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2022カタールW杯・欧州予選 Group.D 第5節~ ウクライナ vs フランス ~

こんにちは、びんびんびんです。

総勢10名のレビュアーによる『欧州予選アーカイブ化』計画
珠玉のレビューが集まっていますので是非他のレビューも
ご覧ください!

それでは #欧州予選グループD全部見るマン
現在勝ち点4の2位につけるウクライナ(ポット2)
勝ち点8で首位を走るフランス(ポット1)との一戦です。

両チームのラインナップ


それでは両チームのラインナップから。
青のユニフォームはホームのウクライナ(4分2位)
白のユニフォームはアウェイのフランス(2勝2分首位)

ウクライナvsフランス

ウクライナは前節からスタメンの5人を入れ替え。
フランスは前節からスタメンの6人を入れ替え。
前節後半開始から投入され代表デビューとなったチュアメニが
スタメンで起用された。

それでは前半から振り返っていく

前半

前半開始。
前半はフランスがボールを保持しつつ試合が進むことになった。
ウクライナもボールを放棄することはせず、ゴールキックから繋いでいく
姿勢も見られお互いにターン制の攻撃が目立った。

この試合のフランスは珍しく相手陣地から相手の32ビルドアップに対して
3トップとIHとでプレスを行い、
ショートカウンターのシーンなども作れていた。しかし、決定的なチャンスシーンを作れず。

一方ウクライナはゴールキックからのビルドアップを行い、
引っかけるシーンもあったが、相手IHがプレスに飛び出る裏を上手く使い
前進できていた。
ここで輝いていたのは前節と同じくヤルモレンコである。
基本的に右HSに位置し相手の左IHが飛び出た裏に角度をつけて顔を出す。
アンカーが寄せていれば外に張ってボールの逃げ道を作るなど
ウクライナのビルドアップの肝になっていた。

前半30分も迎えた頃からはウクライナがボールを保持し
チャンスを作っていく。

試合は34分。ウクライナがショートコーナーから大チャンス。
1番大外を狙って蹴ったクロスを待ち構えるのはヤルモレンコ。
フリーでシュートを放つもロリスのファインセーブに合う。

43分にはフランスの大チャンス。
直前の時間帯からコマンを右サイドに移した442に変更。
2FWの連携によりチャンスを生み出した。
ボールを受けるために引いたグリーズマン。
ボグバとのパス交換で相手を食いつかせ、
食いついたウクライナ右HVの裏をマルシャルがついてGKと1対1。

しかしこれを決められない。

なんとそのGKからのリスタートでウクライナが先制をする。
右HVから右サイドのライン際に出たロングボールに飛び出した
ヤレムチュクがキンペンベとの競争を出し抜き右サイドをえぐってクロス。
1度はズマにブロックされるも、ブロックしてこぼれたボールは
シャパレンコの足元に。そのボールを豪快に蹴りこんだ。


ウクライナが1-0とフランスをリードして前半が終了。

戦況

まずはフランス。
基本的には前節と同じ配置。
片方IHが降りれば反対IHは前に。
ミドルゾーンまではデュボアとコマンで幅取り。
押し込めば両SBが幅を取る形。
前節の反省からか前と後ろを繋ぐために
グリーズマンが落ちビルドアップに絡む機会が多かった。

守備では、相手陣地からプレスを実行。
GKからボールを繋ぐ相手に対して3FWと両IHとで
相手ボランチにボールが入ったタイミングでプレスを開始。

相手のビルドアップが32の形で行っていたこともあり、数的同数で
何度かひっかけてショートカウンターの機会が作れていた。
このプレスに飛び出るIHの裏を使われて相手に前進されることもあったが、
ショートカウンターの機会は作れていたためトレードオフだとしても
良かっただろう(決められていれば文句なしだが)

フランスはウクライナのヤルモレンコ脇からHSに入っていく展開を狙っていたように見えた。ここで躍動していたのはコマンだ。
ミドルゾーンでは大外にポジショニングし、ドリブルでの陣地回復、
ラインブレイクが仕事だが、ミドルゾーンより押し込んだ状況では
左HSに位置し、相手MFラインの破壊に貢献していた。

ライン間でボールを受けたり、相手MFを背負ってターンしてMFラインを
ブレイクしたり。大外レーンで輝くのはもちろん1つ内側のレーンでも
違いを生み出せるのがコマンである。

一方ウクライナも配置的には前節と同じ戦い方を選択。
ボール保持時325。前節のジンチェンコ役を10番シャパレンコが担う。

前節との違いは2つ。
1つは、GKから蹴っ飛ばさずに丁寧に繋げる意識。
2つは、ジンチェンコとシャパレンコのビルドアップへの関わり方。

特に2つ目は、大きな違いを生んでいた。

ジンチェンコがポジショニングで相手を牽制しつつビルドアップに
貢献するのに対して、シャパレンコはどちらかというとボールプレイヤー。
立ち位置を意識するよりかは、ボールを受け、
自分のキックをもって局面を打開するタイプの選手に見えた。

フランスの前線からのプレス強度は誤算だったのか
シャパレンコの所で何度か引っかかるシーンが見られた。
プレスに来る相手がポグバなので仕方ない部分もあるかもしれないが、
ボールを隠すスキルや立ち位置の工夫がもう少し見たかった。

ウクライナが前進するために狙っていたのは、アンカー脇兼IH裏とIH脇。
ヤルモレンコがIH脇で受けて前線までボールを運ぶシーンも見られたが、
本筋は相手のプレスに出てくるIH裏のスペースを使ったレイオフ。
WBからFWにボールを当て、同サイドHS担当が受ける。

これは上手く相手と入れ替われており、アンカーのサポートも間に合わず
相手のDFラインを晒すことは出来ていた。

後半

後半開始
互いに前半を終えたフォーメーションで後半を迎える。

後半躍動していたのはラビオ
クラブチームでも代表でも攻撃時はイキイキとし、
守備時はテキトーにプレイする毒親を持ったワガママプレイヤーだ。

身長188㎝の恵まれた体格に長い手足という素晴らしいフィジカル
持つが、攻撃時にしか使い方が分からないらしい。
(日頃の鬱憤から悪口が過ぎた)

この試合では、戻りが遅れるヤルモレンコの裏のスペースを
ドリブルでボールを運び相手の立ち位置をズラすことに貢献していた。

ちなみに前半のCKからの大ピンチはラビオがマークを外し
クロスを被ったからである

後半50分そのプレーがフランスの同点弾にも繋がる。
ラビオがドリブルでHSに突っ込み相手を寄せたところで逆サイドに展開。
自身もゴール前に侵入し、右サイドのクロスにヘディングで合わせる。
惜しくもDFにブロックされるが、そのこぼれ球をマルシャルが押し込んだ。

この後はウクライナが防戦一方。
フランスはマルシャルとコマンに代えてベンゼマとムサディアビを投入。
ベンゼマのキープとムサディアビの裏への飛び出しからチャンスを作るが、
ポストに阻まれ逆転には至らなかった。

このまま1-1で試合は終了。
グループDの首位攻防戦は引き分けとなった。

画像2

ウクライナはこれが今代表ウィーク最終戦。
フランスは中2日でフィンランド戦を迎える。

気になった選手

キングスレイ・コマン(フランス/FCバイエルン・ミュンヘン)

画像3

ユベントス時代の相手を舐めたドリブルばかりを
繰り返していた頃とは違い、大人になりプレーの幅を広げたようだ。
大外でのプレーだけでなく1つ内側でも輝けるプレイヤー
今の時代、非常に重宝される。
ドリブルしか頭になかった彼がこんなプレイヤーになったのは感慨深い。
(いつでも戻っておいで。いや、戻ってきてください)

2019-20シーズンのUCL優勝の立役者。
しかし前年のロシアW杯ではメンバー落ちを経験。

まだなのかもうなのかプレイヤーとして脂が乗る25歳。
そろそろ代表でも輝かしい活躍をしたいところだ。

試合結果

2021.9.5
2022カタールW杯・欧州予選 Group.D 第5節
ウクライナ 1-1 フランス
【得点者】
ウクライナ:シャパレンコ 44"
フランス:マルシャル 50"


ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました。
このレビューにて第5節終了です。
まだまだ混戦のグループD!それではまた!

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