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伝統芸能(詩吟)の活性化に必要なのは「詳しい専門家」よりも「普通の人」である3つの理由

​​heyheyです。

​​詩吟の活性化のために日々発信活動をしていると「〇〇は違う」とか「厳密にいえば〇〇ではないのでは?」といったコメントをもらうことがあります。

それらの専門的な指摘はごもっともであり、僕の雑な性格が一因ともいえるのですが、その一方で「詩吟を活性化させたい!」という僕の行動方針においては重要ではないよなぁと感じます。

​​それよりも普通目線の「〇〇って何ですか?」という質問とか、「もっと〇〇を見せたらいいと思います!」的なアドバイスの方がはるかにありがたいのです。

​​ということで、「伝統芸能(詩吟)の活性化に必要なのは詳しい専門家よりも普通の人である3つの理由」というテーマでお話しします。

①鍛えれば鍛えるほど普通の感覚を忘れるから

​​「普通の人の普通の感覚」って、その辺にありふれているように思えますが、伝統芸能業界では、こと詩吟業界においては、本当に重要度が高く大切にすべきことです。

​​なぜなら、吟を鍛えれば鍛えるほど、その業界に長くいることになり、普通の人の感覚を忘れていくからです。

​​「あれ?習い始めのころに困ったことってなんだったっけ?」
​​「詩吟に興味ある人がハードルに感じていたことってなんだったっけ?」

​​この感覚が分からないのに、教室に人を呼び寄せることなんてできません。

​​「詩吟教室」で検索してみると分かりますが、普通の人の視点に立った詩吟教室のサイトは非常に少ないです。

せっかく興味を持ってもらっても、検索してロクな情報が無ければ始めることができません。とてももったいないことです。

②人口ピラミッドが崩壊していて普通の人がマイノリティだから

​​また、詩吟業界の人口ピラミッドにおいても、普通の人というのは貴重な存在です。

​​通常、例えばサッカーとかバスケなどは人口ピラミッドは「山型」です。経歴が短い人ほど多く、長い人・上手な人ほど少ない、というものです。

​​一方で詩吟業界の場合はというと(ちゃんとした統計データがないのでそこを突っ込まれると弱いのは承知の上で)「高層ビル」のような形です。

​​新しく始める人や経歴の短い人は決して多くなく、逆に何十年も続けている大ベテランがしっかり残っているからです。

​​もちろん、経歴が長くてスキルが高い人ほど存在感が大きいので、結果的に「普通の人」はマイノリティになり、その意見は反映されにくくなります。

​​③普通の人の感覚≒マーケット感覚であり、市場で鍛えないと身に付かないから

​​普通の人の感覚は、普通の人が持ち合わせているものですが、それを客観的に認識して言語化して活用できるようになるのはそう簡単ではありません。

​​僕は「普通の人の感覚」とは「マーケット感覚」に近いと思っています。

​​「マーケット感覚」という言葉は、有名な社会はブロガー「ちきりん」さんの著書である「マーケット感覚を鍛えよう」で作られた言葉です。

超ざっくりいうと「市場において何に価値があるのかを見極めるスキル」です。
​​例えば金の価値が分からないひとは、金の延べ棒を漬物石にするかもしれません。

​​この本の中では、コロナ禍に入る前に「ANAの競合はテレビ会議システムだ」と予言していたことでも有名で、マーケット感覚を鍛えることがどれだけ重要なのかが書かれています。

マーケット感覚を鍛えるには、市場に出て当事者になることが欠かせません。

つまり、商品を作って売って対価を得るとか、SNSやYouTubeで発信して大きな認知を獲得する、といったことなどです。コンサートで収益を得ることも大事ですね。

こと詩吟業界においては、なぜか「詩吟で稼ぐ」という視点がすっぽり抜け落ちているように思います。

めちゃくちゃ素晴らしい吟詠が聞けるのに、入場料が無料なことが本当に多い…!!!
本来ならば、しっかりと高い金額を設定して、業界以外の人がどれだけ購入してくれたかを判断基準にして評価することこそ大事なのに。

​​良いモノを安く、という時代ではないのです。

​​むしろ、一般の詩吟の大会こそオープンにして真剣な詩吟の様子を気軽に見れるようにしつつ、コンサートの方をしっかり有料にして、その収益を詩吟業界に還元する方が健全。上手くなったのに稼げないなんて持続的じゃないです。

​​このような状況なので、詩吟業界の人は市場での経験値が少なく、マーケット感覚もとい普通の感覚が鍛えられていないため、新しい人を呼び寄せることができず、衰退を止められていない、というのが僕の意見です。



YouTubeで配信を続けていると、どれだけ「普通の人」の感覚が重要なのか痛感します。自分が話したいことを話しても、人は聴いてくれません。相手が聞きたいことや相手にとって価値があると思うことを提供することが必要不可欠なのです。

​​それなのに、この業界は専門家ばかりが多く、普通の人の感覚を持った人が少ないので、今日はこのようなテーマにしました。

​​相変わらず敵を作っているような気もしますが(笑)、業界に一石を投じる意味で発信を続けていきます!おわり。

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