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詩吟の"間合いの取り方"には「3つのレベル」がある、という話

詩吟をより良くするためには「骨組み」と「肉付け」の2つの要素を理解することが大切です。骨組みとは発声、発音、アクセント、音程といった基本的な部分を指し、肉付けは間合い、緩急、強弱などの表現要素です。

今回はこの肉付けの一部である「間合い」に焦点を当て、その取り方について説明します。


間合いとは何か

間合いとは、言葉と言葉の間にある空白の時間の長さを指します。この間合いをどのように取るかが詩吟の質を大きく左右します。間合いの取り方には3つのレベルがあります。

レベル1:均等な間合い

レベル1はすべての間合いを均等に取ることです。これは非常にシンプルな方法ですが、意識して均等に取ることが重要です。

録音して自分の吟を確認すると、不均一な間合いが多いことに気付くでしょう。均等な間合いを取る練習は、適当にやってはダメなのです。録音して、聞き返して、自分の吟を客観的に聴いて、間合いを認識して、その上で均等な間合いになるようにしていくというステップが必要です。

ここを蔑ろにしてしまうと、間合いを意識できていないということになりますので、次のレベルには進めません。自分を過信するべからず!ですね😆

レベル2:短い間合いと長い間合いの使い分け

レベル2は、短い間合いと長い間合いを使い分けることです。短い間合いは意味が繋がる部分で使用し、長い間合いは息継ぎやシーンの切り替え時に使用します。

具体的には、転句の前にたっぷり息を吸う、盛り上がる大揺りの手前でたっぷり間を取るといった感じです。逆に、文章として続いている箇所や、勢いが止まらないような場所においては短い間合いを入れます。

漢詩が書かれたノートには「長」と「短」のマークを書き込んでいけばそれでOKですね。

大事なのは、自分自身が波を感じられるかどうか。勢いや流れを感じられるかどうかです。ここの感覚を磨くことができたなら、次のレベル3に進むことができます。

レベル3:全ての間合いに意味を持たせる

レベル3は、全ての間合いに意味を持たせることです。詩文の意味を理解し、それに基づいて間合いを取ることが求められます。間合いの長さや短さに対する説明を自分なりに言語化し、吟じる際に意識することで、詩吟の芸術性を高めることができます。

長い間合いにも大小がありますし、短い間合いにも大小があります。
本来、間合いとは千差万別なのです。しかし、最初からそれに取り組もうとすると混乱してしまい、かえって非効率な練習になってしまいます。だから、レベル1、レベル2と順番に進めていくのが良いと僕は考えています。

「意味を持たせる」といっても、最初は自分なりにウンチクを語ることができれば良いです。「ここは盛り上げ所だからたっぷり間をとる」「ここは文章的にはつなげたいけれど、じっくりした雰囲気を見せたいから気持ち長めにとる」などなど。正解を求めなくてよくて、まずは自分なりに語ることが出来れば良いと思っています。

それを踏まえて実際に吟じてみて、吟が一層彩り豊かになれば良いですし、違和感が強ければ、別の考え(仮説)を試してみると良いでしょう。そういう試行錯誤の末に、詩吟という芸術が出来上がっていきます。

と、こんなに偉そうなことを言っていますが、僕自身はレベル2とレベル3の間くらいな気がします(苦笑)
なので、一緒に長い長い吟道を歩んでいきましょう!!!😆


本日の内容は、こちらのYouTubeでも聴けます。

ではでは、最後まで読んで下さってありがとうございました!ばいばい!!

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