特別なことはなくても「西加奈子 おまじない」
おまじない
西加奈子
「特別なことはなくても、日常のあり得ることを代弁してくれるからこそ共感できる言葉の数々」
・感想
初版が発行されてから3年もたっているのかと驚きました。文庫が好きですが、読みたい作家さんの作品はできるだけ早く読むようにしようと思います。いつか出版された本の帯を書いてみたい!と思いつつ、その大抵はキャリアのある実力者が書くものであって、さてどこで実力を身に着けようと思うこの頃。作品の感想を自分のためはもちろんなのだが、誰かがこの本読みたいと思えるように書いていけたらいいと思うこの頃。
・作品毎の雰囲気
「燃える」
良いと思われていること、人よりも優れていることが悪だと感じることについて、人の個性が皆異なることに気が付くきっかけを与えてくれる。
「いちご」
外見、生活、人間関係。昔とあらゆることが変わっていっても、いつでもあの頃のように笑うことができる。心のふるさとに人は救われることがあると思い出させてくれる。
「孫係」
自分が他人を演じている感覚が生きることをほんの少し楽にさせてくれる。責任とか務めをそこまで重く考えなくていいと思える。
「あねご」
この姿でしか生きていけないという枠は、勝手に自分が作り出しているもの。もっと、私は自由だ。
「マタニティ」
親になるときにはもっと偉大な人間になっていると思っていた。そんな期待を打ち砕く現実に負けない気持ちをそっと置いてくれる
「ドブロブニク」
アドリア海に面した小さな港町で、美しい海にも劣らない「ありがとう」がそこにはある。
「ドラゴンスープレックス」
世の中のおじさんは格好悪くて格好悪い。そんな人間だから愛おしい時がある。
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