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石田三成は古くからのUXデザイナーであった

こんな本を買いました。

会津大学でプログラム書いてる学生です。アウトプットのために色々書きます。

前提として

「本をわかりやすくまとめよう!」とかではなく「せっかく読んだし面白かったとこまとめとくか」と思ってSlackに書いたら、友人に「それブログとかにかいてまとめといたら」とか言われたので、ここにコピペしてもってきたやつです。

UXデザインとかデザイン思考をある程度知っている人であれば「あ〜〜そういうことね」みたいになると思います。
以下おもしろそうな部分のまとめです。

新時代の注射体験の例

- 「子供が注射器を怖がるから、怖がらないようにできないだろうか」からスタートし、最初は「子どもたちは注射の何を怖がっているのか」を観察した。
- 子どもたちは「注射のすべて」を怖がっていたようで、注射器の見た目形を変更し、「医者が針を押し込む」という体験自体も変えた。
まず、「注射器の記号を取り払う」ために従来の透明な筒、メモリ、針などを見えないようにし画像のような「怖くないけど真面目な印象の箱型」に変更した。
- 「医者が針を押し込む」というアクションを「子供が自分でボタンを押して針を注射する」に変更した。子供は「針の深さ・刺さるスピード・液の注射速度」などを自分で選択できる機能により、「自分で選択した」という意識から心理学的に痛みが軽減されるそうな。

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自信とは、根拠のないものである

「主観」には数字や前例、実績と言った根拠が無くて良い。
なぜなら、主観に根拠があったらそれはもう「客観」であるからだ。
根拠がないからこそ「自分を信じる」という、「自信」の話になる。

視点三原色

デザイン思考が目指すのは「人のニーズからスタートした大発明」なのだが、ただ人のニーズさえ満たせばいいというものではない。以下の三つの要素が重なっていることが重要。
人間中心…本当は何を欲しているのか?潜在的にどんな課題があるのか?
ビジネスモデル…実現可能か?持続可能か?儲かるか?
テクノロジー…今どんな技術が生まれているか?それらをどう活用できるか?…今どんな技術が生まれているか?それらをどう活用できるか?

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快楽に忠実に観察する

デザイン思考の「観察」のプロセスでは、「ふつう」の中にヒントが隠れている場合が多くさらりと流してしまいがち。
そこで「快・不快」に着目すること。「ふつう」の中の心の動きに気づき言語化することが、手軽なデザイン思考のトレーニングらしい。

変態を狙え!

リサーチにおいて、たいがい普通の人はとくに不満や要望がなく、「あったらいいな」みたいな現実的で潜在的なニーズのことが多い。
そこで「変態」を狙います。
変態は、モノを開発者の思いもよらない使い方をしていることがあります。それは、そのプロダクトに関する隠されたニーズを発見することが出来るのです。極端なユーザーであるほど、明確な意見や要望を持っていることが多く、質の高いリサーチができる。

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ポストイットを買え

ブレスト7か条
1. トピックに忠実であれ
2. ぶっ飛んでよし
3. すぐに判断・否定するなかれ
4. 会話は一人ずつ
5. 質より量を
6. 他者のアイデアを広げよ
7. 描け!視覚的であれ!
便利ですよ

ポストイット使用例

情報やアイデアを共有するための「ポストイットの場所」をつくっておく。これは壁だろうと部屋だろうと何でもいいが、誰でも見れるかつ立ち入り自由であることが大切。メンバーが常に同じ情報を共有できる、また、プロセスや進捗がわかる、可視化されているため全体像をつかむのが楽などの利点がある。

ユーザー像のラベル分け

ユーザー像を考える時に「どんなふうに考え、行動するか」の性質で考えてみるとよい。
画像の例では3つの人間にユーザーを分けている。
1. 自分から行動する人間
2. 道を提示されると自分から行動する人間
3. ガイドがいれば行動する人間
こうして分けることにより、行動やお金に対するパターンが想像しやすくなる。(デメリットとしてはふわっとしているので何人いるみたいなデータがなく、説得しづらい。)

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ピクトグラム君誕生秘話

1964年の東京オリンピックで生まれたものが
- タクシーの自動開閉ドア
- ピクトグラム
- ユニットバス
らしい。知らなかった。(定かではないので詳しく知りたかったらググりましょう)

プロフェッショナル^n

デザイン思考では「各分野のプロフェッショナルが集まるけど、分業はしない」ということが大切。
各分野のプロフェッショナルに求めるものは「専門的な技術」というより「多様な視点」です。ひとつの課題に対して多くの視点からみることでアイデアを練ることが目的です。
また、「全員がすべてのフェーズで当事者意識を持てる」ということもあり、「自分が決めた・考えた・見つけた」という興奮が得られ続ける(注射器の例みたいだね)というメリットもある。(デメリットとしては「それに関してはわかりません!」が許されないということでもある笑)

個人的にはプロフェッショナルが分業したら能力の足し算で「プロフェッショナル+プロフェッショナル+...=nプロフェッショナル」程度なものになってしまうが、分業せず能力を掛け合わせて多くの視点から見たら「プロフェッショナル^n=やばい」みたいなものになるんでは?みたいな解釈

チームセットアップ

それはチームですか?いいえ集まりです。
チームとしての認識を作るためのあれこれ。詳しくは調べてみて。
- プレフライト
- ミッドフライト
- ポストフライト
- チームアグリーメント
- ファイブダイナミック

ファイブダイナミックだけ面白そうだったから補足
得意・不得意を分析してくれるテストらしいが、モノづくりのフェーズのどこで気分が上がるかを教えてくれるっぽい。
Explore...プロジェクトを動かしはじめるフェーズ
Excite...テーマ・コンセプトを決めるフェーズ
Examine...調査するフェーズ
Execute...実行するフェーズ
チーム全体でやるとメンバーの気分の偏りとかが見れて、メンバーを新しくアサインするとかでカバーすることもできる。

「気分が上がらない」と言うと、甘えているようにも聞こえるでしょうか?でも、じつはこれ、意思ではどうにかできるものじゃない。責めても仕方がないことなんです。そこで、「足りないなら補えばいいじゃん」と建設的に考えるのがIDEOのチームビルディング、というわけです。

チームリーダー

デザイン思考のリーダーは予定調和にならないようにメンバーを導き、まだ見ぬ未来に先陣を切って突き進む」役割。かっこいいっすね。

理想としては、プロジェクトリーダーは自然に選ばることが一番理想。じゃあ「あの人はリーダーだ」と思われる人はどんな人なのか。「メンバーの能力を引き上げることが出来る人」らしい。

さまざまな能力を持っている個々のメンバーを、その人らしく最大限力が発揮できるよう、ギリギリまで自由にさせる。一方で、ぶっ飛んだアイデアに走りすぎたり、議論が横道に逸れたりしないように、流れを微調整していく。

加えてクライアントや上司との調整もリーダーの役目。「外交」的な役割ですが、これがいないとクライアントとの理解・共感が作れず、また上司から「わけのわからないアイデアが出てきた」なんでことになったりします。

「任務は遂行する」「部下も守る」
「両方」やんなくっちゃあならないってのが「幹部」のつらいところだな
覚悟はいいか?オレはできてる

パッションヌ

サミュエル・ラングレーという人間は、ハーバード大学に在籍し陸軍省から大きな投資も受け、人脈もあったため超エリートだらけのチームで飛行機開発を進めていました。一方「飛行機を飛ばそう!」というパッションが果てしなくヤバかったライト兄妹が、先に飛行機を飛ばすことに成功しました。
熱量勝負。最近の研究でも意思決定には「なぜやるのか?」の目的・理由付けが必要だと出されている。なので自分の、そしてチームのパフォーマンスを上げるためにも「なぜこれをやるのか?」を問い、パッションを共有することが大切らしい。

日本人デザイン思考最強説

旅館に行き、ご飯をたべてお腹いっぱいになって部屋にもどってきたらふかふかの布団が敷いてある。…これってあたりまえみたいに感じていますが、これこそ「人間中心」デザイン。人を徹底的に観察し、どうしたら人が喜んでくれるかを考え抜いたものです。

豊臣秀吉は鷹狩の帰り、喉の乾きを覚え、近くの寺に立ち寄った。寺の小姓は、まず大きな茶碗にぬるめのお茶を一杯入れて差し出した。秀吉はそれを一気に飲み干し、もう一杯所望した。小姓ははじめより小さな椀に、やや熱めにした茶を出した。秀吉がもう一杯求めると、熱く淹れた茶を出した…。

この小姓は後の石田三成らしいですね。喉の乾いた秀吉に飲みやすいぬるい茶を差し出し、次にちょっと熱めにして、その次は味わうための熱い茶を入れる…これも立派な人間中心デザインなのでは?

つまり石田三成は古くからのUXデザイナーであった。以上。

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