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大きくて、がっしり。日焼けした手は、今日も温かった。

とても嬉しいことがあった。

10年前、当時大学生で「まちづくり」を始めた当初。
とある商店街活性化のイベントを企画しているときに、すごく世話になった農家さんと偶然の再会。


京野菜と言えば、このおっちゃん!というくらい、
かなり有名人な農家さんで、すごーく気さくなおっちゃん。

いつも笑顔で「うちのハウス見に来いや」と言ってくれて、
通学ルートの途中だったもので、よくお邪魔してた。

その時、試作でハウス栽培していた「いちご」が堪らなく美味しかったのを思い出す。

お前はなにがしたいんや?

「まちづくり」っというもんに噛み始めた僕は、その時関わっていた商店街イベントを成功させるべく、なぜか異業種交流会的な事業者さんたちが集う場違いな会議でプレゼンをした。

そのとき、真剣な目で「お前は何がしたいんや?」と問うてくださったことを今でも忘れない。

(あの時、緊張しすぎてほぼ泣いてたな。)

それから何かの企画をやるときには
「野菜や果物はいらんか?」と声をかけてくださり、
その度に「儲けはいらん。若者を応援したいんや。出世払いでええで!」という。

そんなおっちゃんに僕は、
「イベントで稼いで払います!」と言っていたなあ。

それでも甘々な僕らは、結局イベントで回収することなんて出来ず、めちゃくちゃ悔しい想いをしたのを覚えてる。

ぼくは、

18歳 → 28歳。

おっちゃんは、

60歳 → 70歳。

いつのまにか10年が経った。

僕はあれからも、いまも「まちづくり」をしている。

おっちゃんは変わらず笑顔で、いまも「農家」をしている。

懐かしいなぁ。懐かしいなぁ。
変わらんなぁ。
立派にやってるんやなぁ。えらいなぁ。
またいつでも畑に来いや。


大きくて、がっしり。

日焼けした手は、今日も温かった。

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