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#371 頭で考えているほど簡単じゃないキャリア自律。いかに一歩踏み出すか?

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。この番組が面白かった、あるいは参考になったらフォロー・コメントなどいただけると嬉しいです。

今日はですね……この話を、こういう言い方で話してもいいのか、悪いのか……と思いながら。でも、事実としてあると思うので、話してみたいと思います。

今日のテーマは「キャリ自立は、頭で考えているほど簡単じゃない」という問題です。

自分のキャリアに悩むキャリアコンサルタント

僕の知人でですね。いま、キャリアコンサルタントの資格を取っている方が、身近な方で2人、いるんですよね。いま、まさに講義中らしいんですよ。

で、その方が、こんな話をしていたんです。

その方は、いま、キャリアコンサルタントの講義を全部聞いて、それから、いろんなディスカッションをしているらしいんですよね。その中で、キャリアコンサルタントの勉強をしたはいいのだけど、その、キャリアコンサルタントの人たちが「今後、どうやってキャリアを形成していけばいいのか?」ということに悩んでいる……っていう話だったんですよね。

キャリアコンサルタントというのは、言ってみれば、第三者のキャリアに対して、いろんな悩みを聞いたり、場合によってはアドバイスをしたり、選択肢を示したりするのが、仕事だと思います。

一方で、自身がそういった経験がなければ、なかなかアドバイスができない……そういうものかもしれません。

僕の「資格を取ったけれど、何もできなかった経験」

なぜ、こういう話をするかというと……僕自身にも、まったく似たような経験があるからなんです。大きく分けて2 つの経験があります。

1つ目が、僕が起業した時の話ですね。

僕、起業する前、いろんな準備をして起業したんですよね。たとえば、お金の計算ができるようにするために、簿記の資格を取ったり。

あと、僕は最初、IT関係で起業したんですよ。いや、起業っていうほどのものじゃなくて、個人事業主で仕事を始めた……っていうだけなんですけどね。その時に、僕はプログラマー上がりで、技術的な知識や経験しかなかったので、もしも、ちゃんと仕事をしていくなら「資格がないと、仕事を作っていくのが難しいな」と思って、資格を取ろうと思ったんですよね。

で、ITコーディネータという、経産省が推奨しているITのコンサルタント資格を取ったんです。

「資格はあっても、仕事はできない」現実

さて、資格は取りました。でも「じゃあ、どうやって仕事を作っていけばいいのか?」っていうのはわかんなくて。

それで当時、コンサルタントとか士業の人たちが集まる、ビジネスのイベントに行ったことがあるんですよね。

そこに集まっていた人は、僕みたいにITコーディネータという資格の人もいれば、もっとすごい資格を持ってる人もたくさんいたんですよ。中小企業診断士とか、税理士とかね。他にも、もっとすごい資格を持っていた人たちがたくさんいました。

でも、ふと思ったんです。中小企業診断士とか、税理士とかって、経営の専門家ですよね。ITコーディネータも、「ITで経営を支援する」という資格だから、本当は僕自身が、自分自身の経営なり、ビジネスなりを自分で分析・診断できなければいけないんじゃないかな? って思うんです。

だけど、僕自身がそうだったように、士業やコンサルタントの専門家の人たちが、「そもそも、自分のビジネスをうまく軌道に乗せられない」という状況だったから、多分、そこにいたんだと思うんですよね。

ふと、その事実に気づいたときに、なんか、すごいモヤモヤしたんですよね。

資格だけじゃ、何もできない

もう1つの経験は、ITのコンサルタント資格を取った後に、ちょうど「相談にのって欲しい」って言われたことがあって、お客さんのところに行ったことがあったんですよ。で、いろんな話や困りごと聞いたんです。

だけど……正直、何のアドバイスもできなかったんですよ。

その時、僕は痛感したんです。「資格だけじゃ、何もできないんだな」っていう事実を。

だからといって、キャリアコンサルタントの方々がどうだとか、そういったことを言いたいわけではないんです。僕自身がそうだったから。

だけど、実際にキャリアを形成していくときというのは、「資格があるから」とか、「理論ではこうだから」といったものではないんじゃないか? という気がするんです。

間違わないでほしいのは、「だから、資格なんていらない」と言いたいわけではないんです。資格を取ることも、とても大切です。

加えて、自分自身でいろいろ経験してみる。そして、経験の中で掴んだものとか、学びや発見、気づき……そういったものを提供していくことが、コンサルタントなんじゃないかと思います。

もっとも、その人が何を選択し、何を選ぶのかは、最終的には相手が決めることなので、背中を押すことしかできないんですけどね、しょせん。

諦めずに「いかに、一歩踏み出すか」

ですが、「頭で考えているほど、簡単じゃないよね」というのが、僕らが関わっている仕事だと思うんです。資格があるから、できるものではない……っていうのが、実際のところだと思います。

でも、そういった環境の中でも、諦めずに「いかに、一歩踏み出すか」どうか。自分自身も悩みながら、いかに経験値を重ねていけるかどうか。その一歩を「どう踏み出すか?」ということのほうが、多分、大事なんじゃないかな、と思うんですよね。

だから、キャリア自律も、言うほど簡単ではないけれど、いま、すごく必要になってきているっていう、この矛盾を、どう解決していくか……というのが、いまの、大きな課題なんじゃないかなと思います。

というわけで、今日の話はこれで終わりにしたいと思います。じゃあね、バイバ~イ!

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