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#327 地域活性化における「若い人」という制約は必要か?

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織作りやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。この番組が面白かった。あるいは、参考になったらフォロー・コメントなどいただけると嬉しいです。


地域活性化における「若い人」という制約は見直してもいいのかも?

今日はですね。地域活性化における「人」の話をしてみたいと思うんです。テーマはですね。「なぜ、地方は『若い人に来てほしい』と言いたがるのか」。

「言いたがる」という言葉は、あまり適切ではないですね。決してポジティブな言い方ではないので、もうちょっと違う言い方のほうが適切だなと思います。

けれども、今回はあえて「言いたがるのか」、というテーマで話してみようと思います。

なぜならば、問題提起……とまで言うつもりないんですけど、「ちょっと、考えてみてほしい」という思いがあります。

結構な割合で出てくる「若い人」という言葉

なぜ今日、「なぜ、地方は『若い人に来てほしい』と言いたがるのか」というテーマを選んだのか? というと、今日、地域活性化に関する話をする機会があったんですよね。

地域活性化というと、さまざまな取り組みをしている方々がいらっしゃいます。行政機関であるとか、地域の中で活動してる人とか、いろんな立場の方がいらっしゃると思います。

地域活性化の話をすると、結構は割合で、言葉の中に「若い人に来てほしい」という言葉が含まれることが多いんですよね。

なぜ、「若い人」に限定するのか?

なぜ、「若い人に来てほしいのか?」と言うと、いろんな文脈はあると思うんですよ。

たとえば、「若い人の方が、柔軟である」とか、「若い人の方が、新たな発想をしてくれそう」とか、「若い人の方が、長くいてくれたらいい」とか、「若い人の方が、ひょっとしたら子どもを産んでくれるんじゃないか」とか、「若い人の方が、地域の人と結婚して、そこに定住してくれたら人口が増えるんじゃないか?」とか。

とにかく、「若い方がいい」というのがあると思うんですよ。

ただね。これ僕、企業とかで、世代の多様性……つまり、エイジダイバーシティに関する話をしているっていうのもあるんですけど、「なぜ、若い人に限定するのかな?」っていう疑問があるんですよ。

企業の採用で考えてみる

それはね。企業の採用を考えてもらったら、すごく簡単な話だと思うんですけど、企業で人材を採用する時に「若いから」っていう理由だけで採用することはないですよね。

企業で人を採用するんだとしたら「〇〇ができる人」とか。

もちろん、そこにはある程度年齢もあるかもしれませんけど、単に「若いから」っていうだけで採用はしないですよね。

逆に、年齢だけで採用するんだったら、ちょっと問題がありますよね。「若い」というイメージだけで採用していいのか? ってなります。

たとえば、年齢だけが採用の理由だったら、「若い方が体が動くから」みたいな、そういう感じになっちゃうと思います。それは、ちょっと問題。

でも、それが地域のことになると、なぜか「若い人」という言葉があふれます。

「若い」だけではない「何か」

では、なぜ、企業の場合は「若いから」だけが判断基準にならないかというと、そこに戦略というか、「今後、〇〇をしたいから」とか、「こういう人が必要だから」とか、戦略から生まれる「こういう人に来てほしい」という、ある程度の基準がありますよね。

一方で、地域活性化の場合は、それがないんじゃないかと思うんです。つまり「何のために来てほしいのか?」という部分がない。だから「とりあえず来てほしい」「それならば、若い人!」という感じなんじゃないか、と。

その気持ちは、とてもよくわかります。僕は、自分がおっさんだから、別に「おっさん」て言ってもいいと思いますが、「おっさんか、それとも、若い人か」だったら、そりゃあ、来てほしいのは若い人でしょうね。勢いもあるし、アイデアなんかも出してくれるかもしれないし、みたいな。

そういった理由で、「若い人に来てほしい」と言っているケースがほとんどじゃないかと思うんですよ。

だけど、「若きゃいいのか?」というところもあるんじゃないか? と思っていて。

たとえば、僕が採用する場合もそうだろうし、いっしょに仕事をする場合もそうだろうし、関わる場合もそうですが、僕の場合だったら、そうだなぁ……。

何か、いっしょにやるんだったら、いろいろと、いっしょに考えられたらいいし、前向きな言動してくれる人のほうがうれしい。

アイデアを持っているかどうかは、どっちでもいいかな。なぜならば、アイデアというのは、そこにある課題認識から、「どうしたら、これが解決できるか?」という気づきや発見、自発性みたいなところが、本来は重要だから。

あとは、単に勢いだけでグイグイ行ってもうまくいかないケースもあります。「周囲との関係の構築ができるか」とか、「コミュニケーション能力があるか」とか。

人を採用するんだったら、そういった観点で見ますよね。

まあ、移住する/しないみたいな話だったら、自由に移住したらいいと思うんですけど、なにかを「いっしょにやろう」という人を募るんだったら、「若い」というフィルターをそこに挟むか? といったら「どうなんだろう?」って、最近よく思うんですよね。

若くなくたって、さまざまな能力がある人、経験がある人、柔軟な人はたくさんいるわけだから。

そういう意味でも、「地域を活性化したい」「新たな関係性を作りたい」というのであれば、年齢というフィルターはちょっと置いておいて、「どんな人に来て欲しいのか?」――言い方を変えると、そこには地域側の戦略的なものが、実は重要なんじゃないか? という感じがしました。

「若い人に来てほしい」という気持ちもわかるんですよ。すごいわかるんだけど、若い人だけに目が向いているケースがよくあるので、それは、「ちょっと問い直した方がいいんじゃないかな?」という気がしたので、今日はそんな話をしてみました。

じゃあ今日の話はこれで終わりにします。じゃあね、バイバ~イ!

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