目線を合わせる技術をお持ちですか?
「DX」に代表されるように、ビジネスとして意義のあることだけれど、その“意味”が曖昧模糊として分かりづらい言葉は多いです。
たとえば地方の中小企業の人にDX化とは何か? と聞くと「“デジタルなんちゃら”でしょ? IT化と同じでしょ?」という認識が主流です。
こう書くとムッとして「そうじゃない!」と反発する人もいると思いますが、大事なのは言葉のとらえ方が社会階層によって違うということです。実際、DX化=IT化と思っている人はある階層では多いのです。
(そういう意味では「地方の中小企業」というのもざっくりしていますが。また、じゃあDX化ってナンだ? という話は今回本題ではないので気になる方は調べてみてください)
今回お伝えしたいのは、相手の目線まで「落とす」ことの大切さです。
最近も、ある横文字的な取り組みを地域に浸透させようとしているけれどうまくいっていないという話を聞きました。
「マーケティングしてターゲットにリーチして〜」というように考えているようなのですが、「ではマーケティングで何をするの?」と聞くと、たぶんWeb広告など販促媒体の話になるんじゃないのかな、と思います。
マーケティングという言葉もまた広範囲すぎて難しすぎますが、販促媒体は“届けるハコ”のことであってもっとかみ砕く必要があります。すなわち、
誰に目線を合わせてどんな言葉が適切かを検討する
ということです。僕も当事者であれば見失いがちなのだけれど、この「目線の合わせ方」がムズカシイ。
僕自身、セミナー活動をしていて「目線の合わせ方」については試行錯誤してきました。
今は街の事業者やフリーランスの方を対象にすることが多いので、“そのターゲット”に対する目線の合わせ方は熟知しているつもりです。おかげさまで「分かりやすい内容だったからすぐに使えそう」と言っていただくことが多いです。
「自分はこの分野のプロなのだからプロとして伝えなければいけない」などと身構えると、たいてい伝わりませんね(汗)。プロだからこそ、相手に適切に目線を合わせる技術が必要なのです。
あくまで僕が街の事業者を相手にセミナーをするケースですが、「目線を2段下に落とす」くらいの感覚でやるとバッチリはまります。
それと、僕がやるようなビジネスセミナーでは「持ち帰って使っていただくこと」がゴールなので、ステップバイステップで“できる”状態に登って終えられるよう考えています。
それはもう入念に。モデルケースにさせていただいているセミナー巧者もいます。
だから、たまに他の人のセミナーを聞くと、「良いこと言ってんのだろうけど、要は何を言いたいの? どう生かすの?」とツッコミたくなるものもあります。
自分自身に言い聞かせていていますが、伝える自分やキーワードに対し、悦に入ってはいけない。相手が“分からない”ことを前提に、分度器の目盛りを合わせることが大事です。
それが(今のところ)AIにはできない、人間だけが持つ調整能力なのではないですかね。
目線、合っていますか?
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