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袖のフリルに、心は踊る。

いつからだろうか。
自分には似合わないからと、目を閉じたのは。

白いフリルが付いたサマーニットと、
花柄のキャミワンピ。

ベット横にあるこの2つを見ているだけで、
私は少しにやけてしまう。

いつもはシンプルなTシャツにズボンがお決まり。
人と被るのがあまり好きじゃなかった中高では、
チチカカとか、そこら辺の柄を身につけていた。

勿論、どの洋服も自分が着たいものであったし、
お気に入りのものばかり。

ただ、フリフリしてピンクなスカートをよく纏う妹のクローゼットをみると、

ーいいなあ。でも、どうせ似合わないしなと
毎度思っていたのは事実である。

色白で目が奥二重なのにパッチリしていて、髪の毛はストレートで少し茶色い、小さな妹。

そんな妹と真反対な私には一生似合わないし、着てみたら周りから「なにそれ、変なの」なんて言われる気もしたからだ。

でも、やっぱり大人になっても
可愛いお洋服を着てみたかった。

身の丈に合わないって分かっていても、
骨格的に変だって分かっていても、
店員さんの「お似合いですよ!」が
お世辞だって分かっていても、

フリルな袖に腕を通した瞬間、
心が躍りはじめてしまったのだ。

それと同時に、こう思った。

ー別に誰に何を言われようが、好きな服を着たらいいじゃないか。そもそも、そんなに人間は他人の服に興味はない。

好きな服を纏って、自分をもっと好きになる。
そんな日々の方が、やっぱり少し楽しい気がする。

服もメイクも髪の毛も、人様に迷惑を掛けなければ、
何をしたっていいと思う。

なんて、鏡の自分に言い聞かせながら。



色んな情報が手に入る社会。
外見のことなんて、耳を塞いでも入ってくる。
時折芯を突いてくる言葉を、たまに呑み込みそうになる。

でも、もう少し自分から自分のために情報を与えることも大切だ。

好きなものは好きだし、着たいものは着たい。

こんなシンプルな声を拾いながら、
フリルな私を楽しみたい。








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