『AUTOMAN』1巻−vol.03 2月のマンガ・リハビリ・エクササイズ②
最近マンガ読まなくなったけど、月に5冊キンドルで買って読もうのコーナーマンガリハビリ。2月の面白かったマンガ紹介パート②。『AUTOMAN』について。について。
『AUTO MAN』1巻 柞刈湯葉/講談社・コミックdays
『生と死のキョウカイ』1巻
小倉孝俊/集英社・となりのヤングジャンプ
『メタモルフォーゼの縁側』1巻
鶴谷香央理/KADOKAWA・コミックNewtype
『アトムザ・ビギニング』2巻
コンセプトワークス:ゆうきまさみ、漫画:カサハラテツロー/小学舘クリエイティブ・ヒーローズコミックス
『アマゾネスキス』1巻
意志強ナツ子/リイド社・トーチweb
どうやら近未来モノを得意としている著書のようで、今作は「自動者」、と呼ばれるロボットというのか人形というのか、が産業用機械として流通している日本の話になっている。トヨタをモチーフにしたような愛知県のミカワ自動者工業で働く、安全調査班の日々を描く。
ひとがたの機械が産業用途で流通している世界といえば、僕たちはゆうきまさみ『機動警察パトレイバー』を思い出さずにはいられない。そもそも僕がこのマンガを手に取ったのもそれが理由だ。実際に読んでみて面白いと感じたのもその期待に応えるマンガだったからであり、続巻を楽しみに思うのはパトレイバーとの違うポイントにわくわくしているからだ。
パトレイバーは産業用ロボットを操る警察官たちの物語でアクションシーンが多い。そして魅力的なキャラクターやレイバーが流通した世の中の仕組みや経済が掘り下げられるところに物語の深みを感じる。一方、このマンガはアクションマンガではない。世界観と人間ドラマに重点が置かれている。パトレイバーでもレイバーに仕事を奪われる労働者による事件が描かれることがあったが、この物語はそこにフォーカスしていくような描かれ方だ。
この物語は当面は、安全調査班の新入社員・配島(配には草冠がつく)の目線に合わせて進むと思われる。ただ物語の大きなファクターは、調査班の一員である秋川の復讐劇と、ミカワ自動者の競合である海外企業・チャペック社との争いの二つと思われる。個人的には前者に終始するかたちだとこじんまりしたなんとなく見たことのある物語になりそうだが、後者の方向性で大きく広がれば、パトレイバーでは控えめに描かれた部分で可能性がありそうだ。
パトレイバーが掲載紙やジャンル的な意味であえてあまり詳細に描きすぎなかったところをきっちりと描いていってほしい。