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事務員である私には、ミスするのが自分だった可能性があるということの方が重要だ

 「返金拒否」
 「オンラインカジノで全額使用」

 話題性がある事が多く報道されがちな、公金の4630万円の誤振込。
 事務員である私からすれば、それらは重要ではない。

 「ミスする可能性は、誰にでもある」
 「ミスをするのが自分だった可能性もある」

 こっちの方がよっぽど恐ろしい。

 私は病院併設の介護サービスで働いていて、そこでは年1回、職員全員参加の医療安全研修会がある。
 その研修会で『スイスチーズモデル』という、心理学者のジェームズ・リーズン氏が提唱した事故モデルがよく引用されている。

 通常はミスを回避するために防御壁が設置されているため、事故にならない。
 これはマニュアル遵守だったり、別職員によるダブルチェックだったり、職種や部署によって違う。
 この防御壁をすり抜けたものが「事故」となる。

 私も過去に何度かミスをしてしまっている。その中には重大なミスもあった。
 ミスしたことに対しては、他人に言われなくても、すごく後悔しているしすごく反省している。

 でも、過去はどうやっても取り返せない。

 取り返せないのなら、この先どうすればミスを防げるのか、どのような防御壁を作れば事故にならないかということを考え、実践することの方が重要だと私は思う。

 今回の事件についても、今後ぜひ防御壁を強化してミスを防いでいただきたい。

 そして、自分の仕事の手順の中で壁が頑丈かどうか、改めて見直していきたいと思った。

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