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中高生のための就職ガイダンス「心にも慣性の法則が働く」

心にも慣性の法則が働く

(前号からのつづきです)
辞めたほうがいい場合も存在すると思います。
しかし、私が高等技術専門校修了生に接した経験では、辞める動機の大半は、現状からの「逃げ」が多いように思います。

ここで生臭い話をすると、転職後の私の給与は、同年代の永年勤続の職員と比して、相当の差がありました。
その差は、退職まで、決して縮むことはありません。
私の現役当時の一般的な人事制度は、新卒採用をベースに組み立てられており、中途採用による給与計算のべースは、良くて前歴8割程度と言われていました。

今日では、ヘッドハンティングや、アルムナイ雇用といった、退職した元社員を再雇用する制度も浸透しつつあるようです。
それとて、キャリアを積んだ即戦力の再雇用であり、乞われて採用されることでも無い限り、一般的に転職は、給与や人事面で不利なのです。
雇用の多様化・流動化と言われている今でも、そのことは変わりません。
人手不足だから、だれでも容易に転職できる、といった安易な考えでの転職には、リスクがあります。

私が見てきた限りですが、転職願望の人の多くは、いいものも与えられているのに、そちらには眼を向けず、あるいは気がつかず(この方が多いと思われます)、悪いものだけに目を向けて「避けて通りたい」となります。

そこでカールブッセのごとく「山のあなたの空遠く」に幸いがあるように思え、「あっちの方が自分に合っている」となります。
おなじみの「隣の芝生はよく見える」です。

しかし、幸いを求めて辞めた人は、たいてい期待が外れて幻滅し、前よりもっと大きな辛さを味わうことになります。
そこで次なる幸いを求めれば、もう、立派な転職癖ができあがります。

望むことは悪いことではありませんが、その時その場への適応意欲を持たないと、転々として安住の場がなくなります。
転じるたびに、ますます社会に適応できにくくなっていきます。

人生に逃げ場所はありません。
逃げれば逃げるほど、ますます追い詰められて行きます。

逃げた彼女に未練はないが、逃げた職場に未練は残る
汽車は出て行く、煙は残る
捨てたたばこに、煙は残る
今日も残業、私は残る・・・ ? ? ? ?

しかも悪いことに、一度逃げることを覚えると、それが癖になります。
現状からの逃げが、もっとも安易な解決方法ですが、その結果は打開ではなく一時避難であり、やがて行き詰り状態となります。

一般論として、「逃げ」の心が頭を持ち上げてきたそのときは、その人の置かれている状況が問題なのではなく、それに対する心の姿勢が問題である場合が多いものです。
「人生は考え方しだい」というのはそんなことではないでしようか。

人の心にも、慣性の法則が働きます。
人は、思い続けると、思いが行動にも表れて、実現の方向に向かうものです。
プラス思考ならばプラス指向へ、マイナス思考ならマイナス指向へ。
さあ、あなたの心はどっちを向いているでしょうか?

私の心は冬向きで・・・・いつもダジャレでさむ~~いです・・・
寒いときはお風呂が一番、電話はニ番・・・んっ?

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