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父の日に、天国のお父さんへの手紙をつづってもいいですか

お父さんへ


元気にしていますか?

天国にも四季はあるのかな。
こちらは、どんどん暑くなるのが早まっているよ。
お父さんなら、この6月ですでに汗だくだったと思う。

暑い時期にはいつも、首にタオルかけてたね。
夏でも冬でも、真っ黒に焼けてたお父さん。
地黒にもほどがあったよね。
今考えても、日サロ通ったんかってくらい、笑える黒さだった。
純日本人なのに、元力士の小錦さんにそっくりすぎて
いつも3兄弟でTVで見かけるたびに大笑いしてた。


さて。ご先祖のお墓は住み心地はいかがでしょう。
そんなところでも、お父さんは気をつかってて大変かもしれないね。
ご先祖のお墓は遠いからなかなか行けないけれど。
最近の私のこともちゃんと、見てるよね?


またパチンコ行ってないよね……?(ギロリ)


お父さん。

私が中学生のとき。
一緒に金曜ロードショーの「耳をすませば」観たよね。
最後の告白シーン。
主人公がプロポーズされるところで、お父さんは言ったね。


「shiiimoちゃんっ! shiiimoちゃんは結婚しちゃだめっっ!!」


おつまみを食べていたお父さんは
箸をぶんぶん振り回してたね。

もちろん、その夜も酔っていたし、冗談だったの分かってるよ。
でも、半分は本気だったのかもしれないね。


お父さんは、私のこと溺愛していたから。
(注:とても健全な溺愛でございました)

そう。なにかと、
「shiiimoちゃんが一番だよ」
って言ってくれたね。


でも、本当のお父さんの一番はオカンだったよね。
それもわかっているよ。
(注:shiiimoは実母のことをオカンと呼んでいます。ちなみに義母をママと呼んでいます)


「お父さんは、お母さんのどこが好きだったの」
結婚の話の流れに乗って、私はそのとき聞いたよね。

「えへへ……初めて職場であったとき……小さくってすごくかわいかったんだよね」

お父さんは素直な男だよね。
それから猛アタックして、年上で社員だったオカンのこと、アルバイトのお父さんはついに射止めたと意気揚々と語ってくれた。
照れたような、うれしそうな顔を覚えてる。

おぬし。なかなかやる男だな。と思ったよ。

おかげさまで、今の私があります。


お父さん。

結婚式の日も、こうして手紙を読んだんだけど……
もしかしたらふてくされて、聞いていないんじゃないかなと思って。
もう一度こうして、noteを通じてだけど、
あなたにお手紙をつづっています。

よく聞いてね。
お父さん、残念ながら、
私は結婚しちゃいました。


まあまあ、落ち着いて。
相手はあの夫くんだよ。
お父さんにも付き合ってすぐに紹介したでしょう。
本人を前にして。すごく、嫉妬していたけどね。


私も、9年愛を貫いて、結婚したのよ。
この愛は遺伝なのかしら。
すばらしい遺伝子をありがとう。



遺伝子といえば。
お父さん。

私は、お母さんになったよ。
聞いて驚くなかれ。
今は5人の子どもがいるんだよ。

みんな、個性豊かで。
とてもかわいいよ。

「shiiimoちゃんが一番だよ」

私が大きくなっても懲りずに、そういってくれていたお父さんの気持ち。
今なら、よくわかるよ。


そうそう、長兄貴(私の長兄)は、3人の息子がいるよ。
この前まで、PTAの会長をやってたんだよ。驚くでしょう。
子どもも奥さんも大切にしてるよ。

次兄貴(私の次兄)は、あいかわらず家にいるけど。
オカンのそばにいてくれるから、まあ色々安心ではあるのかな。
あんなろくでなしだったけど、
おじちゃんとして、私たちの子どもを大切に想って遊んでくれてるよ。

オカンは相変わらず元気で、仕事もして忙しなくしているよ。
今度は、一緒に韓流のLIVEいってきます。
寂しくさせないからさ。安心してね。


お父さん。
あなたは今や、8人の孫をもつ、おじいちゃんなんだよ。


おじいちゃんになったお父さんに。


会ってみたかったなあ。



私が生まれる前から、教師だったお父さん。


養護学校の教員として、毎日早朝から仕事に行って。
「今日はこんな子とこんなことしたよ」
「みんな、とてもかわいい子たちだよ」
そういって、写真を見せてくれたり、時には学校に連れて行ってくれたりしたね。

学校についていくと、
みんながお父さんに寄ってきた。
私は小さい頃はすごく人見知りで臆病だったから、
お父さんの影に隠れていたけれど。
みんな、とてもやさしくしてくれたのを覚えているよ。


そんな姿を見ていたからなのかな。
私も今、教師として、教壇に立っているんだよ。

驚いた?いや。
「さすがお父さんの娘!!」って、笑顔で腕を組むのかもね。


教師という仕事は難しいね。
でも、すごくやりがいもある。
生徒がかわいいって気持ちがなんとなくわかるよ。
これからまた、頑張ってみるよ。


お父さんはいつも、
私が学校で作文を書くと、嬉しそうに読んでくれたね。

「shiiimoちゃんは、文才があるよ!!!小説家になれるよ!!!」

いつもそう、全力でほめてくれたよね。
調子に乗った私は、小説を書くゼミがある大学に進んだ。
書いた小説は実家の写真に添えたけど、ちゃんと読んでくれてる?
賞をとったんだよ!って、真っ先に報告したんだよ。


いったん、そこでやりきったはずだったけれど。
私はこうして、また文字をつづったりしているよ。
時間がないとか、もう十分とか言い訳していたし、
今のほうが忙しいのにさ。

不思議だね。

でも、文字を書き出すと、
あの頃褒めてくれたお父さんが側にきてくれる気がするんだよ。

「やっぱりshiiimoちゃんの文章は最高だよ!!!」

今でも、そう言ってくれる?
こんなに大きくなったけど
母にもなったけど
またあの頃みたいに褒めてくれる?


もちろん。
わかってて言ってるよ。
お父さんは、お父さんだからね。


いいかげんもう、終わりにするね。
またお墓の前にも行くけれど、
いいお酒をもっていくから、それまではほどほどにしてよね。

まあ。人のコト、言えないけどね。
これも遺伝子ってことで。うふふ。


これからも私たちの応援よろしく頼むよ。
おじいちゃんになった、お父さん。


shiiimoより


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この機会に…ということで
父の日にちなみ、
亡き父への手紙をつづらせていただいたことをお許しください。


父は、私が高校生の時に亡くなりました。
養護学校の教員だった父。
父なら、我が子の不登校や、ASD・ADHDのこと、
どうアドバイスくれたのかな。と、ふと恋しくなります。

でもきっと、私のことをいつも肯定し続けてくれた人なので、
「大丈夫! それでいいんだよ」と励ましてくれているはず。

心の中の父を召喚して、これからもshiiimoは前進します。


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☔️この記事はクロサキナオさんの企画参加記事です☔️
#クロサキナオの2024JuneJaunt

https://note.com/kurosakina0/n/nc219c459e047

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#レオン父の愛


同一記事でマガジンまたいでの参加はいけないよねと思いつつ
どちらの企画理念にも大いに賛同してしまった結果このようなことに。
大変申し訳ありません…!
企画にすら沿っていない可能性もありますので
その際にはこちらは除外としてください💦

ナオさん、レオンさん、素敵な企画をありがとうございました!!✨



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