展覧会レポート フィンランド・グラスアート 岐阜県現代陶芸美術館
会期 2023年12月16日(土)〜2024年3月3日(日)
近隣には、現代美術系の展覧会開催が少ない。規模は大きくなくていいが、足を伸ばせる範囲の地域でと思っているのだが、なかなか見つけられない。(情報収集力の問題か?)ということで、とりあえず手が届く範囲の美術展へ、と思い立って出かけたこちら。
初めて足を踏み入れたが、立ち寄った時間もあったのか人がいない!
ギャラリーウォーク手前からオルゴールのBGM。御伽話の世界に踏み入れるかのような演出なのか。その雰囲気にのまれようではないか、と自分の靴音に酔いしれながら進む。
長いギャラリーウォークを通り抜けると、建物が。
外観を満喫。建物内へ。
図録2冊もらえるからという理由もあって、悩んだ末に友の会(年間パスポート)に入会。
ムーミンの展覧会は、展示スペースも小さく、私があまり興味がなかったので素通り。(ごめんなさい)
さてグラスアートへ。
今回の展示は、140点すべてコレクションカッコネンから。
2018年にフィンランド外交100周年を記念して国内を巡回した「フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア」に展示された内容と重なる部分もある模様。上記展覧会、2018年11月に岐阜現美にも巡回している。
ガラスアートって私にとっては馴染みのないもの。この展覧会を通して感じたのは、ガラスを通した人間臭さとガラスの温かさ。
自分の身の回りにあるグラス類は、繊細で「割れる」から丁寧に扱わなくちゃいけなくて、用途に沿って整った「売り物」だけど、「アート」となるとこんなにも自由で綺麗で面白いんだなーと。
木型の場合、ひとつ吹くたびに、木型が燃えて、表面に揺らぎができるらしい。
もちろん物によって風合いが変わる。イッタラのバードもみんな手作りだから個体差がかなりあって顔も違って面白いなーって思う。
こちら1937年のパリ万博に出品されたとか。ピカソのゲルニカがスペイン館に出品された万博。アアルト夫妻、この2年後くらいにフランクロイドライトの居るアメリカのタリアセンに訪れてる。
カイフランクってカトラリーとかデザインしてる人だよね、知ってる!と思っていたら、カイボイスンと勘違いしていた。恥ずかしい。
ガラスの上に灰を撒き、その上からガラスを重ねることでできた空間により、その風合いになるらしい。よく考えたな。実験に近いのか。
ヴィルッカラの作品は振り幅がすごい。
荒々しい作品から、デザイン性の高いスタイリッシュなものまで。
アメリカのデザイン事務所と契約していたこともあったとか。
そして、この方。
こちらが、現在1000種類を超えて続くイッタラのバードシリーズの始まりの作品とか。この10年後からシリーズ化された。
現代の作家さんのパートへ突入。
もうね、訳がわかりませんが、とにかくぶっ飛んだ発想なんだろうな。
この作者の作品展示は卵形のオブジェが多かった。小さな子どもと来訪したら、どんな生物のたまごだろうねーって想像しながら鑑賞するのも楽しいかもと思ったりした。
別フロアには、岐阜現美が所蔵しているアラビアの食器類の展示もあった。
アラビアは、スウェーデンのロールストランドの子会社として1873年に設立。その後独立したフィンランドのメーカー。
1945年にはプロダクトデザイン部門長にカイフランクが就任。1945年といえば終戦の年かーと思うとなんともいえない気持ちになる。
展示の最後にはイッタラの手作りグラス工房の様子の映像が放映されていた。
職人さんたちの手慣れた手つきと、みるみるうちに出来上がっていく様子。
大胆な作り方なのに繊細な作品ができていく様が魔法のようだった。
今年は、年に一度の遠出の出張に合わせて美術展へ行く!とか、足を踏み入れたことのない瀬戸内にも行ってがっつりレポをとウキウキ思っていた。
しかし、昨年末気がついてしまった。今年は受験生になる家族が2人いる。
・・・そこはまあ、もう中学生と高校生だし、スケジューリングも私は手出しをしないので、どうにかなるかなと思っていた。
が。
年始に夫の海外赴任が決まり、同じ時期、私も春から、(ずっと逃げていたが)責任の重い仕事を賜ることが決まった。
美術館は土日にギャラリートーク、スライドトークなどイベントも多い。
私は土日勤務も多いので、土日は夫に子どもたちのアレコレをお願いしてただけに痛い転勤である。
ということで、これからの一年はとにかく平穏に健康に過ごすべく、近場の美術展で、気分転換を図ることにしようと思う。すぐに忘れてしまうので色々調べる上に遅筆で、なかなか記事を投稿するペースも、自分が求めるペースにならなさそうだが。とにかく、気負わず続けていこう。そして、今まで以上に大好きなnote作者さんたちのレポを読んで、ウキウキをお裾分けしてもらおうと思う。うん。そうしよう。
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