最強の常在菌を持つネコは人間の救世主になるかもしれない。
こんにちは。げーしーです。
雪の影響が各所で出ていますね、北海道でさえ雪のせいで電車が遅延するという事態。皆様も気をつけて下さい。
今日は”ネコの常在菌が役に立つかも”についてです。
少し聞き馴染みのない言葉もあると思いますがどうぞよろしくお願いします。
▲常在菌と耐性菌
今回の論文はアメリカのカリフォルニア大学で行われた実験になります。
内容はネコの常在菌がネズミの皮膚に発生した多剤耐性菌に効くのか?
と言う内容になります。
ここでのキーワードは”常在菌”と”多剤耐性菌”です。
〈常在菌〉
人間も含め生体と共存して存在する菌であり、時には他の菌からの侵食を防ぐ効果もあったりします。主に皮膚表面に分泌される皮脂腺などを栄養として過ごしています。
私達はこういった常在菌がいるからこそ普段からの細菌感染に対して免疫を持ち対抗できていると言っても過言ではありません。
〈多剤耐性菌〉
今ではよく耳にする抗生剤と言う言葉。そもそもは1920年代に発見されて使われ始めたのでその歴史は案外短いものです。元々は青カビから抽出された「ペニシリン」が最初になります。ドラマ「仁」でも重要な薬として扱われたのでご存知の方も多いかと思います。
そして約100年もの間に何十種類の抗生物質が生まれてきました。
それに負けじと細菌達も進化を続けて、抗生剤が効かない体を手に入れていきました。まさに人間と細菌の攻防の歴史とも言えます。
そんな中で生まれたのが”多剤耐性菌”。要するに抗生剤が中々効きにくい細菌と言う存在です。
近年ではこの多剤耐性菌による感染の重篤化で亡くなるケースもあり、今後も増えていくのではないかと言われています。
そんな問題になりつつある多剤耐性菌に効果があるのではないかと言うのがネコの常在菌として存在している、「S. felisC4」と言う常在菌です。
これをネコの皮膚から分離して培養します。そしてネズミの皮膚で増えた多剤耐性菌であるMRSPを同じ培地に投入します。
するとネコの常在菌である「S. felisC4」が多剤耐性菌のMRSPに対して殺菌能力があることが証明されたのです。
さらにこの「S. felisC4」を調べたところ4つの異なる抗生物質を作る遺伝子が組み込まれていることが判明したのです。
またこういった細菌感染のカウンターとなる細菌を持つネコと暮らしているだけでもその恩恵を預かれる可能性があるとこちらの論文で述べられています。
まさに毒を持って毒を制する。猫を飼っているだけで細菌による対抗手段が持てるとなるのも凄い話ですよね。
抗生剤が飽和状態で陳腐化する現代において特効薬になり得るかもしれない薬が、まさかネコから抽出されるかもなんて誰が考えたでしょうか!
まだまだペットの可能性は計り知れません!!
では。♪(´ε` )
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