どっちもどっちな気もしないでもないが、やはり「多様性を認めてしまった責任を負う時期」なのは確かだ。

『だが、自分が実際に大人になってみてわかったのは、決してそんな立派なものではない、という事実だ。わかりやすいところでは、昨今話題の「あおり運転」だろう。いい大人が感情をコントロールできず、運転で怒りや苛立ちをあらわにする。痴漢や下着泥棒は「ムラムラして、つい……」と犯行動機を語り、街中や電車内で暴力行為に及ぶものは「ムシャクシャした」などと供述する。これのどこが「立派」なのだろうか。むしろ、子どもよりも未熟である。~ただ、この話でいうと、会社によってはセキュリティを考えて、独自ドメインからのメール送信と電話のみを外部との連絡手段として許可し、SNSのメッセンジャーでは業務上のやり取りを禁止している例もあるのだ。相手の事情や合理的な情況判断にもとづいて臨機応変にツールを使いこなすのが、本当の意味で賢いビジネスパーソンである。これを「新しい時代の流れに即していないし、柔軟さに欠ける」「頭が堅い」「バカじゃないの」などと腐すのは簡単だが、相手には相手のルールがあるもの。そして、そのルールやポリシーをきちんと尊重しあえる大人どうしでビジネスをおこない、しっかりと利益をあげているのである。こうした「大人の中二病」的所業は、日々さまざまな場所で見ることができる。「エレベーターに乗ったら絶対に奥へ行き、ボタン押し係にはならない」「分煙ではない店で『すみません、タバコの煙をこちらに吹かないでもらえますか?』などと言われたら、『この店は喫煙可ですよね?』と毅然と返す」「電車のドア付近にいても、駅での乗降時には絶対に外に出ないようその場で踏ん張る」「飲み会で自分が会話に入れなかったり、話題がつまらなかったりしたら、遠慮なくスマホに集中する」……いずれも「大人の中二病」患者らしい、痛々しさやダサさ1000%を表す行為である。そしてA氏の振る舞いが決定的にダサいのは、周囲に対して自分のポリシーを(おそらく嬉々として)吹聴していることである。X氏から私に対して「もしかしてA氏に連絡したけど無視されて、傷ついたのですか?」という連絡があったことからも、それが想像できる。~A氏から私へのオファーは過去に何度かあったのだが、私からA氏に仕事を依頼したのは今回が初めてである。私としては、A氏がインフルエンサー的立場になったことを嬉しく思い、これまでの仕事でのお付き合いに対するお礼の気持ちも込めて、誠実に打診したつもりだった。正直なところ、私はA氏になんの悪感情も抱いていなかった。しかし、失敬なポリシーやら、それを周囲に吹聴しているだろうことを思うと、今後は“痛いオッサン”事例として遠慮なくネタに使わせてもらうつもりだ。おかげで、こうして今回のコラムのネタにも困らずに済んでいる。ところで、「大人の中二病」をこじらせた人々の根底に潜んでいるのは、どのようなメンタリティなのだろうか。私は結局のところ、自意識過剰さに由来する、一種の「マウンティング」なのだと捉えている。実にくだらない。~私自身は「挨拶ができる」「返事(返信)ができる」「お礼が言える」「約束を守る」程度の幼稚園児でもできること(そして「大人の中二病」患者にはできないこと)を忠実に実践し続けてきただけで、20年近くフリーランスとして生き残り、仕事に困らない程度には売れることができた。そう考えると「常識的である」というだけで、ビジネスの世界では十分アドバンテージになると見ることもできそうだ。』

ホントにヤバいご時世になったモノだ。あまりにも”痛いヤツラ”が多すぎて『「常識的である」というだけで、ビジネスの世界では十分アドバンテージになる』とは。まぁ、どっちもどっちな気もしないでもないが、やはり「多様性を認めてしまった責任を負う時期」なのは確かだ。

「既読スルーで返事しない」ほど痛い人はいない
「大人の中二病」は無視するに限る
https://president.jp/articles/-/32059

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