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巣鴨湯の威力

フレンドリーと馴れ馴れしさを履き違える。すぐに下の名前で自己紹介し、テラスハウスの嫌なところを凝縮したような場所。よく使う言葉は、コミュニティとワークショップ。嫌なタイプのフラッシュモブ。もはや近所迷惑。そんなカフェで邪念だらけになった私が行き着いたのは、やはりここだった。

誰も自分のテリトリーに介入してこない。かといって孤独を感じさせない、魔法の場所。ミラブルの洗顔モードを全力で浴び、虹が出来そうなほど後ろの通路まで霧を飛び散らせている母を横目に、その時ばかりは血が繋がっていないふりをした。母は、私が1ヶ月前に捨てたはずのショッキングピンクのタオルを、ラーメン屋の店主スタイルで頭に巻いていた。サウナ休憩のタイミングが一緒になってしまった暁には、じーっと眺めてくるので散らかった。

しかし、母の妨害は巣鴨湯の威力に完敗した。巣鴨湯は母より強し。右に出るものはいないのだ。銭湯ニューウェーブの若者と、銭湯を日常に取り入れてきたお年寄りが交差する、奇跡の場所。豊島区の国宝をこれからも守っていきたいと思った。

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