黙草花(シジマクサバナ)

しじまくさばな と読みます。 音楽や映画や小説が好きなニートです。

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最近の記事

実家の壁紙に彫られた「ワン!!」or「クソ!!」のクイズ

    • 何も知らない

       最近、いっちょ世界的名著でも買ったるかな、という気持ちで手に取ったカフカの「変身」を読みました。終始マジで意味わかんねかったんですけど、克明な風景描写と根底に流れる深い絶望をほのかに香らせる素晴らしい文章、選りすぐりの日本語が織りなす翻訳のお陰でめちゃんこ面白く、一晩で読み切ってしまいました。おかげで僕の生活リズムはメチャクチャです。  この作品に対する解釈は世界中のクソ頭いい人たちがいくらでも発表してるんだろうと思いますが、それらには目を通さないことにしました。僕自身が

      • 最近昔の小説を読みすぎて、アウターのことを「外套」とか「オーヴァ」とか呼びそうになる。

        • マニーシャ上郷

          …はは。その話、マニーシャ上郷が聞いたら面白がるだろうな。 あれ、知らない? 話したことなかったっけ、マニーシャ上郷のこと。 そうか、てっきり話したもんだと思ってたよ。 俺の友達でな、マニーシャ上郷は。小学生の時のクラスメイトだったんだけど。 最初の組で一緒でさ。席の近いのもあって、すぐに仲良くなったんだよ。最初は、変わった名前の奴だなってくらいの印象で、まあよく遊んでた。 そんでな、一年生の最初の運動会で、そいつ、相手の組の鉢巻を全部スッたんだよ。それで相手の組

        実家の壁紙に彫られた「ワン!!」or「クソ!!」のクイズ

          海の毛虫

           男は海崖から、当てもなく視界を彷徨わせていた。岩礁に打ちつける波の飛沫や、遥か彼方の水平線などを、ただぼうっと眺めていた。  そんな折に、直ぐ下の海岸で、細長く、無数の毛に覆われた一匹の生物が光りながら跳ね、その後ゆらめくように泳いでどこかへ消えてしまうのを男は見た。初めて見た生き物であったし、なにしろその儚いふるまいがあまりに美しかったものだから、もっと近くで見ようと思い、砂浜まで降りて探すことにした。  砂浜に降りると、そこには少年がいた。見たところ十になるかならない