見出し画像

地下道を歩けなかった頃

私が苦手とする場所、それは地下道。

特にこんな地下道は徹底的に避けていました。

床も壁も直線のライン模様でデザインされている。
全部、ホワイト系の色合いのところはより苦手。

入ってすぐに変化はありません。
何も起こらないときもあります。
「今日は調子良さそうだぞ、このまま行っちゃえ」なんて進んでいると突然はじまります。

視覚情報から起こる心身の不調

床がスポンジでできているかのように身体がグラついて感じます。
その感覚を得たときにはもう眩暈を起こす寸前。
動悸、息切れ、冷や汗、吐き気。
しゃがみ込みたいけれど、二度と立ち上がれなくなるのでは、このまま床に飲み込まれるのではという恐怖。

周囲に人が多いとか、イヤホンで音楽を聴くとか、対策をしたとしても、起こるときは起こる。
何もないときもある。

私の場合この症状は10分もすると落ち着きます。
軽いときはとにかく無心で歩み続ける。
酷いときは立ち止まって、時が過ぎるのを待つ。
ただ、この10分は私には恐ろしく長い時間に感じます。

苦手なこと、嫌いなことに費やす時間が増える

はじめて行く場所は徹底的にルートを検索します。
遠回りになっても、地上を歩く。
地下鉄は目的地に1番近い出口よりも、地上へ1番近い出口を選ぶ。
オフィスビル街がなかなかに困難です。

どうしても地下道を通ることが必要な場合、なるべく1人で通ります。
事情を知っている人であっても、変化を説明することが難しい。
面倒をかけたくない。心配されても煩わしく感じてしまう、その状態の私はとても狭量だ。

スマホ検索で移動時間が10分と表示されても、30分くらい多めにスケジュールを見積もる。
団体行動をしなければいけない場面は、迷惑をかけないように事前に別行動をする、最もらしい事由を考える。
そうでなければ、企画段階から参画するか。

行き先にポジティブな要件が待っていても、その経過で心身が疲弊してしまうのです。

感覚過敏のこと

「日常生活に困難があるほどじゃない」
「我慢すればなんとかなる」
当時そんなことを考えていました。

感覚過敏は視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などの諸感覚が過敏に反応すること。
その結果、日常生活に困難が生じる状態をいいます。
病気ではなく症状。
そして、複数のことが複合的に発生することが多く、原因を突き止めることが難しい場合もあります。

治療家として、学んできたこと、知見を持つ素晴らしい先生や先輩、友人から得た情報。
いろんなことを試してきました。

その先で出会ったのが、イノチグラスでした。
私が感じたのは、安心感でした。
地下道で何を苦手と感じていた事、それらから身を守ってくれるように安心安全の感覚を得ることができたのは、大きな利点です。
(科学的な見解はこの場では割愛します)

あなたの目と体と心に合わせたメガネ
イノチグラス

いまはほぼほぼ避けることができるようになりました。しかしながら、これが全てではないかなと考えています。

万物は常に変容する

進化、変化する外的環境に、時間や損なうことなく、エネルギーを枯渇することなく、歩んでいく方法。
何か良い方法を模索していくこと。
今、現在だけでなく、過去と未来も含めて、身体性と感情をつなぐ。

治療家、はり師きゆう師、そしてイノチグラス目育士として。
話し合える、向き合える時と場所をご提供すること。⁡
ともに進んでいくこと。

これは体験してきた私にとっての課題。

感覚過敏未満、感覚過敏以上

昨年まで、自身の感覚過敏の体験談について、公に話すことはほとんどしてきませんでした。
家族、友人にも。
夫は似たような状況があるので知っています。

話すことがなかったのは「色眼鏡で見られたくなかった」から。

現在は治療家として活動する中で、似たような状況で悩んでおられる方と多く出会っています。

多かれ少なかれ、みんな「居心地の悪さ」を持っている。
日々是好日な世界を目指すには、まず知ることから。
対話ができる環境をつくることからはじめていきたい。

いま、私の中にも「変容」が起きています。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?