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消費行動と社会心理・構造Magazine

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生活者の価値観や心理と行動はどう変化したのか?それによってこれからの社会はどうなってゆくのか?マクロな視点で世界とニッポンの経済成長に直結する潮流を分析します。
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#ビジネス

『服を“売る”ならこんな風に』……ファッション市場救済のために。

『ファッション市場』が縮小してる。 これは様々な複合要因があるが、その中の大きなものとして ●服(お洒落)の楽しみ方を今の時代に合わせて啓蒙する人がいない ●従来のアパレル業界人と激安リテイラー、オンラインプレイヤーや通販専業メーカー等の意識ギャップや確執の存在 ●ファッションのロールモデル(憧れを喚起するリーダー)不在 などがあるだろう。 筆者は、文章はさほど上手ではないのだが、 『視覚的なチャートで構造を解き明かす』ことは得意としてる。 なので、図式+解説という

レコメンドとかパーソナライズって『ダメな奴をどんどんダメにするしくみ』だけど…それで良いの?

ちょっと間が空きましたが、またまた世の本流へのアンチテーゼ投稿!行きます(笑) これまで比較的長かった僕の記事、シンプル投稿にリニューアルして、『気づき』中心に頻度を少しあげるようにします。長くてストーリー性のある記事を読みたい人は過去記事をご覧ください(笑) デジタルマーケで常識のように言われてる、コンテンツやサービスを個人の行動履歴に合わせてパーソナライズしてゆく方法論。 これホントに良いことなのか?って話です。 自分の行動って、リアル空間の行動であろうと、デジタル

社会を引っ張るのは“仕事術”“スキル”じゃなくて『視覚的ビジョン』じゃね?

今、大量に発刊される啓発本のタイトルとかを見ると 『効率的・生産性の高い働き方とは』 『仕事ができる人になるには』 『お金を儲けるには』というテーマばかりだ。 …さてさて、これちょっと考えると疑念が湧いてくる。 なぜかと言えばどれも(所詮) 『相対的なものであって誰かが上がれば誰かが落ちる発想』 に感じるからだ。 本当のところ、世の中に “仕事ができる人・できない人”という絶対的なものさしあるんだっけ? 効率的って“何に対して”効率的なんだっけ? お金って“幾ら儲けた

今世の中で、超『価格ギャップ市場』が形成されてる。

筆者は小売業のコンサルタントであると同時にヘビーなお買い物マニアだと以前にも書いた。そんな僕が最近Amazonで買物をしていて感じる強い傾向をレポートしよう。 それは世の中が強烈な『価格ギャップ市場』になってきた!!ということだ。どういうことかというと、同じ品種、同じカテゴリーに属する商品、はたまた一つの同じブランドの中であってさえも、極端な価格差のある商品群が形成されて、かつ激安の商品も、激高の商品も「両方売れてる」!という奇妙な現象だ。これ、消費を楽しんでる人間からする

2019年上半期(筆者)記事ランキング発表。

筆者は、今年に入ってから猛烈な勢い(平均するとDaily)でNOTE記事(主にビジネスジャンル)を公開してきたのだけど、お陰様でフォロワー数が1000人を突破しました。 記事数も170を超えているので、その中でどんな記事が皆に見られているのか?どんなテーマに関心があるのか? 皆様のMarketingにも役立つと思うので以下、公開しちゃいます。 以下が50位までのランキングになります。 ※赤字は、ここ二週間の閲覧伸び率の高い記事。 ダントツは、Twitterでも拡散されて広ま

“Design Sprint”をやる前に意識すべき新規事業企画のTips その1

自分の仕事歴で言うと25年以上になると思う。 企業の新規事業企画の支援とか企画者の育成をやってきた。 いわゆるシリコンバレー型の“リーンスタートアップ”の経験値というわけではないのだが、大企業や中堅企業の新規事業立ち上げを手伝ってきて、やるたびに再認識する事がある。 それは、ある程度経験を積んだビジネスパーソンであっても皆、驚くほど“企画”発想の技術がない…ということ。むしろ下手に社会や業界事情に巻き込まれ過ぎているため『思考の派生的な延伸』ができない…ということだ。 これ

オンラインメディアの生活時間占拠が“旧”消費者にもたらしたモノ。

筆者はインターネットの勃興期からネット業界・デジタル業界が主戦場だったので、ずっと疑問に思ってたことがある。 それはズバリ、ネットの閲覧が(接続回線コストを除けば)タダであるということだ。 TVなどの放送メディアが広告費で成り立たなくなるという傾向は、ネットが普及する前から予想されてきたことだ。それでも、ネット業界の主たるプレイヤーは『無償モデル』を選択した。 そのことがここまでのネットおよびスマートフォンの全世界的な普及に貢献したことは否定はしない。しかし……それは消費社会

GDPデフレーターを吹き飛ばせ!…無自覚なデフレに喝。

日本のGDPデフレーターは2018年12月の 102.73から、2019年3月(四半期単位)に103.37へとやや回復。しかし予断は許さない状況。 デフレ懸念が再燃している。 そもそも今のニッポンは強烈なデフレ国家だ。大分古いデータだが以下のランキングを見てほしい。先進国の物価上昇率が低いのはあたりまえだが、日本は先進国の中でも極端に低い位置にあり、ランキング150位にもはいっていない。 『物価が安い』って良いことのような気もするが、次のようなBad Cycleに陥ってし

本革を知らない人は“フェイクレザー”も評価できない。これ今の経済の象徴?

これ…ゆゆしき問題だと思う。 僕は実はフェイクレザーという素材が大好きだ。 カバン、シューズ…色んなグッズでフェイクレザーグッズを持っている。安くて機能的で多様なテイストがあり、素晴らしいものを開発したなぁ!と感じてる。この商品が普及することには肯定的だ。 なんだけど、実はその『“フェイク”である価値がわからない人が増えてる?』もしくは『増えるんじゃないか?』と感じてる。そうなった時、フェイクレザーは市場からフェイドアウトするんじゃないかって? どういうことか? 『元となる

モノとサービス(コンテンツ)の“個別価格”提示で何が変わる?『NOTEのビジネススキーム』は大正解。

①様々なプラットフォーマーが提供し始めたコンテンツのサブスクリプションサービス(定額課金モデル)。 ➁そしてそれよりずっと前から各種コンテンツ業界で行われていた再販固定価格という売り方。 この二つの販売方法、当たり前のように見えるが、実は消費者のモノやサービスに対する“評価眼(ものさし)育成”を妨げてる……というのが筆者の持論だ。 これ、どういう意味だろうか? 映画業界、ビデオ業界、音楽業界、書籍・出版業界、ゲーム業界。 この全ての業界が確立してきたクリエイティブコンテンツ

ファッション店舗の『売場作り』を変えよう! その2

商業施設のフロアレイアウト日本のファッション市場とそれを担うはずの店舗が縮小して苦戦している理由は数多くあるが、 まずは商業施設(ショッピングモール)側の事情とテナント店舗側の目論見の食い違いがある。以下の大型郊外型SCのフロアマップを見て欲しい。 この中で 知っているブランドやショップ名称はたくさんあると思うけど、この広大なショッピングモール内で、何か単一のファッションアイテムを捜そうと思ったとき、貴方は探せるだろうか? 例えば今年のトレンドで言うと、“偏光レンズ”のお洒

“モテ”とファッションとの距離 その1

モテ系ファッションと正統派ファッション(そんなものが在れば…だけど)の間には大きな距離がある。 さらに、女性の場合は、異性モテファッション以上に結構意識されるのが、同性モテ(うけ?)ファッションだ。 一方で男性の場合は、かなり昔からモテ意識よりも『自己主張とこだわり』がファッション要素として強かった。なので男性のお洒落とかテイスト追求型はことごとく女性受けしなかった(笑)。女性から見ると、変な恰好の突飛な人!アクの強い人!自分をわかってない人。……にしか見えないのだ。 まあ

『積極的に消費』しないが『儲けたい』志向の“リッチゾンビ”。

今の時代…増殖してるこの方たちが増えるとどうなるか? 先進国(最近言わないか…)の成長は消費する新興国頼みということになり、そこが足踏みすれば経済危機が訪れる。 どういうことか?ちゃんと説明しよう。 リッチゾンビ というのは筆者の造語(和製英語)だ。 ゾンビという命名は過激だが、まあまあ的を射たネーミングだと思ってる。 簡単に言えば、お金を儲けたい(クラスアップ)欲求は強いが、使いたい(消費)欲求は弱い人。最近で言えば例えば以下のような人 スタートアップ経営者で、仕事が生

サブスクは有りだけど『お金払ってることを忘れさせる』のは逆効果。

月額200円とか300円のサブスクリプションって微妙な金額だ。 そして危ない金額!でもある。 昔、i-modeでボロ儲け(失礼…)したdocomoさんが結果的にやってた(狙ってたわけじゃないけど)手法。顧客はアプリとかサービスを契約したこと(毎月の携帯利用料から引き落とされてること)を忘れてしまうのだwww AmazonやZOZOの定期便ならモノが届くのでそんなことはないのだが、目に見えないサービスで請求が他のものとごっちゃになってる場合、あるあるな話。 これ、サービス事