コンタクトレンズにありがとう

カラオケのバイトをやっている。他の従業員は部屋の清掃をやりたがらないが、あとで溜まるのがめんどくさいので俺は進んで掃除しに行っている。でも、なにも良いことは起こらない。 テーブルに置かれたコンタクトレンズを片付けているとき、「俺こんなにパリパリに干上がっているものを摘ままされるんだな」と思って不意に笑っちゃって、あまりにも渇いていたから部屋の角っこに見えない太陽でもあるんじゃないかなと考えた。 それはすごく小さい太陽で、人工的に作られたもので、まだ世の中には発表されていない技術によるものだったりして。 そもそもコンタクトレンズと見えない太陽は人工衛星と地球みたいに常に一定の距離を保ったまま存在していて、どこに行こうともついてくるステルスなストーカーで。 だからコンタクトレンズをつけて外に出かけたら、常に3つの太陽の日差しを浴びていることになるんだけど、それって人間欲張り過ぎじゃないか?だって他の動物は1個しか太陽がないのに、人間だけ3つも太陽あるんだよ。 カラコン用の太陽もあって、その太陽は七色な気がする。カラコンで虹を見た時は目の前に七色が3つあると思っといた方がいい。七色が3つもあれば、人生は明るい。 というかコンタクト付けてる人の数だけ太陽が2個ずつあるのだとしたら地球ってもう太陽まみれで、宇宙人とかはそういうの本当は許してないと思う。「お前ら独占しすぎだろ、俺らにも太陽分けろ」って。 あの、宇宙のみんなが"太陽"と呼んでいるそれって、実は公共の太陽だったんだよ。みんなで利用している太陽というか。だからコンタクトレンズの太陽は私物みたいなもんで、そう考えるとコンタクトレンズ安いなと思っちゃう。コンタクトに限らず、今度からちょっと高いもの買うときには、見えないなにかがセットになっていると考えよう。そうすれば得した気分になって嬉しいね。良いライフマインドを見つけた。コンタクトレンズありがとう。ところで、太陽が公共機関だとしたら黒点は太陽の運転手であって、太陽は一切動かないから、アイツはめちゃくちゃ仕事サボってんだよな。おい黒点!お前が俺の代わりにカラオケボックスの掃除しろ!お前の薄汚い体でもっと部屋を汚くしちまえ! でも俺が太陽の運転手になったら熱くて死んじゃうので、適材適所ってことでそれぞれ頑張っていきましょう。

小さい頃からお金をもらうことが好きでした