ひとりそたぶ492 童話(3回目)
492回目は「童話」です。3回目です。
ではご覧下さい。
コメット×アステロイド
コント/Oh My Goddess, give me a gold ax and a silver ax!
下条:(カーンカーンカーン!!ポッチャーン!!)
うわっ、斧を湖に落としてもうたー!!これじゃ仕事にならねえよ!!
エル:(湖の底から現れる)今湖に斧を落としたのはお前か?私は湖の女神じゃ。
下条:うわーっ!!湖から女の人が出て来たー!!
はい!そうです!今斧を落としました!
エル:そうか。では尋ねるがお前が落としたのはこの斧か?
下条:ぅん……?
はい、そうですけど……。
エル:正直者で宜しい。お前にはこの斧を返してやろう。その心を忘れるではないぞ。
ではさらば。
下条:ちょっと待って下さいよ。
エル:どうした?お前の斧はちゃんと返したじゃないか?
下条:あの、湖の女神様ですよね?
エル:如何にも。私はこの湖に住まう女神じゃ。アクアラング無しで生活しておるぞよ。
下条:流石女神っ……!!人間離れをしているっ……!!
…………じゃなくてですね!質問おかしくないですか!?
エル:いやでもお前が落としたのはその斧じゃろ?間違ってないだろう?
下条:えっ、ひょっとして湖の女神様のセオリーをご存じない???
エル:何だそのセオリーだかダイナマイトだか夜空ノムコウだかの意味は?
下条:セロリじゃねえよ!!往年のスマップの名曲みたいに言うなよ!!逆に何でそれは知ってるんだよ!?
普通湖の女神っつったら「お前が落としたのは金の斧か?それとも銀の斧か?」って聞くんじゃないんですか!?
エル:いやそんな事言われても……。お前が落としたのはそれだろ?
下条:そうだけども!!そうなんだけども!!
でも普通は金の斧と銀の斧を用意して訊ねるんですよ!そしたら違うって答えます!
そんで最後に「ならばお前が落としたのはこの普通の斧か?」と訊ねるんですよ!
で、「そうです私が落としたのは普通の斧です」って答えます。
エル:えーっとそれは笑点のお題か?
下条:そんなワケねえだろ!!昇太がこんな山奥で一人寂しく木こりなんかするかよ!!
すると女神様が「お前は正直者だ。この金の斧と銀の斧もやろう」って言うんですよ。
エル:うっわ、こいつめっちゃ欲張りじゃん。私の住処にいきなし斧を投げ込んで投げ込んで返して貰えるだけ有難いって思えよこの業突く張りが。
下条:そりゃ申し訳無いって思ってます!
だけども、そういうルールが我々の世界にはあるんですよ!
エル:マジかー。こういうルール無理くり押し付けるのマナー講師だけかと思ってたわー。
そんなん言われても湖に金の斧と銀の斧が落ちてる事も作る技術も無いって分かるだろ。常識で考えろたわけ。
下条:どっちがたわけなんだよ!!
兎に角そういうのがあるって言うのは常識なんですよ!
エル:ならばお前にも人間界のルールとやらに従ってこっちも要求するぞ。
私の亭主なんだが先程お前が投げ込んだ斧で頭に大怪我を負ったんだが、治療費と慰謝料たんまりと払って貰おうかの。
下条:…………これは私の斧ではありませぬ。アディオス!!!
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