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yamadaswitch
お味噌汁
今朝も、父が大根のお味噌汁を作ってくれた。
毎日、365日、具は大根。
「今日のは味噌が新しいから美味しいぞ」
「葉っぱがもったいないから入れたけど、大丈夫か?」
私はとっておきの笑顔で応える。
どんな時も、何があっても、必ず、欠かさず、作ってくれる。
自分が飲みたいから作っている、ということはさておき。
母親が亡くなってから、父との二人暮らしは不思議な共同生活だ。
(エノキのお味噌汁が好きなんだけどな。)
(たまには、なめこと豆腐と三つ葉のお味噌汁も食べたいな。)
(母さんのお味噌汁、美味しかったな。)
頼まれていたことを忘れて父の機嫌が悪くなり、私も意地を張ったまま。
黙ったままの夕食を終えて、お互いの部屋に入ったきり。
気がつけば、父の部屋の電気は消えている。
次の日の朝、父の声が聞こえて目が覚める。
「おい、味噌汁ができたぞ」
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