フリーザーってなんで悪者になっちゃったんだろう

いちばん昔の記憶は幼稚園の年中くらい
良いマンションに住んでいた
徒歩10分圏内のところに幼稚園と小学校と中学校と高校があった
自分の青年期は、全てここで完結してもおかしくなかった
完結しなかった
幼稚園が終わると同時に、良いマンションを離れることになったから
その話はさておき
マンションには幼稚園の友達が2人住んでいた
K君とT君
K君の母親は、金髪で腕が細くてタバコを吸っていた、そんなに美人でもなかった
だけど、あんなに良いマンションに住んでいた
K君とはポケモンの対戦をしたり遊戯王をやったりした記憶があるけれど、T君とはなんの思い出もない

幼稚園でよくヒーローごっこをしていた、その時、自分とK君とT君に加えてもう一人いた、S君
S君はいつも僕らに敵の役を押し付けられて泣いていた、泣いていたのに、僕らから弱い打撃を浴びせられていた、かわいそすぎる、申し訳ない

僕もその頃はまだ、家に父親がいる家庭だった
休日の朝、父親は全然起きなかった
早く遊びたいのでお腹の上で「起きろー!」と言いながら跳び跳ねて起こしていた、あれは相当危険な行為だった、着地どころが悪かったら心臓が止まって死んでいたかもしれない、寝ている時にやられたら、いくら自分の子供と言えども腹が立つ、でも一番罪深いのは、止めもしないでテレビを見ていた母親だ

あの時は、大人って、子供に比べて圧倒的に強いものだと思ってた、片腕に子供をぶら下げたり、全然泣いてる姿を見せないし
でも、今ならわかる、べつに大人って全然頑丈に作られてない、物理的にも、精神的にも、案外もろい
壊れてる人ばかり

なんでそんなに

って思うけれど、多分、筋肉と同じで、人間って壊されると、どんどん強くなると思う、壊れた回数が少ないからもろいんじゃない?
大抵の傷は修復する、自分が思ってる以上に傷は浅い、えぐられた瞬間は深く見えるけれど、だんだん治る、時間が解決する
傷が治った自分は、前の自分より強くなってる
一つ、自分の経験として蓄えられている
人間としての厚みが増す
みんながみんなスーパーサイヤ人
一生治らない傷を抱えてしまったら、もう誰かにすがるしかない、一緒にドラゴンボール集めてくれって
7つ集まったら、その傷を治そう


 


スーパーサイヤ人って、もしかすると、心に傷を抱えた人間が成長するっていうのを肉体で表現している崇高なメタファーだったのかもしれない

そうなると、戦闘力が高いってことは、たくさん経験を積んで傷ついてきたってことで
フリーザーってやたらと自分の戦闘力をアピールしているが、あれは、酸いも甘いも味わってきた経験豊富なお兄さんです~って言ってるのと同じってことか

万歳、鳥山明

小さい頃からお金をもらうことが好きでした