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2022カタールW杯・欧州予選 Group.D 第4節~ カザフスタン vs ウクライナ ~

みなさん、こんにちは。びんびんびんです。

Windtoshさん(@Windtosh)全面協力の元
ついに始まりました『欧州予選アーカイブ化』計画

#欧州予選グループD全部見るマン
として第4節~第10節までを残していきます。

両チームのラインナップ

それでは5ヶ月前の前節と同カードとなった両チームのラインナップから。
黄色のユニフォームを身に着けるのはホームのカザフスタン(2戦1分1敗の最下位)
青のユニフォームを身に着けるのはアウェイのウクライナ(3戦3分の2位)

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5か月前の前節は1-1の引き分け
圧倒的なスタッツ差でもなんとか食らいついたカザフスタンに対し、
前節と同様にボールを持つ展開が予想されるウクライナ。

予選突破大本命のフランス以外どのチームも勝利をあげていない
お団子状態
のグループDで両チーム初勝利を目指す一戦。

それでは前半から振り返っていく。

前半

前半開始2分いきなり試合が動く。
ハーフウェーライン近くの左サイドでスローインを獲得したウクライナはDFラインで左から右へボールを繋ぎ、右HVが前へボールを運ぶ。
そこにカザフスタンの左IHが食いついたタイミングで右前方の右WBに展開。(ヤルモレンコが大外でカザフスタンの左WBをピン止め)
さらに右WBは飛び出てきたカザフスタンの左IHの背後にボールを運ぶことでカザフスタンのアンカーを引き出すことに成功。
するとカザフスタンのボールとは逆サイドの右IHの絞りが間に合わずアンカーとの間にギャップが生まれる
そのスペースをウクライナのFWヤムレチェクが見逃さず、ペナルティーアーク付近でフリーでボールを受けミドルシュートを突き刺す
今日のカザフスタンのゲームプランをぶち壊すような美しいゴールだった。

この後は、ウクライナがボールを保持しつつ優勢に進めるものの
開始早々のゴールもあってか、325で攻撃するチーム同士の殴り合いとなった。
ウクライナは前半のうちにクロスバーやポストに3回
GKのファインセーブにより得点を阻止された
カザフスタンもカウンター主体ではあるが前半30分頃から息を吹き返し、
ハーフウェーライン辺りからはボールを繋ぐ意識も見せ、
左サイドの奥を上手く使いながらウクライナゴールに迫っていった

戦況

GKを使ってのビルドアップはしないが、DFラインから丁寧にボールを繋いでゴールに迫ろうとする両チーム。325同士の殴り合いの一戦となった。
攻撃の形は似ているが、違いはビルドアップとそれに対しての守備


カザフスタンのビルドアップは典型的な325でボール保持時は
14番ワシリエフを前線に上げた形で行われる。
それに対してウクライナは基本的に541ですぐに撤退。
ウクライナのFWヤレムチュクが相手のDMFタギベルゲンとお付き合い。
守備セットが整えば(ハーフウェーラインを越えるあたり)タギベルゲンへのコースを消しながらボールに寄せる手段を取った。
ウクライナは度々ヤルモレンコの戻りが遅く、カザフスタンの左HVがドリブルで持ち運びハーフスペースに侵入されピンチを招いたが、選手のクオリティーに助けられる部分がいくつかあった。


一方ウクライナのビルドアップは数字的には325だが、ジンチェンコが自由にポジションを取っており、基本的には最終ラインの3枚とボランチで菱形を作る形。ジンチェンコは、相手のIH外で受けることもあればアンカー脇で受けることもあり、ウクライナのビルドアップにおいて立ち位置が肝となっていた。
それに対してのカザフスタンは相手陣地にボールがある時は532を選択。
前の2がウクライナのCBとアンカーをマーク、右IHはジンチェンコを見つつ、ウクライナの左HVがボールを持てばプレスに向かう。逆も然りでウクライナの右HVがボールを持ち運び、FWラインを超えるとカザフスタンの左IHがプレスに飛び出る。
さらにはボールがハーフウェーラインを越えれば541に変化。
アンカーを押さえてた13番ヌルガリエフがボランチに加わる。


しかし、カザフスタンのこの守り方には穴があった。
ハーフウェーライン付近を目安に532→541をしていたが、ウクライナのHVがボールを持ち運んだ時のカザフスタンのIHがプレスに飛び出るタイミングとアンカー番の13番ヌルガリエフがボランチのラインに落ちてくるタイミングが合っておらずプレスに出たIHとアンカーとの間に大きなスペースを空けることになっていた。先制を許したシーンがまさにで、失点シーンではアンカーのカバーが間に合っているが逆に逆サイドのIHとのギャップが空いており、アンカー脇とバイタルエリアを自由に使われた結果である

さらにウクライナはそのスペースに入るヤルモレンコを起点にMFラインまで悠々突破、逆サイドへ展開し、左WBソボルのアイソもしくはジンチェンコとのコンビネーションで左サイドをエグる展開を作る。
しかし、前半の内にポストに3回当てるなど決めきれずに前半が終了
結果的に言ってしまえばこれのどれかを決めておけば、、!
という展開であった。

後半

ウクライナは前半と変更なし。
カザフスタンは攻撃時433⇄守備時442に変更。
カザフスタンは4バックに変更するも415でのビルドアップではビルドアップ部隊と前線で張っているメンバーとで距離感が悪く上手に前にボールを運べない。
(昨シーズンのピルロユベントスを見てるようで辛い、、、)


それに対しウクライナは541で前線からのプレスを選択
最前線のヤレムチュクがアンカーを消しながら両CBにアプローチ。
SBにボールが渡ればSH、アンカーにボールが入れば片方のボランチが飛び出ると嵌められるようになった。
さらにそこに普段スタメンに名を連ねるマリノフスキーが登場
ウクライナはプレスとショートカウンターにより、左サイドのチャンネルから2度もGKとの1対1のシーンを作るが、GKのファインセーブに合う
ここでもウクライナはあのGKとの1対1のどちらかを決めておければ、、、という展開に。


カザフスタンはGKのビッグプレーにより前半30分頃の勢いを取り戻す。
前半から狙っていたウクライナの右SBと右HVの裏を執拗に攻める
1つのゴールはオフサイドで取り消されたが右サイドの裏を取り、
74分にR・バリウリンのゴールで同点に追いつく


しかし殴り合い上等のウクライナはこれで終わらない
丁寧に左ハーフスペースを攻略しD・シカンが90+3'に得点を挙げ
すぐさま勝ち越す

ただしかしこのままで終わらないのがこのグループDである。
またまたカザフスタンがウクライナの右サイドの裏を狙い突破

同じくR・バリウリンが90+5分に同点ゴールを決める。

このまま試合終了の笛。
開始早々の得点でウクライナがそのまま勝ち切るのでは?
と思われた試合だが引き分けに終わった。
第3節までフランスしか勝利していないグループDには
きっと何かがあると感じざるを得ない結果となった。
(↓この試合のスタッツ)

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気になった選手

・アンドリー・ヤルモレンコ

ベテランの域に入りつつある彼だが、まだまだ違いを生み出せる選手。
アンカー脇に顔を出すタイミングや相手の中盤3枚の外でビルドアップを助けるポジショニング。そして狭いスペースや囲われた時のキープと逆サイドへの展開はやはり両チームの選手と比べても格が違う。
ウクライナ代表通算97試合に出場、あと3試合で大台の100試合出場が達成
100試合に到達すれば歴代3位の記録に。
さらには2位シェフチェンコの111試合や1位ティモシュチュクの144試合も
越えるときが来るだろう。まだ31歳の彼に今後も期待したい。

試合結果

2021.9.1
2022カタールW杯・欧州予選 Group.D 第4節
カザフスタン 2-2 ウクライナ
【得点者】
カザフスタン:R・バリウリン 74',90+5'
ウクライナ :R・ヤレムチュク 2'
       D・シカン 90+3'
【警告】
カザフスタン:V・ワシリエフ 43'
       S・ポカティロフ 90+2'
ウクライナ :V・マイコレンコ 52'
                       O・ジンチェンコ 74'
                      

今回のマッチレビューは以上です。
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