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【第一話】発達障害の主婦がスマホ依存と向き合ってみることを心に決めた日

『スマホ依存の親が子供を壊す』

『スマホ依存から脳を守る』

見ているだけでめまいがしてきそうなタイトルの本たちが、今私の目の前に転がっている。

どうも今の私には、この本のページを開く覚悟がまだないようである。

その証拠に、こんなどこの誰かもわからない、誰からも望まれていない自叙伝らしきものをつらつらと書き出してしまった。

なぜわざわざそんな本を読もうとしているのかって?

答えは簡単。

何を隠そう私自身がスマホ依存だからである。

正確には、

「自分が本当にスマホ依存なのかもしれないと最近やっと自覚してきた」

と言ったほうがいいのかもしれない。

私が初めて携帯を手に取ったのは確か15歳頃。

今の私は31歳。

もう15年以上の付き合いとなる。

15歳でスマホを手に入れてから、私にとってスマホはなくてはならない存在となった。

といっても、最初は親の携帯を借りて、友人とたまにメールで連絡を取り合う位だった。

しかし、自分だけの携帯を手に入れてからは家族や友人よりもずっとずっと長い時間を共にすることとなった。

ある時から、トイレにもスマホを持って入るようになった。

だってお腹が痛くて、でもなかなかすっきりしない間、手持ち無沙汰なんて時間がもったいないじゃないか。

それなら、その時間スマホから有意義な情報を得たほうがいいじゃないか。

何もしないで過ごすくらいなら、クスっと笑える動画でも見たほうがいいじゃないか。

ねぇ、皆さんもそう思うでしょう?

おっと失礼、自己紹介が遅れました。

私の名前は茂奈月(しげなつき)。

長崎県の大村市と言う田舎に住んでいて、家族は会社員の夫ともうすぐ2歳になる息子が1人。

ぐちゃぐちゃな家族のもとで育ち、社会人になり勢いでそんな家を出られたはいいものの、人生いろんなところでつまずきまくって、鬱状態や適応障害になり、しっかり調べてみると発達障害であることが発覚。

診断名はADHD(不注意優勢型)と自閉スペクトラム症。障害についての詳しい説明は、腐るほど情報が溢れているのでここでは割愛。

職業は文筆家。

ちなみに、この職業名は3日前に決まった。

「就職決まったんだおめでとう!」と思われた方。

そうじゃないんだ。

なんと私は勢いだけで3日前に個人事業主として開業してしまったのだ。なんということだろう。

「開業できるほど調子が良くなったのね!よかった!」と思われた方。

それも違う。

決して今の私の調子は良いとは言えない。

むしろ「最悪だ」と言ったほうがしっくりとくる気さえする。

じゃあなんで開業なんてできたのかって?

それは、

「保育園に勤務証明書を出さなければ子供が保育園から追い出されてしまう」

という現実的な課題を目の前に突きつけられたからに他ならない。

「開業なんてせずにどこかでパートでもしたらよかったのに…」

と言う声が聞こえてくるのもわかる。

しかし、私は大学を卒業して何社か会社員やパートというものを経験したが、どれもこれもうまくいったためしがない。

うまくいかなかったどころか、精神的に限界が来てしまいドクターストップがかかり、会社に診断書を提出して強制退職となった経験も一度ではない。

そんなことを繰り返して、これまでたくさんの人に多大な迷惑をかけてきた。

そんな経験をすると、また「誰かに雇われて働く」ということが私にとってとても大きなハードルとなった。

人様に迷惑をかけるくらいならば、自分で開業してしまい自滅したほうがまだマシなのではないだろうか。

ある時からそのように考えるようになった。

そんなこんなで、私は開業した。

余談だが、どうせ開業するならばと、職業のところに長年の夢であった「シンガーソングライター」としれっと記入した事はここだけの秘密にしておいてほしい。

ちなみに楽器は弾けない。作詞作曲なんてしたこともない。

話がずれたので本題に戻ろう。

私が「文筆家」と名乗った理由は大きく二つ。

一つ目は、最近ある人に私が書く文章を褒めてもらえたことがあり、調子に乗ったこと。

だって、自分では気づいていないけど人から見つけてもらえた才能が本当の才能だとかよく聞くからさ。

もう一つは、有名な社会派ブロガーのちきりんさんが、自分の職業は公的な場所では「文筆家」と名乗っている、とラジオで話されているのをたまたま耳にして、「よし、それなら私もそうしよう」と思ったこと。

なんと単純な頭なのだろう。

とにもかくにも、「文筆家」として開業してしまった以上、私は何かしらの文章を書いて発信しなければならない。

さて、何のテーマにしようか?

そう考えたときにふと思いついたのが、「発達障害とスマホ依存」というテーマであった。


ーつづくー

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