通信士は "総合" と名前がつくように、これらの多くを包含している上位資格になる。
以下の図は、公益社団法人日本無線協会の図が公開している図になるが、一級総合無線通信 (一総通) が、一級陸上無線技術士 (一陸技) を除きすべてを包含していることがわかる。

資格試験相互関係
引用元: https://www.nichimu.or.jp/denpa/faq/index.html

受験者数/難易度

これだけみるとさぞ難しく人気も高いだろうと思いきや、全くそんなことはない。
国家試験で年に2回受験可能、かつ、受験資格が無い (誰でも受験可能) にもかかわらず、年間受験者数は200~300人程度と極めて人気がない。 (他の国家試験の1会場よりも少ないんじゃないだろうか)
さらに合格者数は10人前後と極めて少なく、合格率は1桁台を切る。

令和3年度合格者数
引用元: https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/field/data/gt020406.xls

つまり、この note の需要は極めて少ないと思われるが、ネット上を検索しても古い個人のブログの情報、もしくは、粗製濫造された資格試験解説サイトしかなかったため記録することにした。
なお、執筆時点 (20220918時点) では、私は1回目の受験が終わった直後 (同年9/14-16に受験) であり、また、一部科目は受験しなかったため未合格の点に留意されたい。

試験科目

試験科目は大きく分けて以下の7科目である。(英語と電気通信術は更に細かく分かれている)

  • 工学の基礎

  • 工学A

  • 工学B

  • 法規

  • 英語

    • 会話

    • 筆記

  • 地理

  • 電気通信術

    • 電信

      • 和文

      • 欧文

        • 欧文暗語

        • 欧文普通語

      • 電話

        • 欧文

      • 印刷電信・欧文普通語

科目合格制があるため、一度にすべて合格する必要はなく、何回かに分けて全教科最終的に合格すれば問題ない。
(科目合格は、試験日の翌月から起算して3年間有効)

Q. 試験科目の一部免除が認められるのは、どういう場合ですか。
A. 試験科目の一部免除が認められるのは、以下の6つの場合です。いずれも「申請により」となっていますので、申請書に記載がないと免除になりません。

(1)次に掲げる同一資格の国家試験で、それ以前の試験において合格点を得ている試験科目(電気通信術を除く。)のある者が当該試験科目の試験の行われた月の翌月の初めから起算して3年以内に実施される当該資格の国家試験を受ける場合は、申請により当該合格点を得た試験科目の試験が免除されます。

出典元:公益社団法人日本無線協会
https://www.nichimu.or.jp/kshiken/faq/index.html

そのため、合格を狙うには、この7科目をどれだけ効率的、かつ、計画的に勉強していくかが肝になる。

攻略指針

いろいろ調べた結果、以下の方法で合格するのが簡単と判断した。
なお、私は無線従事者ではないただの IT 系サラリーマンのため、無線通信に関する実務経験が無い人を対象として記載する。

工学の基礎, 工学A, 工学B

他の国家資格 (一級陸上無線技術士や電気通信主任技術者など) を先に合格しておき、科目免除を狙う。
これにより、科目合格による免除とは異なり、永久に科目免除が受けられる。
なお、電気通信主任技術者 (伝送交換) の場合には、工学Bの免除は受けれないため、3科目とも免除を狙うのであれば一級陸上無線技術士を受けるのがおすすめである。
電気通信主任技術者 (伝送交換) をすでに持っているのであれば、法規と工学B を受験するだけで一級陸上無線技術士の資格が得られるので、先に一級陸上無線技術士を受けるのがおすすめ。

法規, 英語, 地理

これはそこまで難しくはなく、他の国家試験と同程度の勉強時間で合格が可能。勉強時間はその人が持つ事前知識や勉強の効率などによるため一概には言えないが、私は法規は15時間程度 (直前に一級陸上無線技術士試験で重複する部分を覚えていたため)、英語は1時間程度、地理は8時間程度の勉強でなんとかなった。
英語は英検2級レベル、TOEIC だと 600 - 700 点くらいあれば受かるレベルと思われる。
ただ一点注意しておきたいのが、英語能力だけでは答えられない問題が数問出ることである。
例えば、以下の問題である。

QUESTION 5
There are several terms that describe tides. What does 'stand of the tide' mean?
1. A very low tide
2. An extremely high tide
3. Any ocean flow, including flood or ebb tides
4. A momentary state where no movement is observed at high or low tide

tide が潮の流れなどを意味することは知っていても、'stand of the tide' という表現は正直聞いたこともない。
英和辞典で調べたところ、"停潮" を意味する言葉らしいが、日本語でもわからない。
そのため、この "停潮" を調べたところ、どうも、満潮や干潮前後の海面が動かない状態を示す言葉らしい。
過去問を数年分見たところ、この手の問題は英会話の問題で 1, 2 問でるようなので、捨て問として諦めることにする。
(この手の問題も落としたくないのであれば、英語で海洋や航空に関する入門書などを読むくらいしか無いと思われる。)

電気通信術

これが最大にして最難関の科目である。
今からまさに勉強に取り組もうとしているが、そもそも試験の問題 (というか対象) についても理解できていない。
そのため、調べて分かり次第 (もしくは、合格し次第) 追記するか別ページにまとめる。

まとめ

内容が長くなってしまったため、一旦ここまでに。
英語、地理、法規については個別に note を作る予定であるが、それ以外に最近受けた資格試験 (甲種火薬類取扱保安責任者、毒物劇物取扱責任者、危険物取扱者など) についても別途まとめる予定である。

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