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「俺はヒトからもらった冠で仕事をしてんじゃねえ!」

『ほぼ100%近くの企業が今回はリモートワーク、在宅勤務といった新しい勤務形態を導入し、既に半年以上経過している企業も出ています。この結果、「残留組」のシニアは、居心地の悪い職場環境を強いられることになりました。以下、シニアの声を紹介しましょう。○機械音痴の露見・「メールにうまくデータを添付できない」50代後半の人事総務系管理職「今までは本部から来た連絡メールは全て部下に指示して「一斉送信」してもらっていました。こちらで作成した資料や画像も部下に添付してもらって送信していたので、いきなり自宅から自分でやれなんて無理。画像なしで送られても困るとか、全然関係ない部門からお宅の部署から意味不明なメールが届いたとか、冷や汗の毎日です。怖くて得意先へのデータ送信は部下に全面的に依存するしかありません」・「パワポが使えない」50歳営業企画系の課長「Excel、PowerPoint等の基本的なソフトも自信ありません。今まで本社で『クオリティが高い』と評判だった私の企画書も、実はパワポに長けた部下に作らせていました。わざわざ自宅に部下を呼んで今まで通りゴーストライターさせるわけにもいかず、来期のプレゼンの報告が本当に憂鬱です」○コミュニケーション能力の問題の露見・「営業の仕方がわからなくなった」47歳営業所長「なんと言っても営業の極意は面と向かってのコミュニケーション、そう教えられ実践してきました。その結果、今のポジションに就いたのですが、今や電話しても先方は在宅勤務中で不在、嫌いでなかったアフター5の打ち合わせを兼ねた『飲みニケーション』も絶えて久しいです。電話越しだと、話題が見つからず杓子定規な会話しかできなくて、だんだん電話の回数も減ってしまいました」・「部下とコミュニケーションを取れなくなった」53歳販売部次長「元が体育会系なので一致団結、チームプレイが最優先で部下を率いてきたのですが、今では飲食店に入っても一つ置きの席で間延びしていますし、まず会話すること自体が制限されていますからランチもバラバラ。おまけに全員出社が禁じられたのでアフター5のコミュニケーションも出来ません。今更別のアプローチも出来ませんし、どうやって部員とのコミュニケーションをとればいいか、さっぱりわかりません」コロナ禍によって始まったリモートワークで、これまで続けてきた日常や、中間管理職が得意としてきた対面での仕事の全てが一気になくなった今、多くの中間管理職は、どんな生活を送っているかと言えば、終日自宅の居間で淡々とキーボードをたたき、画面を眺める。自宅の晩酌が増える、家族に煙たがられる…と、まさに八方ふさがりになっているのですが、それでも根が真面目な彼らは会社のことを心から心配しています。
・「管理職の役割を懸念し始めた」50代管理職(多数の部門共通)「終日の画面越しの会議やメールでのやり取りの恒常化で、部下の業務への取り組みや部内での個々の役割が見えてこない、このままの状態では正確な人事評価が難しい、査定する基準が実績のみに偏るのでは、と心配です。今までは直接部下の行動を見ていたので職場のムードメーカーや、縁の下の力持ち的な働きを把握できた。今のままでは正しい査定ができるか不安、特に異動してきた新メンバーは前歴と数字でしか判断出来ないので不公平になるのではないでしょうか」・「自身の存在意義に疑問を抱く」50代管理職(多数の部門共通)「この部署は自分の適切な指導があったから業績が維持できていた。優秀な部下であることは認めるが、使いこなしている自分がいてこその活躍。表立っては言いませんでしたが、内心はそれなりに自負がありました。でもコロナ禍以降気づいたのは、自分がいなくても仕事は今まで通り回っているではないかということです。ということは、自分は居ても居なくても問題ない存在だったのか…? と、ふと思うようになりました。そこで、どうしても自分の存在意義をアピールしたくなって、部下に必要のない過干渉を始めてしまったんです。悪あがきですね。会社からは分散出社と言われていましたが、勝手に全員出社させて今まで通りの仕事をさせています」本人は至って真面目ですし、それが会社のためにもなると思ってのことですが、結局これらの行動に出た管理職は、会社から厳重注意を受ける羽目になったそうです。週5日は電車やバスに揺られて9時前後に会社に出社、いつものメンバーといつもの職場でいつもの流れで仕事を始め、これからもずっと変わることなく続くと思われた(少なくとも自分が定年になるまでは)これまでの仕事のスタイルはおそらくもう戻ることはないでしょう。少子高齢化で人出不足になることからシニア世代の就労期間は延長され、65歳、70歳までは現役として働ける環境が整い始めた、我ながらいい巡りあわせに恵まれた…その構造が根底から覆されたのが2020年下期の現実です。今や毎日の出社は言うに及ばず、定刻にスタッフ全員が揃うことも求められていません。職場と住まいの区別があいまいになり、個々の事情に応じた仕事の進め方が推奨される時代になった中で、改めてシニア世代は自分の力で居場所を見出さなくてはならないのです。しかも2021年からいわゆる団塊ジュニア世代が50代シニア層に加わり始めるのです。現在は高齢者雇用安定法によって65歳までの雇用を義務付けられており、さらに70歳までの雇用が義務となるのです。そうなればシニア世代間での競争激化は必至です。今回のシニアの中には「会社からリモートワークの手引き」を用意してほしかったなどという依存気質の塊のような声もありましたが、本来なら用意してほしいと正式に会社に対して提言するのがキャリア豊富な管理職のはずです。もしくはこの手の知識に長けた部下や同僚に遠慮なく教えを乞う姿勢が取れるかどうかが、新しい体制の中でも居場所を確保できる人材、と私は思います。新しい仕事の形であるリモートワーク、在宅勤務に速やかに、柔軟に対応出来るか否かは、選択可能な職種範囲、業務内容に大きく影響してきます。希望する職種、業務、肩書、役職が確保出来るかどうかは、競争にうち勝った人物だけに許されるのです。結局、知らない分野や新しい業務に直面した時に、小さな自尊心やプライドを捨てて謙虚に新人として対応できるかどうかが成功のカギの一つ。今話題の自動車運転免許の返納ではありませんが、一定の期間が経過したら、「従来は通用していた管理職免許の自主返納」ができるようなシニアになる事が今回に始まる新時代への備えではないでしょうか?』

「俺はヒトからもらった冠で仕事をしてんじゃねえ!」と若いころ(2~30代)から言っていたが、今のシニアはそれに甘んじて高給をとっているモノがまだ多く居るのが現実だ。一番の問題はこの記事でも指摘している様な『謙虚に新人として対応できるかどうか』だろう。

メールにデータ添付もできない…ついに発覚した「50代サラリーマン」の悲惨すぎる現実
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/77414

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