「何分茹でれば美味しく食べられるのか」から考えていますか?
いきなりですが質問です。
「うどんを茹でる」というミッションが与えられたとき、あなたはどちらから考えますか?
A. 10分なら10分、決められた時間茹でることを考える
B. 何分茹でれば美味しく仕上がるかを考える
この2つの回答の仕方には大きな違いがあります。端的にいうと、具体的な解決方法から考えるか? 課題の上流にさかのぼって考えるか? の違いです。
カップラーメンあたりだとマニュアルに書かれた時間通りにつくるのが間違いないのですが、うどんの茹で時間って割と、創意工夫の余地があるんです。
かけうどんにするか、釜揚げうどんにするかで茹で時間が違うし、麺のつくり手によっても微妙に変わります。
今は実家暮らしですが、東京で一人暮らしをしていた頃は実家から送られてくるうどんをどう食べるかが楽しみだったので、
「この麺は、これくらいの火加減でこれくらいの時間茹でれば美味しくなるハズだ…」
みたいな研究を繰り返していました(笑)。そのおかげで、さぬき麺業の乾麺の茹で方だけはやたらと上手くなりました。(うどん県の人しか分からないネタですみません汗)
話を戻しますと、「決められた時間茹でることを考えるか」「何分茹でれば美味しく仕上がるかを考えるか」の違いは、与えられた課題のとらえ方に起因します。
時間通り茹でることを課題とするか
美味しく仕上げることを課題とするか
です。そして課題の上下関係でいうと、
美味しく仕上げる → そのためにつくり手が、ある決まった茹で時間を推奨している
という図式になっています。
「決められた時間茹でることを考える」が間違っているとか、そういう次元の話ではありません。
一方で、僕たちの課題解決力を問われたとき、決められた時間茹でることにばかりとらわれていると、“課題そのものを見失ってしまう”リスクがあります。
鍋の大きさや熱伝導率、あるいはコンロの性能によって微妙に茹で加減は変わりますよね。
また茹で時間が「10分」と説明書に書かれていても、10分00秒なのか10分30秒なのか10分48秒なのかで仕上がりは必ず変わります。
そういう意味でいうと、説明書に記載の茹で時間は、目安でしかない。
美味しく仕上げるには、僕たち自身が「どう食べたいか?」という問いが重要なんです。問いを立てることが上流の課題です。
間違いなく「何言ってんだコイツ?」と思われたでしょうけれど(笑)、うどんという題材はあくまでメタファー=比喩にすぎなくて。
日頃から「課題の上流にさかのぼって考える」ようにすると、ものの見方が変わります。パスタとうどんの茹で方にはこういう共通点がある、みたいな発見も得られるかも。
きっとあなたは今日、うどんを食べたくなったと思います。変わらず暑い毎日ですから、昼は冷たいうどんをつくりましょう(笑)。
さて、あなたはどう仕上げますか?
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