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消費行動と社会心理・構造Magazine

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生活者の価値観や心理と行動はどう変化したのか?それによってこれからの社会はどうなってゆくのか?マクロな視点で世界とニッポンの経済成長に直結する潮流を分析します。
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#デジタルマーケティング

EC化率やCVR(購入率)が上がらない“根源理由”を追求してみる【第二回】

第一回では 購買行動とモノを買う際の消費者のマインドに言及して、ECが実店舗に対して負けている部分の概要に触れました。 一言で言ってしまうと、ECは決まったモノ(単品)を買う(お届けする)のには便利だが、生活体験や購買体験、提案力では負けている…という話です。 しかし具体的に何が負けているのか?どうしたらそこを獲得できるのか?について言及してみましょう。 上図の左がスマホのEC画面、右がリアル店舗での視野てす。決定的な違いは、売場に立ったときのそのショップ、ブランドの品揃え

EC化率やCVR(購入率)が上がらない“根源理由”を追求してみる【第一回】

久しぶりの投稿。皆様はお元気でしょうか? 投稿を休んでいた1年半くらいの間、仕事環境に色々変化があって、小売業のEC支援のベタベタのところ(集客~コンバージョンまで)をやってました。 そんな中で改めて感じたのは、小売のEC担当部門の方って、KPIとか新しいクラウドサービスやデジタルツールには目ざとく反応するんだけど、お客の購買マインドとか購買行動にはあまりにも無頓着であるということです。 小売のEC部門の人たちというのは、あまりデジタルに詳しくない経営陣から管理されてるこ

レコメンドとかパーソナライズって『ダメな奴をどんどんダメにするしくみ』だけど…それで良いの?

ちょっと間が空きましたが、またまた世の本流へのアンチテーゼ投稿!行きます(笑) これまで比較的長かった僕の記事、シンプル投稿にリニューアルして、『気づき』中心に頻度を少しあげるようにします。長くてストーリー性のある記事を読みたい人は過去記事をご覧ください(笑) デジタルマーケで常識のように言われてる、コンテンツやサービスを個人の行動履歴に合わせてパーソナライズしてゆく方法論。 これホントに良いことなのか?って話です。 自分の行動って、リアル空間の行動であろうと、デジタル

UX勘違い①…画面全体を情報や機能で埋め尽くす癖……本来UXとは「空間づくり」だ!

スマホUXデザイナーの悪い癖。 画面が狭いゆえにその画面上に余白(間)が作れない。 全てを情報と機能で埋め尽くそうとしてしまう。 目を覚まそう。真っ白で何もない壁に絵がかかってる。 だからこそ、その絵が映えるのだ。 つまりは こういうことだ。 スマホは、『AV家電のリモコン』と一緒。 まず最初に達成したい機能(操作ゴール)があって、 それに必要なボタンが操作面積を埋め尽くしてる。 この二つのデバイスの共通点……どっちも「目的が有って“仕方なく”使っている。」ということ。

顧客&行動分析はニーズとポテンシャルを知る目的で実施。『今の行動に合わせてしまう施策』は打つべきじゃない。

分析のやり過ぎに注意しましょう! これが、デジタルマーケッターの方に、僕が言いたいコトだ。 デジタルマーケッターが陥りがちな落とし穴として、 ①アクセスログやCRM分析をやり過ぎて、お客様は『その行動しかしない!』と思い込んでしまったり、 ➁この広告、ページ、サービスを『踏んだ』人にこれを見せれば、買上率が2ポイント上がるとか、 『セコイ事』(笑)ばかり考えるようになってしまうケースだ。 セコイよそれ、セコイ!そんなことを半年もやり続ければもう買上率なんて上がらなく

『パーソナライズし過ぎ』って「提案の放棄」!状況はヤバイことに…。

これ結構笑い話じゃない。 『パーソナライズ』ってオンラインビジネスの世界では、とっても良い事でそれによって顧客の買上数や買上頻度が上がる!と言われてるけどホントは嘘だ。パーソナライズの種類と精度にもよるけどね。 パーソナライズのメカニズムってその人の過去の行動履歴にレコメンドエリアの表示(商品やコンテンツ)を合わせちゃうってこと。 ECサイトとかを運営してる人ならわかるだろうけど、一番単純なのがカート放棄対策で、カートに入れて買わなかった商品を片っ端からDMPで広告に出しち

【鼻の差問題】具体的過ぎるKPIが正確な判断や変革を妨げる。

「鼻の差で勝つ」…ことってよくある。 鼻の差で勝つと嬉しいけど、ちょっとクールな目で考えてみると、それってドンケツの周回遅れの二人が争ってる?なんてことないですか? もしくは、 最速のスプリントサイクルで競争すれば良いのに、三輪車で鼻先を競ってる?ってことは? で、 Businessの世界でここ十数年のトレンドになったKPI重視主義。 KGIとKPIを定義して、KPIをウォッチしてリフトアップすべし!という仕事のやり方……この「鼻の差競争」と似てないかしら? というのは、