あの文字はなんだ?! 絵文字から入る外国語の世界 タイ文字編

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世界広しと言えど、日本人ほど日々多様な文字を入力している国民はいないんじゃないでしょうか。日本語は勿論ですが、絵文字で要求される文字種は尚更多いものです。

本稿ではTwitterで見かけた皆さんに馴染みの薄いと思われる文字を紹介いたします。

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ヒジョーに幸せそうなお顔。もぐもぐの正体も気になりますが、今回の主役はこいつ!

ほっぺ!いい具合になるとめいた渦巻きです。単純な形とはいえ、いかにもな雰囲気を醸しだしているので分かる人には分かるんじゃないでしょうか。そう、タイ文字なのです!

厳密に言えばタイ文字と一緒に用いられるタイ数字。地元民用の価格表示を観光客に読まれぬようにするため使われるというあれです。(もちろんそんな暗号めいた使い方ばかりがされるということではありませんよ)

0 スーン ๐

1 ヌン ๑

2 ソーン ๒

3 サーム ๓

4 シー ๔

5 ハー ๕

6 ホック ๖

7 ヂェッ ๗

8 ペーッ ๘

9 ガーオ ๙

10 シップ ๑๐

漢数字の十や百のような位取り用の字はありません。簡単。

しかし一方で数字でない文字は実に複雑なのです。私が唯一挫折した文字だったりなんだったり。

上に上げた文字はどちらもコー。有気音(強い呼気を伴う音)のKを表します。重複しているのにはわけがありまして。

タイ文字を使用するタイ語には声調というものがあります。声調は音節(ざっくり言えばかな文字一文字で表せる音の単位)ごとにつくアクセントのこと。タイ語では声調の違いで単語を区別します。そしてその重大さは日本語におけるアクセントの比ではありません。間違えたら通じない。書かなくてもいいやとはならないのです。

タイ文字では声調ごとに異なる子音字を用いるという方法をとります。上のコーは高子音のコー。卵のコー、コー・カイと言います。一方で下のコーは水牛のコー、コー・クワイ。低子音です。

この他に中子音字があり、タイ文字の子音字は三種に分けられます。ところでタイ語の声調は5種類。足りなくない?

実はタイ語の声調は子音字の種類の他に声調記号の有無や音節が平音節か促音節か(タイ語独自の区分であって実に面倒)ということを組み合わせて決定されるのです。

私が挫折したのも頷けるでせう……?

ここまでの難関を乗り越えた優秀なる学習者にもさらなる障害がのしかかります。タイ語は分かち書きをしない!サンスクリット語由来の単語は綴りと発音が一致しない!

難解な表記体系を持つ言語ベスト3を挙げよと言われたら、私は1位日本語、2位タイ語、3位アッカド語と答えましょう。表音表意折衷の1位と3位の間に割り込む表音文字。もはやロマンさえ感じます。

かかる表記の難解さにも関わらず常に人気な外国語、タイ語。その要因はやはり発音と文字の可愛らしさにありましょう。

「こんにちは」は
สวัสดี ครับ サワディークラップ(男性)
สวัสดี ค่ะ サワディーカー(女性)

母音の表記がすごい!みたいな話もしたいけれど、長くなりすぎるのでまた次の機会、タイ文字の親戚の回でということにしましょう。

お腹いっぱい。
ŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”(๑´ㅂ`๑)ŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”

まとめ
かわいいは正義!

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