中高生のための就職ガイダンス「生知・学知・困知・下愚」
生知・学知・困知・下愚
今日は、私が高等技術専門校の指導員時に、新入生の導入指導のなかで使っていた言葉を紹介します。
孔子は、人間は以下の4つのタイプに分けられると言いました。
1)生知 生まれつき道を知るもの
2)学知 進んで学ぼうとするもの
3)困知 困ってから必要を感じて学ぶもの
4)下愚(かぐ) 困っても学ぼうとしないもの
別の見方をすると、こういったことでしよう。
「生知」とは、生まれながら身につけている智恵
「学知」とは、学ぶことによって身につける知恵
「困知」とは、困難のなかで努力することによって身につける知恵
昔から、ものをたくさん覚えることが勉強であり、博学・博識が尊重されました。
そのために、志をもつ者は一生懸命に本を読み、人の話しを聞き、知識を蓄えることを 掛けました。
そのことは現在でも当然のことですが、仕事においては、ただ知識を詰め込むだけでは通用しません。
知識を自分自身の智恵や創造力として仕事に活かさなければ、知識は死物化します。
知識から智恵や創造力への転換が必要なのです。
「バケツの法則」があります。
バケツに水を満たさないと、水はあふれません。
同じように、知識を満たさないと、知恵や創造力も生まれないのです。
世の中についての知識が多いということは、将来どんな仕事に就くとしても、必す必要なものです。
職業燻訓練は、「習ったら慣れろ」です。
学んだことが実践できるようにならなければなりません。
学知とは、学びとは、「分かった」で終わることではなく、「できる」状態まで学習を深めることです。
新入生の皆さんは、在校中に「学知」を身につけてください。
そのためにはどうしたらよいか?
まずはたくさん覚えることです。
覚えることはたくさんあります。
「知らないことは恥ではない」と言います。
それは、「知らないことは、知らないとはっきり言いなさい」ということであって、知ったかぶりを戒めた言葉です。
「知らないことは、知らないままにしておいても良い」ということではありません。
知ること、学ぶことにどん欲になってください。
社会経験の少ない新入生の皆さんには、仕事をする上で「知らないことは恥である」ものがたくさんあります。
先に紹介した「就勝の3要素」のそれぞれについて、きちんと理解し、実践能力を身につけてください。
就職してから、先輩や同僚に「そんなことも知らないのか!」や、「何を勉強して来たんだ!」などと言われることのないようにしてください。
知識と実践能力の両方が伴って、仕事能力として評価されます。
社会に出てからは「困知」が求められます。
その時困らないためにも、今から「学知」にしっかり取り組んでください。
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