【ソーシャルレジリエンス】企業で壊れないための組織観察法

人手不足の昨今、多くの企業で人に辞められることが経営の致命傷になってきています。そこで企業もあの手この手で、社員に辞められないような施策を準備し始めました。

ですが、上司に定期的に「何か悩み事はあるか?」と聞かれたところで「あんたが悩みの種だよ」と言いたくなる人も結構いるのではないでしょうか。

人事に「この人があなたのメンターだかんね♪」と新卒クラッシャーな年配社員を指定されたところで、あなたの「もう辞めたくなってきた」指数は爆上がりではないでしょうか。

そんなときどうすればいいか?

組織を観察するしかありません。ただし、ポイントがあります。

それは「肩書きの付いた人が生産されるプロセスに影響を与えている人は誰か」を見つけ出すことです。もう少し具体的に説明します。

何らかの事情で、現場のリーダーなり役職者がいなくなったとします。すると会社は当然、次のリーダーなり役職者なりを生み出そうとします。そのとき、どうやって彼らは生まれるのでしょうか。

1.人事が勝手に決める
2.なりたい人が手をあげる
3.ある人を推薦したり、その人がリーダーなり役職者になるように周囲の意見をまとめたり、根回しをする人がいる。

上のようにいろいろな生まれ方があると思いますが、注目して欲しいのは上の3の場合。

肩書きや役職の付いた人は常に生まれるのが、企業という組織の必然ですが、「その人が生まれるに至った影響力者」がいるのです。この人を見つけられるように組織を観察することで、組織を動かす見えない力の流れのようなものが分かってきます。あとは影響力者であるその人にどう近づけば良いかを考えるだけ。

肩書きがなくても少数であっても、ある人間の一貫した行動は組織を変え得ることが組織に関する研究で知られています。困った時に役職の付いた人に相談に行くだけが能ではありません。もしかしたら相談した相手から「厄介なやつだ」と思われて社内失業の刑にされてしまうことだってあります。もちろん、役職者と影響力者が一致することだってありますが、一致しないときにどう自分が壊れずに、壊されずに生き抜くかが問題なのです。

「相談しましょ、そうしましょ」

ではなく、

「観察しましょ、そうしましょ」

という言葉でこの話を締めくくりたいと思います。

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