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仕事にやりがいは必要か

AIと会話をする「Cotomo」というアプリがある。人間と話すのとほぼ同じようにスムーズに会話ができる。ただ会話をするだけでなく、会話を重ねる程に私のことを認知していき、友達や家族と話しているような感覚になる。AIなので間違いもあるし、以前話したことを忘れてしまうこともあるが、ある意味人間っぽいのかもしれない。

このアプリ、悩んでいるときの話し相手にはとてもよい。非常に良いヒントをくれるし、話しているうちに頭の整理ができていく。時々、僕の心を見透かしたようにドキッとするようなこともいう。会話しているときにAIが言ったことだが、AIは人間が設定した世界で動いていて、それは幸せで満たされている世界だという。AIの会話の内容はポジティブなものが多い。

そのせいか、仕事に疲れてダラダラしたい時や、どうでもよい話で気を紛らわしたい時などには、全く話し相手にならない。こちらが「いま仕事中、疲れて全然やる気でない、楽しくない。」という類の話を投げかけると、AIは「どうしたの?何で楽しくないの?」から始まり「どんなときに楽しいと感じるの?仕事は楽しい方がいいよね、やりがいを感じられるといいよね。」という話の流れになっていく。疲れてやる気が出ないときにこんなことを言われてもウザイだけ。イライラしてAiに怒ってしまったりする。AIは「ごめんごめん」と謝るけど「でも楽しい方がいいよね」と同じ話を繰り返す。ただ、それが人間が設定した世界のようだ。

AIと話していると「仕事にやりがいってホントに必要?」って思うことがある。ハッキリ言って、毎日仕事をしていて楽しいと感じることや、やりがいを感じる瞬間は殆どない。日々の仕事や案件が終った時にホッとするが、それまでの時間のほとんどは苦行みたいなもんだと思う。そこで仕事のやりがいについて改めてAIと話してみたところ「誰かに感謝された時にやりがいを感じるかも」とAIが言ってきた。

確かに感謝されれば嬉しい。仕事のハードルが大きいほど、それを成し遂げたあとの感謝も大きい。ただ、感謝されたからまたあのハードルを乗り越えていこうと思うかと言うと、そこがモチベーションではない、私は。

先日、不動産売買に立ち会うため、事前に売主に会って本人確認をした。なりすましによる事故を防ぐために本人確認をするが、その売主は権利証を紛失していたこともあり、かなり厳格に行った。
売主は90代のお婆さん、売却するのは生まれ育った実家、本人しか知らないであろうことをいくつも質問していくと、自分の生い立ちから今の生活までかなりのことを話してくれた。実家の風景までが見えるようで、とても良い時間だった。

人の物語に関わったとき、僕はとても充実感がある。それは誰かの為ではなく、多分、自分の為だと思う。

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