伝説の焼肉

長雨に寒さが戻り中々とアロハシャツを着る機会がなく何かと募る焦燥を持て余している。今も炬燵に再び火を灯し、缶ビールの冷たさに戸惑っていた。ま、それでも飲むけれど。飲めば火照り多少夏の面影を見ることができる。さてさてさっさとがっぽり飲んで、酔いにすべてを任せようではないか。

鹿田です、よろしくね！

ネタは無い。本は相変わらず読んでいるがまあ毎回毎回ほんの話ばかりしていても鹿田の自我同一性が危ぶまれる。かと言って中々夏の妄想へも飛んでいけない。いまがっぽらがっぽらと口にビールを放り込んでいるが初夏の陽気にすっかり染まってにやけていたものだから、不意の寒の戻りに呆気に取られてしまったのである。お陰でなんだか今日はキーボードもカタカタカタとは鳴らず、ポチポチと寂しい。ま、ぼちぼち行きますか。

と思っていたのだが、”虫コナーズ”のCMで少し元気が出た。現金なやつ代表鹿田はそんなものの影響で少しばかり楽しくなってしまったよ。うむ、半纏など熱いな、脱いでやる。よいしょ。

巷では明日から連休後半の突入であるが、鹿田の仕事は関係ないので明日からも通常業務に勤しむ。ましかし少し連休なのだから遊びは必要だべよということで所長提案のリベンジ焼肉パーティーが開かれることとなった。

なぜリベンジがつくかというとそれは所長の誕生日に遡る。飲み会はまだまだ開くことはできない中、なにか楽しいサプライズをしたい！そう考えた鹿田はやっすいホットプレートを購入し、その日の最後の仕事が終わってすぐベニマルヘ向かい（ベニマルってどのくらいの人が知っているかしら、多分我らが東北から北関東にかけてはあったはず。いわゆるスーパーなマーケットである）焼肉用の肉やタレをささっと購入しては会社に戻った鹿田はこれは素敵なサプライズになるぞとうきうきしていた。

そしていざパーティー、焼肉というサプライズに関しては「お前にしてはやるではないか褒めてやろう！」とありがたきお言葉を頂いたのだが、いざ肉を目の前にして、「私の食える肉はこれしか無いじゃないかぁ！！ちゃんとリサーチしとけやくそー！」（誇張あり）と、想定外のご立腹（誇張あり）。メイン以外の肉はほとんど鹿田ともう一人の職員が食べるというなんとも切ない結果になってしまったのである。

プレゼントも用意していたのでそれを合わせての予算の中でやりくりしたのであったが、なんとも、やり切れない結果となってしまった。（あ、プレゼントはとても喜んでくれました！奮発してワイヤレスイヤホンをプレゼントした）

それがあっての、リベンジ焼肉である。所長は燃えている。明日の午後鹿田は所長とともに材料を購入する為ふたたびベニマルへ行く手筈となっている。そこで鹿田はこっ酷く「焼肉と言ったらな、これとこれとこれだろがい！」と猛烈な焼肉教育を受けるに違いない。となれば部下として真摯にメモ帳片手に【最高の焼肉について：材料とそのメニュー】と、所長直伝の焼肉の鉄則を一字一句見逃さずメモするしかない。そしてそれは【〇〇事業所職員一子相伝の伝統的焼肉の作法】として代々伝わっていくこととなるのだ。その一番弟子となれることを考えると、感慨深く涙腺が緩む。

ああ、考えれば考えるほど緊張が増してくる。今日はもう大人しくここで記事を終えて早く寝よう。ああ、どんな焼肉になるのだろう。むしゃぶるいｓｐうまうｋいぼびびーどがうてあｎ