見出し画像

映画 君たちはどう生きるか 所感

賛否両論。
観終わった後に、映画をこき下ろし、怒りを噴出させていた人もいたと聞く。

かくゆう我が家も、鑑賞後の感想は様々だった。ひとりは意味がわからずぽかんとしていたし、ひとりは号泣していた。

私自身はどうかというと・・・号泣派だった。

この映画は、映画の中に正解を求めてはいけないのではないだろうか。
映画の中には、考えるための種が無数にちりばめられており、そのかけらを一心に拾い、想像し、感動する。そんな映画なのだと思う。その想像力を沸き立たせる絶妙な種まき具合と余白感に、宮崎駿が天才と呼ばれるゆえんを知ったような気がした。

まだ読み切れていない。たっぷりとインタビュー記事が掲載されている

やはり【怪物】ともつながる部分でもあるが、主人公のまひとが、自分の敵だと思われるペリカンの進退について心配するシーンや、様々な均衡が保つことが危ぶまれ、存在を維持できない状態となりつつある元の世界に、それでも【戻りたい】と願い、行動をする姿。自分が死んでしまうとわかっている世界に、まひとの母として生きることができるならと戻るための扉を開く母に。とにかく感動した。

どれだけ苦しくても、理不尽なことがあっても、生きていくことが辛い世界でも。それでも戻り、悪と思う存在をも一緒に生きていくことについて思う。
その姿に【それでも生きていく】こと。そしてあなたはどう生きていくのかをつきつけられているようだった。

一緒に号泣したかぞくのひとりは、鑑賞後に意味が分からないとネタバレ考察動画を早速見始めたひとりに激怒していた。

人の考察によって、自分が得た感動を汚されたくないとのこと。その思いは非常によくわかる。もう一度観て噛み締めたい、見る度に感じる部分は違うんだろうな。そんな映画だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?