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#220 キャリアオーナーシップとサイボウズの働き方

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織づくり、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点で、これからの働き方や地域のあり方について、ゆるゆるとお話をしていく番組です。この番組が面白かった、あるいは参考になったらフォロー・コメントなどいただけると嬉しいです。


キャリアオーナーシップについてのお話をしています

いま、キャリアの主体性、キャリアオーナーシップについてのお話をしています。今日はですね、僕が働いているサイボウズとキャリアオーナーシップの関係についてお話をしてみたいと思います。

結論から先に言ってしまうと、サイボウズの社員のみなさんは、比較的、キャリアオーナーシップを発揮しているのではないかなと思っています。

田中健之介教授の記事について

いまですね、はたらく未来コンソーシアムというサイトの『【コンソーシアム顧問インタビュー】 企業は今こそ、社員のキャリアオーナーシップに向き合おう (田中 研之輔 教授)』という記事を読んでいます。法政大学の田中健之介教授のインタビュー記事です。

この記事に書かれている内容をざっと要約すると、これまでの企業では、人材を一括で採用して、社員を一括で育成して、維持・管理するメンバーシップマネジメントを行ってきました。

ここでいう、メンバーシップマネジメントとは、社員を同じような人材に育てていって、社員をコントロールするという考え方ですよね。

一方、いまは、働き方が多様になってきた……というのはもちろんあるんでしょうけど、少し前の、社会が右肩上がりだった時代ではなくなってきて、この先どうなっていくのかよくわからないからこそ、柔軟に変化していく必要があるよねという時には、一律の人材を育てるというよりは、状況に合わせて、一人ひとりが変化し、成長していく、自律型のキャリア支援が必要じゃないか? ということが、この記事に書かれています。

キャリアオーナーシップとサイボウズ

キャリアオーナーシップを考えた人材育成においては、個人と企業あり方みたいなものも考えていく必要があるよねと、この記事では書かれています。

この記事に書かれていることを読みながら、僕はサイボウズの社内で起こっていることについて、記事の内容と比較しながら読んだんですよね。

冒頭にも申し上げましたが、サイボウズの社員は比較的キャリアオーナーシップを発揮している人が多いんじゃないかなと思うんです。

たとえば、ある程度年齢を重ねてきた人の多くが、複業のような形で、いままでフルタイムで働いていた稼働時間を少し減らして、次のキャリアのために時間を使っている人が、すべてではないけど普通にいます。また、中堅世代に限らずですが、柔軟な働き方をしている人が多いな、という印象です。

あと、サイボウズという会社の看板もありながら、それぞれの人たちが、自分自身が主体的に「立っていく」というんでしょうか。そういった取り組みをしている人も、すべてと言うつもりは全然ありませんが、一般的な企業で働いている人よりも多いんじゃないかと思います。

なぜ、サイボウズではキャリアオーナーシップを発揮している人が多いのか

なぜ、こういう形で働いている人が多いのか? それは、複業のような働き方が、比較的早い段階から行われていること。

あとは、テレワークのような、働く場所や時間が柔軟な働き方をしている人が多いというのもあると思います。

柔軟な働き方をしているということは、言い換えるとそれだけ、責任が伴うわけですよね。誰にも管理されていない中で、ちゃんと「仕事してますよ」としていくためには、ある意味、自分を律しながら、その中で成果を出していく必要があります。

そういう環境の中で働いている人が多いのが、キャリアオーナーシップを発揮している理由の1つかなと思います。

あともう1つ。入社当時から、社員に自立を促していることもあるかもしれません。

これは、あかしゆかさんが2020年3月10日に書かれた『サイボウズを退職します──会社と個人の距離感を模索した5年間の軌跡』という、サイボウズ式の記事です。

冒頭にこんな一節があるんですよね。

「入社おめでとう。はやくみなさんは、サイボウズをいつでも辞められるような人になってください」

2015年の4月。サイボウズの入社式で、副社長の山田理さんがこんなことを口にしました。

サイボウズを退職します──会社と個人の距離感を模索した5年間の軌跡

この、「いつでも辞められる」というのは、言い方を変えると「自立している」ってことでもありますよね。そういった中で働いている人が、サイボウズには多いからではないかな? という感じがします。

なので、キャリアオーナーシップを企業の中できちんと成立させるためには、どういうふうなものが必要なのか? と考えた時、さまざまな制度も必要なんでしょうし、一人ひとりの考え方とか、あり方みたいなものも必要なのでしょう。

キャリアオーナーシップを高めると、エンゲージメントが高まる

このような働き方が進んでいくと、冒頭にお話しした、人をいかに囲うかっていうメンバーシップマネジメントをしている会社からすると、怖いと思うんですよね。なぜなら、社員がいつ出て行ってしまうのか、わからないから。

でも、実際に生じるのは、もちろん人によって違うとは思うんですけど、逆に、社員一人ひとりのエンゲージメントが高まったり、責任感が高まったり……という、社員の成長なのではないかと思います。なぜなら、正解がない環境の中で、どうやって「自分の能力を発揮していくのか?」とか、「周囲から認められていくか」みたいなことを、常々考えて仕事をしていくことになるからですね。

そういった部分で、サイボウズは比較的、キャリアオーナーシップを発揮している社員が多いんじゃないかなというのが、客観的に見た時の僕の見立てですね。僕はサイボウズの社員でもあるし、自分でも法人を経営しているので、社外の人間でもあります。そういう意味では、客観的に見ることも、多少できるのではないかとしたときに、僕には、そんな風に見えています。

今日は、サイボウズとキャリアオーナーシップについてお話ししてみました。というわけで、今日の話はこれで終わりにします。じゃあね、バイバ~イ!

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