自分史的なクリッピング史料

一昨日は、JRAのG1のスタート。フェブラリーステークス。11番人気のぺプチドナイルが優勝。藤岡佑介騎手も久々のG1勝利で2勝目。競馬はTVで観るばかりながら、競走馬という特殊な育て方をされた馬が言わばスポーツ・競争という領域にわずか数年間の過酷な状態に投げ込まれ、必死に走っている姿を見るのが何とも言えず感動的。TV番組を通じてその数年間に関わるホースマンたちの夢を見聞きすることも感慨深く視聴することは多いけれど、何せ機械ではない生き物なので、コマンドによる完全予想などあり得ない。

2022年10月22日 朝日 be between 読者とつくる 競馬、お好きですか?
2023年2月9日  朝日 ワクワクするから超教師
          史上4位の2600勝超え46歳、騎手・福永祐一の転身

最初の記事はアンケート結果のまとめ。菊花賞直前のアンケート。先ずはギャンブルという意味合いが相変わらず大きいのか、嫌いが68%、好きが32%で嫌いの理由には「ギャンブルは嫌い」、「面白みがわからない」が上位にある。
一方で、好きの理由のトップは「競走馬が走る姿、迫力に魅せられて」とあるので、自分はこれに当たる。思い出の馬はという質問には1位はディープインパクト、2位はオグリキャップ、3位にはハイセイコーという順。それ以下にも名馬の名前は並ぶ。でもディープの後の三冠馬・オルフェーブルが入っていないのは少し残念。武豊、池添謙一といった有名騎手とのコンビは連想されやすいのだろうと思う。何せ三冠ジョッキーも僅かしかいないし。有名騎手の名前はメディアで耳にすることも多いだろうし、オルフェの後の三冠馬、コントレイルも入っていない。余りにも最近すぎるのか。

ディープインパクトはTV中継でなんども「飛んだ」という表現の走りでゴール前の疾風のごとく走る姿は印象的だった。オルフェーブルはG1勝利後に池添謙一騎手を何度も振り落としたりとやんちゃな馬の姿をみせてくれた(騎手にとってはたまったもんじゃないけど)。

ハイセイコーの人気も抜群で、増沢末夫騎手が「さらばハイセイコー」を歌って大ヒットさせた。言わばビューティーペアーのようなもんだろうか? 絶大なる人気を誇ったハイセイコーをG1で倒したタケホープなどもランクインしていない。人馬一体の厳しい競馬界では、今をときめく女性騎手たちも大活躍している。

次の記事では、2022年12月8日に引退を表明した福永祐一騎手の話。2600勝を超えた通算勝ち星は史上4位で、直近5年間で日本ダービーを3度制した円熟期にある騎手・かつ三冠ジョッキーの一人。その引退の衝撃は競馬界だけでなく周囲にも大きな反響を呼んだ。引退した理由は騎手への情熱が冷めたというよりは、それ以上に調教師という夢が優ったと言っている。競走馬との向き合い方に自身の志向が変化したというのが理由だそうだ。

背中を通して馬の実力を知っているからこそ、その馬の本当の実力を見極めた上でレースに参戦させたいという気持ち。ジョッキーは騎乗依頼があって成り立つ職業。馬主や調教師の判断に従うだけでもある。勿論意見なども言うだろうけど、時として多くの馬の才能を埋もれさせる結果にもなっていることに自分の思いをぶつけてみたくなったという。

億を超える収入を捨ててゼロ・リセットをするということに関しても、騎手は好だから続けてきただけで、収入が全てではなかったとも回顧しているから、トップの類いまれな才能を違った立場で今一度チャレンジするというダイナミックな個人転回は羨ましくもあり、格好いいなぁと思う。迷った時にはどっちがワクワクするかを自問するという。福永祐一騎手は引退発表後のG1レースにも騎乗し騎手人生を締めくくっている。

一流と言われる人の立ち居振る舞いは、やはり参考になるというか感慨が深い。でもこうやって応援している馬は動物であって寿命もある。その後の馬の生涯にもどのように付き合っていけばいいのかという問題もあって、競争という修羅場から離れた馬の余生、生涯ということにも思いをはせないといけないとも思う。

競馬を見るのが好きというのはある意味で動物との共生という大きなテーマを考えることでもあり、その生涯を考えることでもある。今は能登の震災においても避難所でのペット・ケアが課題でもあると耳にするけど、動物と暮らしてきた人にとっては、やはり家族同然だしその生き方を考えさせらる。

アニマルセラピーなる癒しを人間に与えてくれる動物の役割も注目を集めたり、本当に考えさせられる大事なテーマ。動物が苦手だという人もいるのも事実だけど、人間と人間の相互理解、人間と動物の共生といったテーマに注目しながら今後どんな議論が進むのかをクリッピング史料で追いかけていきたい。

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