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映画「セレニティー平穏の海」Netflixオリジナル

いつもOTIO pressをご覧いただきありがとうございます。

今回より定期的に映画レビューを書こうと思っています。
ジャンル問わず面白かった作品について、色んな角度から考察したいと考えているのでよろしくお願いします。

基本的にネタバレはしたくないですけど、''言いたい部分''を伝えるために触れないと言えないところもあるかと思うので、その場合はネタバレありと書きますね。

今日はNetflixオリジナル映画「セレニティー 平穏の海」を考察したいと思います。

1.概要

「インターステラー」で共演したマシュー・マコノヘイとアン・ハサウェイが再びコンビを組んだ作品です。

Netflixに書いてあるあらすじはこんな感じです。

過去を捨て海釣り船の船長をしている男が、突然現れた元妻に暴力を振る現夫を殺してほしいと頼まれる。この依頼、受けるべきか、断るべきか…

うん、全然面白くなさそう!と僕は思ったのですが、観る映画を選ぶときに俳優ベースで選ぶことがわりと多めなので、このときも「インターステラー」が面白かっただけに「この二人が再共演!」というだけでポチっと再生ボタンを押してしまいました。(それと僕は7年くらいアンハサウェイを待ち受けにしている。大ファン。)

ですがですが、なかなかの社会派。
強めのメッセージが込められた、考えさせられる系映画でございました。

もう少し詳しく、冒頭のシーンはこんな感じ。

海の真ん中。釣り客のために船に竿をセットして引きを待つ主人公の男。
1つの竿に引きが来ると、異常な反応を示す。釣り客が「700ドル払ったんだぞ!」と竿を渡すように迫るが、男はナイフを取り出し「下がってろ!」の一点張り。「俺には感じる。あいつだ。」と竿を離さず猟奇的な目で獲物を釣ろうとする…

うん、まだ、面白くなさそうですよね。笑

もうちょっと付け加えると、カテゴリーとしてはスリラー?ミステリー。
男のもとに元妻が現れ、男はそれをきっかけにプリマス島全体に何かが起きていると異変を感じはじめる。物語が進むにつれてそれらの異変、点と点たちが、ぐぐーーっと結ばれていく。といった感じでしょうか。

2.ポイント ※ちょっと内容ネタバレありです。

①伏線

・なかなか釣れない大物。
・いつも島にそぐわないスーツ姿で主人公を見つめる男。
・いつもひっかかるT字路の信号機。
・いつも同じ席に座る老人。
・いつもパソコンに向かっている息子。
・「プリマス島では皆が知っている。」というフレーズ。

と、絶対に意味ありげな伏線が冒頭から散りばめられまくっています。「このシーン、後から回収いたしますので。」と言わんばかりの描写で少し苛立ちますが。笑

仕掛けがやけに大げさで気になって物語に集中できなくなるので少し残念。
僕の好みとしては見終わってから「あ、あのシーンて伏線だったんだぁ。」と、最後に気付く自然な仕掛けの方が集中して最後まで観れて凄い!面白い!となるので、好きです。(知らんがな。ですね。)

②マシュー・マコノヘイとアン・ハサウェイ

マシューさんはとにかく渋い。英語のアクセントも独特だし、話し方、歩き方、鍛えられた体、かっちょいいです。

アンハサウェイはもう綺麗の一言。「プラダを着た悪魔」では様々な洋服を着てほんとに可愛かったですが、年齢と経験を重ねて綺麗な大人の女性になってきたという感じです。

3.感想 ※完全ネタバレバレ含みます。


冒頭から散りばめられた伏線ですが、主人公の息子がプログラムして作り上げたゲームだというところで繋がりますね。
それ自体はわりと早めに気付いたのですが、さらにもう1つ奥に、家庭内虐待ストレス消化の場所になっているインターネット。というメッセージが込められていると思いました。

先日、母親に虐待を受けている男の子の映像が長男によりSNSで発信され、事件の発覚に繋がるということがありましたね。

公衆からは隠れた場所で傷ついている人がたくさんいるかもしれない。その捌け口としてインターネットが存在し、多くの人が訴えかけつづけているのかもしれません。

現代の社会問題をテーマに、僕らにとって当たり前になったインターネットを通して発信しつつ、物語としても登場人物たちの心情を絶妙に描写するセリフがあったり、最後のオチまでしっかりと作られた作品だと思いました。

この映画の内容が実社会で起きてもおかしくないし、とてもリアルな話。

この映画を観て、いつもよりもう少し社会問題について考えてみるのもいいかもしれません。
Netflix、メッセージ強めの作品が多い!

皆さんもぜひ。
また次の機会に。

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