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MVっていいよね

MVっていいんですよー。
最近魅力に気付きました。
主役はもちろん音楽なんですが、かなり自由なんですね。
音楽に合わせたものもあれば音楽だけでは想像しなかった物語を持っているものもあるんです。
おすすめのMVを紹介します。
 

宇多田ヒカル One Last Kiss

宇多田ヒカルを映した断片的なショートムービーをつなぎ合わせたもの。
自撮りだったり、ごく近しい人が撮ったような日常的な映像。
カメラに向けられる親しげなほほ笑みと視線。
次々と移り変わるシーン。
気を許した相手にしか見せないような表情、友達の赤裸々な日記を勝手に読んでしまったような微かな罪悪感。
 
とても幸せな人を見ているとその幸せが続くことを願いながら、破滅を連想してしまう。
幸せであればあるほど、それがとても脆いものに見えてしまう。
そういった暗い予感と罪悪感と、ドキリとするような笑顔が、ない交ぜになって胸が締め付けられる。
ちなみにディレクターは庵野秀明。知らなかったけれどシン・エヴァンゲリオン劇場版のエンディングソングらしい。
 
関係ないけど4、5年前まで宇多田ヒカルを聞いたことが全くなかった。
聞こうと思ったのは知り合いからおすすめされたからだ。
4年くらい連絡を取り合ってなければ近況も知らない人だった。
いきなりメッセージが来てBADモードを聞いてほしいと言っていた。
何故なのかいまだに知らない。
だからか僕にとって宇多田ヒカルは少し特別だ。
 

Radiohead Daydreaming

Thom Yorkeが地下通路を歩いている。
そばにあるドアを開ける。するとホテルの廊下が続いている。
またドアを開ける。すると今度は誰かの家で、リビングには知らない家族がいる。
次々とドアを開ける。病院の廊下、また違う家、どこかのキッチン、コインランドリー。それぞれの場所で人々が生活している。
いきなりドアを開けて入ってきても誰も彼のことを気にしない。
まるでそこにいないみたいに。
 
そもそもMVを曲のおまけとしてではなく意識するようになったのはRadioheadからだったような気がする。枚挙にいとまがないので書いていないけどRadioheadのMVは好きなものが沢山ある。
 

Richard Ashcroft A Song For The Lovers
 
照明を落としたホテルの一室で風呂上りのRichard Ashcroftが何か(歌詞の通りなら恋人)を待っている。リモコンを手に取り爆音で音楽を流し始める。
点滅する浴室の蛍光灯、激しくたたかれるドア。
情熱的でノリのいい曲に対して、映像には不穏な空気と何かが起こるような緊張感が漂う。
 
面白いのは映像内でこの曲が演出ではなくて実際にその部屋に流れているということ。
部屋に流れている音楽そのものがMVの曲であるということ。
途中彼は部屋から廊下に向かって歩いていく。カメラがそれを追えば音楽も小さくなる。
そして彼は部屋に戻りドアを閉める。カメラは外に置き去りにされる。
ドアを閉めたとたん音楽はくぐもって聞こえるようになる。このシーンが好き。
 
残念ながら公式のものがYouTubeにアップロードされていない。
ディレクターのJonathan GlazerのショートムービーをまとめたDVDを見てこのMVを知った。
彼はJamiroquaiのVirtual InsanityのMVも手掛けたらしい。

Roger & Brian Eno – Slow Movement: Sand

曇った日の昼間に電車の車内から撮っただろう映像。ゆっくりと外の大都市が流れていく。ただそれだけ。とくに物語はない。でも僕は知らない街に初めて行った時のような気分になった。あそこにある窓の数だけ人々の生活があるんだなという気分。とてもいい。
ちなみに外の風景は調べてみたところロンドンだった。
 

おすすめのMVがあれば教えてください。

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