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#375 若手社員にとっての「メンター制度」と信頼できる「先輩社員の存在」

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組はこれからの働き方、組織づくり、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。この番組が面白かった。あるいは参考になったらフォロー・コメントなどいただけると嬉しいです。


今日は「メンター制度」の話

今日はですね。メンター制度に関するお話をしてみたいと思います。

今日ですね。ある会社さんの「メンターの関わり方」に関する研修をさせていただいたんですよね。

メンター制度というのは、一言で言えば「斜めの関係」を社内でつくる……という言い方になるかなと思います。

「縦」と「斜め」の関係

斜めの関係の話をする前に、「縦の関係」の話をしたいと思うんですけど、会社では一般的に、縦の関係……つまり、上司とメンバー(部下という言い方でもいいですが)という関係性の中で、上司が指示や命令をして、メンバーが仕事をする、という形で仕事をしていきますよね。

もちろん、そういう関係性の中で仕事をしていくことは、悪いことではないのですが、若手社員からすると、ややもすると、直属の上司には「なかなか本音を言えない」こともありますよね。

また、OJT(On-the-job training)も重要ですが、OJTの場合、上司のレベル感によっては、丸投げされているような感じがしたり、放置されているような感じがあったり。そういった課題感から、メンター制度を用いる企業があります。

先ほどもお話したように、メンター制度は「斜めの関係」です。直属のその上司ではない先輩社員が、後輩社員の話を聞いたり、相談にのったり、メンタル面でのフォローしたり。そういった関係性ということになります。

先輩社員が「若手社員のロールモデル」に

メンター制度について、その会社さんでは、制度設計はその会社さんでされて、僕は「先輩社員がメンターとして、後輩社員にどう関わるのか」とか、「相談にのる上で、どのようにスケジューリングしたり、どのぐらいの頻度で話を聞くのか」といった、主にコミュニケーションの部分に関してお話をさせていただいています。

その会社さんとは数年の関わりがありますが、メンタリングの「制度」と「どうやって関わるのか」は、別のとらえ方が必要です。

先輩社員と後輩社員――特にいまだったら、新入社員――との関わり方の中で、若手社員が「先輩社員がよい関わり方をしてくれる」と感じたり、先輩社員が若手社員から「あんな先輩になりたい」と思われる(ロールモデルになる)ためには、コミュニケーションスキって大事だと思うんですよね。

そこで、メンターとしてのコミュニケーションスキルやあり方について、お話をさせていただきました。

メンター制度に関する、厚生労働省の情報

ちなみに、Googleで「メンター 制度」と検索すると、厚生労働省の「メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル」がトップに出てきます。

サブタイトルに「女性社員の活躍を推進するため」と付いていますが、必ずしも女性社員だけではないと、僕は思ってます。

でも、この資料で「メンター制度とは、そもそもどういったもので」「どんな風にしていけばいいのか」についての大筋は、厚生労働省が出されている資料を見ると、なんとなくお分かりいただけるような気がします。

制度をつくったはいいけれど……関わり方の「理想と現実」

メンター制度に関わらず、若手社員を支援するためには「話を聞くのが大事だよ」みたいなことが、よく言われますよね。

ですが、実際には、この「話を聞く」というのは、実際に練習してみないと案外難しかったりします。

なので、メンター制度みたいなものを設けるためには、メンター側の、コミュニケーションに関するスキルトレーニングも大事なんじゃないかと思います。

メンティが、次のロールモデルになる

あとですね。今日、研修参加者の話を聞いていて、「これって、いいな」と思うシーンがありました。

メンタリングには大きく分けると2つの役割の人が登場します。ひとりはメンター。つまり、後輩社員を支援する側です。もうひとりはメンティ。つまり、支援される側です。

メンター制度のような取り組みを数年やっていると、いままでメンティーだった人―つまり、新入社員や若手社員――が、数年立つと、今度はメンターになります。

今回は、このような「かつてはメンティだった人が、新たにメンターになる」方が数人いらっしゃったのですが、そういった参加者から、どんな声があったかっていうと「わたしはいままで、メンティでした。今回、メンターになる上で、自分がメンティーだった時に、メンターからされたような関わり方をしてあげたい」といった声が、結構あったんですよね。

いままでメンティだった若手社員が、今度は「メンターからされたような関わり方をしてあげたい」と思う……ということは、メンティときに、メンターから関わってもらった経験が「よかった」と思っているからですよね。つまり、メンティにとって、メンターがロールモデルになっているわけですよね。

これって、会社をよりよくしていくためには、すごく重要な視点だと思うんですよ。単に一過性で制度導入するのではなく、長期的な視点でみると、いままでメンティーだった若手社員のみなさんが、メンターになっていくわけじゃないですか。つまり、成長しているってことですよね。

しかも、「将来、ああいう風になりたい」っていう先輩社員の存在がロールモデルとなって、今度は若手社員が、自身のキャリアを考えていく。それが、次の若い世代につながっていく……。こういった、先輩社員の存在は重要だし、次の世代の社員のキャリア形成という観点でも、大切だと思います。

現代は、「どんなキャリアを築いていったらいいのかわからない」「このまま、この会社にいて大丈夫なのかな?」って思っている若手世代が多くいます。その結果、ちゃんと支援していかないと離職する恐れがあります。

ですが、「あんな先輩になりたい」というロールモデルがいれば、自分の、未来のキャリアのイメージがわくじゃないですか。「あんな風になりたい」と。

ですから、メンター制度のような関わり方や、ロールモデルの存在っていうのは、とても大切なんじゃないかと思いました。

じゃあ、今日の話はこれで終わりにします。じゃあね。バイバ~イ!

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