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映画が苦手だ。映画館が好きだ。

映画を観るのがすきだ。
ただ、家で映画を観ることはほぼない。

NetflixもAmazon primeも加入しているのに宝の持ち腐れだと自分でも思う。
理由は単純で、家で2時間映像を見続けることが苦手なのだ。

以前から薄々気づいてはいたが、映像に対する集中力が格段に低い。
文章や漫画を追うことは得意なのに映像となると一定以上の長さになると途端にだめで、傍らのスマホを手にしてしまったり雑誌をぱらぱらめくってみたり。

映画がつまらないからではない。
単純に、集中力がないのだ。

家でも誰かと一緒だと存在が抑止力になって見切ることができるのだが、ひとりだとどうしても没入感を得られない。

「ひとりで、座って、映像を見続ける」という行為が苦手だなんて映画好きを名乗れないな。そんな自分が恥ずかしい。

いつのまにか「強い刺激を得られる短い映像」に慣れきってしまったのかもしれない。

YouTuberの映像は長くて15分ほどだし、Twitterやinstagramで流れてくる”バズった”映像は1分ほど。tiktokなんて「強い刺激・短い映像」の集合体だ。

周囲を見ていても、長い映像が苦手な若者が増えている気がする。練られた刺激の連続であるYoutuberの映像ですら倍速で見る友人がいる。

ただ、その割にインスタグラマーのライブ配信は2時間でも見続けられると言っていたり。

話が逸れてしまった。

映像を観るのが苦手なわたしが映画館を愛する理由。

それは、没入せざるを得ない環境に身を置けるからだ。
大音量や視界いっぱいのスクリーン、ふかふかの座席やポップコーンも勿論魅力的だが、それ以上に「お金で集中できる環境を買う」という意味合いが強い。

新作も少し待てばサブスクで解禁されるんだから、わざわざ1000円強払って映画館に行く意味がわからないと言われることもある。

ただ私はスマホに手を触れず、半強制的に何かに集中する時間がほしい。

映画館は、集中力不足のわたしが手っ取り早く非日常へ飛び込める貴重な空間なのだ。

なんだか後ろ向きでかっこ悪い理由だけれど、それでも今日もわたしは映画館に向かう。