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9月13日、贈られた3つのプレゼント。

9月13日。
私が大切にしたい日の1つ。

3年前の夜、私はチェコ留学へ飛び立った。
「なんだ過去の話か、いつまで振り向いているのだ。」
という心の声は一旦隅に寄せといて、今感じていることを書き出してみる。

最近、よく人に言われることがある。

ーなんか、いつも楽しそうだね。
ーずっと明るくてポジティブだね。
ー行動に移すスピードが速いよね。

こんな有難い言葉。
嬉しいか嬉しくないかでいったら、嬉しいに決まっている。
これまでの私だったら、「そんなことない」とシャットアウトしていたが、今は大切に抱きかかえるようにしている。

そんな私は、ずっと明るかった訳でも、ポジティブ寄りの思考でも、初速が速いわけでもなかった。と、思っている。
まあ、元々気合と勢いで走り続けてきた人生だったから、片鱗はあったかもしれないが。

まあ、何が言いたいかというと、
留学に踏み込んだからこそ今の自分がある気がするということ。
3つのプレゼントを贈られたということ。

ーなんか、いつも楽しそうだね。


留学がずっと楽しかった訳ではない。
自業自得の英語力で飛び出した私は、当たり前に授業についていけないし、友人の会話なんてさっぱり分からなかった。

唯一の救いは、仏のような優しさの塊であった日本人の友人たち。留学先にいったら日本人と絡まない方が良いと色々な媒体で見たことがあるが、通訳してくれたり、ご飯を作ってくれたり、遊びに誘ってくれたり。
何にもできない私を受け入れてくれた環境は本当に恵まれていたと思う。
今でもかけがえのない存在であるし、本当に感謝しかない。

そして、9割ジェスチャーの私の英語に付き合ってくれた海外の友人の存在も大きい。普通なら無視されてもおかしくなかったし、悪口言われてもしょうがないくらい酷かった。回転寿司の英語が分からなくて、自分のことを指して「me!sushi!」と言いながら、その場で回っていたのを今思い出すと尚更である。

友達ともっと仲良くなりたいけど、話せない自分が嫌になる。
嫌になって、部屋の中に引きこもりたくなる。
でも、それでは現状は何も変わらない。
分かっているけど、どうすればいいのか。

というのを、ぐるぐると繰り返していると、
ふとTwitterで「おにぎりアクション」というものを見つけた。

「これだ!」と自分の中の何かが反応した。
「英語を話す機会が無いのなら、自分で作ればいいんだ!」と。

料理下手な自分でもおにぎりくらいなら作れるし、自分が開催側に回れば、日本の文化を中心に話すことはできる。
実際は先ほど紹介し日本人の友人に殆ど助けてもらったのだが、この思考はその後の自分に大きく影響を与えている、気がする。

出来ないこと、不満なこと、楽しくない場面では、
自分で工夫をして状況を変化させること。
変化を加えることで、大抵のことは前向きに進むということ。

この当たり前のようで、すっぽりと忘れてしまいそうなことを意識するだけで、日常の楽しみ度合が変化してきた。
他人は自分が思うようには変わらないから、自分が変化するのが一番早い。
それをいかに楽しんで取り組むかが、なんだか毎日ゆたかに過ごすスパイスな気もしている。

社会人になってからも同じで、どんな作業も目的が達成された映像を頭の中で描いたり、前向きに取り組みたい仕組みを作るかが重要だなと日々痛感しているところだ。

まあ、毎日楽しいからって別に最高な人生!って訳でもないから、
悲しい日も怒る日もあったっていいんだけどね。人間だもの。

大好きな友人たちと。


ーずっと明るくて、ポジティブだよね。

これも最近よく言われる言葉の1つ。
なぜこうなったのかという要因は大体わかっている。

1つ目は、留学中に沢山の失敗を経験したから。

・行きのトランジットで何故か日本の保険証を落とす
・ドイツからチェコの飛行機を逃す
・日本のSIMカードのロック解除を忘れてWIFI生活になる
・英語がさっぱり分からずに口答試験でGoogle翻訳を使う
・土パスタ・生焼けハンバーグ・トマト爆発等様々な料理を生み出す
・部屋の鍵を2回落とし、寮に入れなくなる
・フィンランドからチェコに帰る便を1日間違えて購入する

お察しの通り、上記以外にも色々やらかした。
そして、こんなにも失敗を経験したのは人生で初めてだった。

それまでは何事にも割かし臆病だったため、当初は凹みに凹んだ。
「寝て起きたら忘ちゃったぜ!」なんて快適な脳でもなく、ずるずるとシーツを引きずるみたいに。

でも、何回か失敗をする中で「失敗は成功のもと」ということを実感してきた。あとは「あ、人生意外とどうにかなる」という価値観が芽生えてきたのも大きい。

そして、失敗は何かに挑戦したからこそ生まれるものであって、
自分は悩みながらも進んでいる
ことを知った

だから、自分だけの被害に収まる失敗はそれから引きずらなくなった。凹んでいたからって何が変わるわけでもないのだから、だったらスパッと切り替えた方がお得だと感じたから。

また、失敗して学ぶことが沢山あった。「私はこの失敗をしたからこそ、○○をすることができている」なんて、たまには都合よく考えたりする魔法を得たのだ。はっはっは。

2つ目は、圧倒的にイタリア人とスペイン人の友人が大きく影響をしている。

「なんとかなる!」といった楽観的な考え方に、
意外と心配性な私は何度も救われた。

楽しむときは思いっきり楽しんで、テストの時はピシっ切り替える。
そんな彼らが憧れだったし、とても好きな空間だった。

今でも、たまに落ち込む時には「イタリア人とスペイン人、両脇に居て欲しい…」と思いながら過ごすことがあるのは秘密。

ただ、全人類がポジティブになればいい!ポジティブ万歳!とは思わない。
人様に迷惑を掛ける可能性があるときには、多少ネガティブでいた方がいいきがするし、マイナスな意見があるからこそ生まれる物事がこれまで沢山あったはずだから。

結局、人それぞれ。
ただ、私は明るくポジティブに生きる選択をしただけ。

説明何言ってるかさっぱり分からなかったけど、とりあえす楽しかった時の写真。


ー行動に移すスピードが速いよね。


帰国してから言われた言葉NO.1。(多分)

元々自分でいろいろと頭の中で理想を妄想することは好きだったが、
それを実現まで落とし込むことは少なかった。
だって失敗したら嫌だし、面倒くさいじゃん。行動するって。

そんな象さんレベルの初速だった私だが、今では自覚できるくらいに初速は速くなったきがする。
なぜかって?

それは、コロナで緊急帰国したから。

夢の留学生活が後半に差し掛かった時に、突如としてやってきた終了のお知らせ。机横に飾ってあった「Bucket list in Czech」には、まだまだチェックが入っていなかった。

本当に急だった。クラブで後期も頑張ろうと踊っていた次の日には、授業が無くなり、ショッピングモールは閉鎖、鎖国するかもとの情報。
気付いたら2日後の日本行きの航空チケットを握っていた。

ーまた明日でいいや。
ーあと4か月あるから、まだいっか。
ー感謝の言葉を伝えるのは、もう少し先でいいよね。

と、「明日やろうは馬鹿野郎」な私は、
後悔を沢山残してチェコを旅立った。

もっと色んなところに行きたかったし、
もっと友達と仲良くなりたかったし、
沢山お世話になった友人や先生たちにお礼をゆっくり伝えたかった。

なんて、飛行機が離陸した瞬間にバーッと思いが込み上げてきた。

いつ終わりが訪れるか分からないからこそ、
やりたいことをやりたいときに、すぐにやるべき。

これが留学をして最も学んだことだった。

だから、日本に帰国してからは気になることには片っ端から手を付けることにした。失敗しても、周囲の人に後ろ指さされても、いつかは終わってしまう今を自分なりに生きてみたいと思ったから。

これだけは、これだけは忘れたくない。

緊急帰国が決定した時のスカスカBucket list。 


ー今の私がいる理由。

ふう、思ったよりも長くなってしまった。
ここまで読んでくれたあなた、どうもありがとう。

今の私がいる理由として、ここまで留学での経験が繋がっているなんて、
書いた自分が一番驚いている。
そして、どれだけ人に環境に恵まれていたかに、
改めて気づかされた。

どんなに忙しくても、感謝だけは忘れずにいたい。
私と関わってくれた全ての人に沢山の有り難うを伝えないと。

3つのプレゼントを贈られた私。
出発日から3年が経った。
最近は夢もできた。「繋ぐ人間」になる、というね。

9月13日。これは私のもう1つの誕生日。

今年もおめでとう。これからもよろしく。

olomoucで迷子になった時の写真。













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