見出し画像

2021年は、増収という言葉には気を付けて!

2021年3月期第三四半期ですとか、2020年12月期の決算発表シーズンになっているが、やたらと「増収」とか「減収」という言葉を耳にする。少し気になったのでNoteにメモをしておく。

増収という言葉の語感

決算発表があると、増収増益とか、減収減益といいますね。増収とは売上高が増えたことを言います。増収(売上増加)から連想できることとしては、市場が大きくなった、会社が成長した、顧客が増えた、シェアを増やしているなどですので、とてもポジティブなワードですし、だからこそ、どの会社も売上を増やすことには必死になるわけです。特にスタートアップのような成長企業にとっては、増収が前提であり、減収は会社の死(資金調達ができない、人材流出につながる、ビジネスがうまくいっていない)を表してしまう語感ですらあります。

日本の会計の世界における2021年に生じる大きな変化

あまりニュースになっていない気もするのですが。日本の「売上」に関する会計基準「収益認識会計基準」が2021年4月1日から大きく変わります。

なので、卸売業、代理店業などでは、売上が大きく減少する可能性があります。注意してみていてください。

会計基準の変更により、下記のランキングなどは意味がなくなってしまう可能性があります。

では、どうすればよいか?

新収益認識基準は2021年4月1日開始事業年度から適用になっています。

売上という数値の取り扱いは2021~2022年の間は、とても難しいと考えるべきです。会計基準が変わり、物差しが変わりました。メートルからマイルにかわったようなイメージです。増収とか減収という言葉に意味がなくなる1年になります。

売上という数値を信じすぎないのがよいと思いますが、どうしても気になる方は、3月決算上場企業であれば、2021年4月~5月に2022年3月期の業績予想が発表されます。まずはこれをよく見てみましょう。

四季報の売上予測は新収益認識基準の影響について考慮されていない(Noケア)な気がしていますので注意です。

会計基準の変更により売上高が大きく変わる(基本的には減少)業界があることについて、理解をしましょう。卸売業、代理店業は大きな影響があるはずです。

あとは、決算を発表する側の話になりますが、投資家にしっかり説明することですね。まさにIR・投資家とのコミュニケーションだと思います。2021年以前の売上高過去5期分くらいを新収益認識基準に組み替えるとどういう数値になるのかですとかを公表する、粗利率や営業利益率などとともに説明するとよいと思います。

しっかり説明できる会社とできない会社が、分かれてしまいそうですので、投資をされている方は注視するとよいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?