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食品アレルギー持ちは人生損してるのか。

食品アレルギーがあると知ると、
「食べられない物が多いなんて、人生損してるよ。」
という人がいる。

悪気がないのはわかっている。良かれと思って言ってくれているのも知っている。

でも、そういうことを言う人は、食品アレルギーになったことがない人ばかりだ。

確かに、食品アレルギーを持っていると、食べられない物が多くて、損をしていることもあるし、誤飲食により生命に危険が及ぶこともある。

先進国では代用品があるが、発展途上国や紛争地域では代用品なんて言っている場合じゃないから、暮らせる国と地域も限られてくる。つまり、職業の幅もせばめられる。

逆に、食品アレルギーで良かったと思うことは何か。

① 料理人が丹精をこめて特別食を作ってくれる。

ある高級旅館に泊まる前に、事前に、小麦を食べられないことを伝えてありました。

でも、あまり期待はしていませんでした。もし、料理の中に小麦が入っていれば、作ってくれた人には申し訳ないけれども、残せばいいと思っていました。

ところが、食材も調味料も、何から何まで小麦粉不使用でした。

お刺身にいたっては、このお魚にはレモン酢を、あのお魚には⚫⚫産の塩をというふうに、様々な提案をしていただけました。

さらに、
「我々は、普段どれだけ小麦粉に頼った調理をしていたかわかった。今回、大変勉強になりました。」
という言葉までかけていただけました。

こんな貴重な経験は、食品アレルギーでなければ、体験できなかったでしょう。

② グルテンフリーカフェとの出会い

都内にあるグルテンフリーカフェ(現在休業中)に、数年前から月1回の割合でお邪魔しています。

ただ、非常にせまい店内で座席がわずかしかないので、店のドアの外に、
「小麦アレルギー・セリアック病の方、優先。」
と表示されています。

自己申告とはいえ、小麦粉不使用のラーメン、ピザ、ハンバーガー、スパゲッティ、餃子、うどん、焼きそば、お好み焼き、ワッフルが食べられるのは、小麦アレルギー・セリアック病の人だけなんです。

③ グルテン中毒を知らず知らずに回避していた

ラーメン、ピザ、焼きそば、お好み焼き、たこ焼きなど、小麦粉ばかり食べている人の中には、実は、グルテン中毒の人がいるそうです。中毒と名前がついている通り、体には良くありません。

私は小麦アレルギーと判明し、更に10年ちょっと前からは、
「味付けは塩のみの、茹でたキャベツとトリ肉を食べると体の調子がいい。」
と感じていました。

それから、数年後、オリンピックを目指す選手やボディービルダーが同じ食事をしていました。

小麦アレルギーになったことで、彼らよりも前に、人間にとって良い食材と調理法に気づけたのです。

④ 他の食品アレルギーの人の気持ちがわかる

食品アレルギーは一昔前と比べると、認知度は上がりました。しかし、まだまだ無理解や偏見は存在します。

「ただの好き嫌いと一緒でしょ?」
「作ってくれた人や買ってきた人に失礼だよ。」
「ちょっとくらい食べてみたら?」
「アナフィラキシーショックをおこしたら、救急車呼んであげるから食べなよ。」
「胃洗浄すればいいだけでしょ?」

これらは、実際、私が言われた言葉です。

食品アレルギー持ちの人にとって、その食品を食べることは、毒物を食べることと一緒です。毒物を無理矢理食べさせることは、サ⚫ジン行為だと私は思います。毒物を食べた場合、救急車を呼んでも助からない場合があります。胃洗浄は死ぬほど苦しい処置だそうです。

だから、私は、食品アレルギーの人が、忘年会などで無理矢理食べさせられそうになったら、場の雰囲気を壊すことになっても、止めに入ります。その食品アレルギーの方には、あとでこっそり感謝されます。

(注) サ⚫ジン行為のカタカナ部分を漢字で書くと、記事が表示されなくなるため、このような表記になっています。

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