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第8講 論説で意識すること②~主張~

主張は本文で一番言いたいこと


皆さんどうも田中(国語の先生)です。
本日は、タイトルにもあるように主張の探し方をお話ししたいと思います。
第6講でもお話ししましたが、説明的文章は基本的に一般的に正しいと勘違いしていることを筆者が正そうとする文章です。
だから、「本当は〇〇なんだよー」というような形で主張をしてくるわけですね。
一番言いたいことですから、目立つ形で書いてあるはずなのですが、そこまでの流れや、難しい単語が邪魔して見つけにくくなっているのが現状です。

以下に主張の見つけ方を記しておきますので、ぜひとも読解のお供にしていただければ幸いです。

・主張のパターン6選



①文末表現

まず一つ目は文末表現です。
主張は一番言いたいことですから、一番力が入っています。だから、文末もかなり強めの表現が入っています。以下の文末を見つけたらその前の内容は要注意です。
・「~と思う」(誰が思っている?=筆者!)
・「~考えている」(誰が考えている?=筆者!)
・「~は重要(大切)だ」
・「~すべき」
・「~ねばらないない」
・「~してほしい」
・「~であればよい」
 他
とこんな感じです。
要は「断定」や「命令」系の文末は主張が来やすいです。
だって、自分の意見ですもんね。言い切りもします。また、自分の言っていることが正しいという自負があるからこそ、読者にやってほしいと考えています。
「~と思う」や「~してほしい」はマイルドな表現だとお考え下さい。

②反語表現


「反語?」聞きなれない言葉が出てきましたね。でも、これはこの先もよく出るのでかならずおさえておきましょう。

反語とは?
疑問の形を取りながら反対の主張を述べることで強調する表現技法。

例:私たちはこのまま生きていいのだろうか。(いや、よくない)

というような形になります。
わざわざ反対の事を疑問形でいうことで、読者に考えさせることが出来ます。これがこの表現を使うポイントになります。
上の例では、「今のまま生きるのはダメだから、筆者が提示する生き方をしていこう。」というのが主張になります。
ただし、すべての疑問形が、反語ではないので注意しましょう。

③まとめの言葉


論説文は筆者の主張を伝えるための文章であるというお話をしましたが、人は自分の言いたいことを理解してもらうために、同じことを繰り返して相手に伝えようとします。
だから、同じ内容が繰り返されたら要注意なのですが、同じ言葉出てくるとかなりくどいです。
例えば具体例をずっと繰り返されたら、皆さんはどう思うでしょうか。
「しつこい!」と思うのではないでしょうか。
だから、そう思われないようするために、筆者は具体的な内容を抽象的な内容に言い換えたりするというように表現を変えて何度も同じことを言っています。
その言い換えの際に用いられるのが「まとめの言葉」です。
ではまとめの言葉はどのようなものがあるのでしょうか。
・幅広い指示語
・言い換えの接続語

幅広い指示語は「このように」「こうした」「そのように」「そうした」といった指し示す範囲が広い指示語の事です。詳しくは指示語の回で説明しますので、今は、まとめ言葉の一つという風にお考え下さい。
言い換えの接続語は「つまり」「要するに」「すなわち」などになります。
こちらも詳しくは言い換えの接続語の説明で詳しくしたいと思いますが、同じことを2度も繰り返すのはそれだけ重要であるということです。

④結論を導く言葉


結論を導く言葉は「ともかく(ともあれ)」「いずれにしても(いずれにせよ)」などの言葉になります。これまでの内容をまとめて、改めて次の主張を展開するときに使われる言葉です。
そして、結論とは筆者の言いたいことをまとめたものになります。結論を導く言葉があった場合は、必ずおさえておきましょう。

⑤筆者独自の主張を表す言葉


これは「実は」「本当のところ」「思うに」などの後の内容を導くために使われる言葉です。一般的な考え方とは違う筆者独自の主張をするときに使用されます。
ちなみにですが、説明的文章は筆者の意見と一般論との対比と説明してきましたが、一般論が見つけられればその逆と考えることもできます。
じゃあ一般論はどうやって見つければいいでしょうか。

一般論は
・~と言われている。
・~と思われている。
・~と考えられている。

とついていたら、「~」の部分は一般論です。

他にも
・一般的には~
・世間的には~

何かがついていても同様です。
こちらも覚えておくと読解が楽になると思います。

⑥問いかけと答え


私もここまでの文章でよく使っていますが、説明的文章ではよく問いかけ画使われます。
「~とはどういうことでしょうか。」みたいな感じですね。
問いかけを図式化すると以下のようになります。

筆者の問いかけ(疑問に思ってほしい=重要な話)
↓→疑問の方が話が展開しやすい/現状の問題点に読者に疑問に思って欲しい
具体例=疑問に対する詳しい内容説明

疑問の答え
→具体例とセットで一つの答えとしておさえよう

というわけで、問いかけと答えはセットでおさえておきましょう。

他にも文章の構成にも注目してみると結論の位置がわかることがあります。
説明的文章は主に
・序論→前書きや話題=問いかけが来やすい
・本論→本文の中心
・結論→ここまでのまとめ=主張が来やすい

という3つのパーツで構成されています。
そして、この三つを3パターンの組み合わせで文章を構成しています。
それが
①頭括型(結論→本論)
先に結論を言ってしまい、補足の説明をする形で本論を添えているパターンです。
「~は〇〇だ!(結論)」→「だって、◆◆だから(本論)」
というような流れですね。

②尾括型
序論→本論→結論と続く、オーソドックスな流れです。
説明的文章で一番多いのがこの流れと言ってもいいかもしれません。

③双括型(結論→本論→結論)
こちらは①の発展形です。
「~は〇〇だ!(結論)」→「だって、◆◆だから(本論)」→「ねっ!言ったとおりでしょ」
というような流れになります。

というような形で、展開される説明的文章ですが、次回はもう少し踏み込んで、細かいところを見ていきましょう。


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