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変化するふるさと納税市場

2008年に「都会に流れがちの税金、地方にも行くようにしようぜ!」「納税場所、自分で選んで地方創生しようぜ!」というような名目でスタートしたふるさと納税制度。(説明が雑)

制度が始まってすぐは寄付者全員に返礼品が届けられる、なんてことは全然なかった。「この制度活用しない手はないよねぇ」と閃いた自治体が、ぽつんぽつんとお礼の品を送り始めたところが発端だったような記憶がある。『抽選で●名さまに』という運用をしていた所も多かった。

というか、そもそもの話として自治体側に返礼品を送らないといけないルールはない。寄付金なのだからそれにあくまでもCS的な観点でお礼品を送るという動きが出たまでの話。

そんな中、我が都城市はふるさと納税に「シティプロモーション」をくっ付けた。
「市自体の知名度が上がるなら、寄付金は1円だって残らなくていい!全部事業者に落として返礼品にしちゃえ!」という市としての方針があったので、リニューアル当時の返礼品還元率は驚異の80%。1万円寄付すれば、牛肉でいうとサーロインが2枚~、豚肉だと4~5kg、焼酎は一升瓶で3本は余裕で届いていた。これがどれくらいモリモリな量なのかは、ぜひ今のふるさと納税のページを色々みて是非体感してみて欲しい。
そして、都城市はリニューアルの翌年に初めてとなる寄付受入額日本一を達成、45億くらいだったかなぁ…確か。

あれから15年…(きみまろ)
制度内容が変わり、流行が変わり、返礼品も移ろってきた。

当初はどちらかというと「ハレノヒ」な返礼品に注目が集まりがちだったのが、昨今は物価高の影響も相まって「節税しながら返礼品もらってお得に過ごそうぜ!」というような風潮が強い。トイレットペーパーなんかがいい例だ。

だいぶ成長しきった制度ではあると思うものの、まだまだ市場として伸びる要素はあると考える。ただ、制度本来の趣旨を忘れちゃいけないよね、って言葉は、もう誰の耳にも届かないんじゃないかな、なんて寂しさがよぎる時がある。

寄付者にとって、ふるさと納税制度は『お得なショッピング』であるという風潮がある程度根付いてしまった。全国全ての自治体に関して精通してる訳ではないから、返礼品を選ぼうと思った時にコスパに目を向けるようになるのは致し方ないこと。そりゃ同じお金を出すんなら少しでもお得な方がいいじゃないのよ、とわたしも思う。そして、そういう流れが自治体間の競争を加熱させ、返礼品はブラッシュアップされてきた。

でも、返礼品を選ぶ時に、少し意識してほしいなと思うのが自治体や返礼品を送る事業者の「スピリッツ」だ。あなたがその自治体のその返礼品を選ぶ決定打は、商品を送る側のスピリッツであって欲しい、というのがわたし自身のささやかな願いだ。

今ポチろうとしていた返礼品の商品ページに書いてある文言は、いかにお得か、ってことばかりではないですか?ちゃんと地元に根付いた商品ですか?

よーく見てみて。
納税と言えども、普通に買うよりいいお値段払って商品貰うんなら、そのスピリッツも一緒に貰って頂戴。

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