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#473 ワーケーション企画が自走できた理由を考えてみた

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。

音声はこちらです。

ここ、2週間ぐらい、ずっとワーケーションに関することに関わっていました。ということもあって、今回はちょっと乱暴というか、生意気なタイトルなのですが、「僕らのワーケーションの企画がうまくいった本当の理由」というお話をしてみたいと思います。

なお、一部のものが若干、うまくいったというだけなので「チョーうまくいっているぜ!」なんて言うつもりは毛頭ありません。ですが、ここは「わかりやすいタイトル」ということでご了承ください。

一応「自走できています」

7/16~18までは企業向けのワーケーション、7/21~23までは親子ワーケーションのプログラムを走らせていました。これらは、両方自走しているプログラムです。補助金を使っているわけでもなければ、きちんと事業ベースになっている取り組みです。

その意味で、「よくやっているな」と思っています。

もちろん、すべてがうまくいっているわけでは全然ありません。うまくいってるように聞こえるかもしれませんが、そんなことはないです。課題ばかりです。

ただ、少なからず、いくつかは自走できているということは、事実として言ってもいいかなと思います。

ではなぜ、自走できているのか? その理由を一言で言えば、ビジネス用語を使うと「プロダクトアウト」と「マーケットイン」の違いだと思っています。

プロダクトアウト・マーケットインとは?

ここで言うプロダクトアウトとは、「企画する側の人たちが、自分たちが作りたいもの、作れるものを基準に企画したもの」です。

一方、マーケットインとは、プロダクトアウトとは反対で「顧客の意見やニーズを汲み取って企画したもの」です。

つまり、「製品が先か、市場が先か」と言ってもいいかなと思います。

僕が、あるいは、僕らがいま、取り組んでいる企画は「マーケットイン」で作っています。つまり、「これから、こういう課題が起こるだろう」とか、「いま、こういった課題があるだろう」ということを先に考える。それは、企業もそうですし、個人もそうですが、「こういった課題があるだろう」「だから、この課題を解決するためには、こういった取り組みが必要だ」「だから、これを企画してみよう」という発想です。

※テキストのみ:ちなみに、僕が企画を立てるときには、最初に「タイトル(一言でいうと何?)」「ターゲット(対象となる人の具体的なイメージ)」「バリュー(対象となる人が得る価値)」「コンテクスト(自分たちが企画をする必要性・文脈)」「思い」を徹底的に言語化します。

繰り返しとなりますが、もちろん、マーケットインで考えたからといって、すべてがうまくいくわけではありません。ですが、最初の企画段階が、さまざまな企業や人の課題、つまり、ニーズから入っているから、「これは、おそらくニーズがあるであろう」「だから、費用もちゃんと値付けしよう」という形から入っています。

一般的には、プロダクトアウトで企画されているのでは?

一方で多くの場合は、プロダクトアウトで企画しているケースが多いんじゃないかなと思います。

たとえば……具体的な事例を話すとちょっと問題があるので話せないこともあるな。でも、話しやすい内容で言うと……

2020年かな、コロナ禍になって、ワーケーションに関するモニターツアーがすごくありました。そのころ、行われていたモニターツアーは、どういった内容のものが多かったか、というと、いろんな観光要素をたくさん組み合わせたものが多かったんですよね。

「午前中は〇〇に行って」「お昼は豪華な〇〇を食べて」「午後は〇〇行って」……「こういうツアーだったら、お客さんはきっと喜ぶはずだよね」という、事業者側の発想から企画されたものが多かったんじゃないかと思います。

一方で、事業者側の発想の場合、どうしても「喜ばせたい」という気持ちが働いて、あれもこれもそれも詰め込んで……という形になりやすかった。また、「きっと、これ喜ばれるだろう」という思い込みから入るので、本当にそれが必要とされているかどうかはわからないまま企画された……。

こういった状況があったのではないかなぁと思います。

プロダクトアウトのわかりやすい例

たとえば、わかりやすい事例で言うと……

山の奥に入ったところに、ある建物がありました。「ここにWi-Fiを引けば,
お客さんが来るだろう」とかなりまじめに議論されている場にいたことがありました。

その時、その場で言ったのは「もしもあなたがお客さんだったら、車で1時間弱かけて、ここまで来て、ここで仕事がしたいと思いますか?」という問いでした。

自分がいけない、行かないところに、お客さんを呼ぼうとしても、なかなか難しいんじゃないかな……ってのが実際のところだと思います。

そういう意味では、やはり、発想のスタートをマーケットインにする……つまり、実際に顧客となりうる方々に思いを馳せて、「どんなことに悩んでいるのか?」「どんなことに困っているのか?」「ニーズは何か?」ということをイメージすること。

この「ニーズを調べる」というのは、なにか、データを取って調べるというよりも、その人たちの周辺にあるような困りごとは何か? そこに思いを馳せて、「それを解決するために、あるいは、何かを満たすためには、何が必要なのか?」――そこを発想の入り口にするのは、結構、大切なのではないかと思います。

「箱もの」よりも「営業が先」

あとは、箱ものをつくるまえに、営業を先にかけて、実際にお客さまが来てくれるのかどうかを確認することも、本当はした方がいいと思います。

というわけで、今回はちょっと生意気ながら、「なぜ、僕らのワーケーション企画がうまくいったのか?」というお話をしてみました。

じゃあ今日の話はこれで終わりにします。

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